歩け、マヤ -考古学・歴史ニュース-

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「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

お金にならない考古学をお金にしよう╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! 考古学・歴史ニュースの決定版╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2018ねん 5がつ 3にち(もくよーび、やや雨)
最近体調がすこぶる悪い。

というか変わった皮膚炎にかかったり、

それが目に飛び火したりと辛い。

健康が一番!

お酒を生贄(酒断ち)にしたら、厄が払えるだろうか。

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↑ミイラ化した生贄、左が子供、右がリャマの子供(ヤフーニュースより転載;元画像:Nacional Giographic 日本版, PHOTOGRAPH BY GABRIEL PRIETO )


【目次】

  1. 史上最大規模!超大量の生贄を発見!
  2. アンデスにおけるミイラの作り方
  3. おわりに


1.史上最大規模!超大量の生贄を発見!

ペルー北部沿岸地域で、史上最大規模の超大量の生贄が発見されました!発見された遺跡は、チムー王国に属するラス・リャマスという遺跡です。


チムー王国は西暦850-1470年頃にペルー北部沿岸地域を支配しており、最盛期には1000kmもの海岸線域をその領域下としていました。このチムー王国の首都、チャン・チャン近くに位置するラス・リャマス遺跡の、太平洋を見下ろす断崖の上でこの大規模儀礼の痕跡が発見されました。


これまでの事例では生贄は成人が主でしたが、このラス・リャマスで生贄になったのは子供でした。その数140人強!また子供のリャマ(ラクダ科の動物で見た目はアルパカに似ています)が200頭強も生贄にされました!


見つかった儀礼の痕跡は単一の泥の層から発見されたため、恐らく一度の儀礼でこの大規模な生贄が捧げられたと考えられています。また泥の層は様々な痕跡が残りやすい環境にあるため、サンダルを履いた成人、犬、素足の子ども、リャマの子の足跡が残っていました。また脚が4本ある生贄(恐らくリャマ)が抵抗して足を踏ん張りながら引きずられていった跡と思われる痕跡も残っていました。


これらの痕跡から研究者チームは儀式の過程を復元しており、子どもとリャマの集団は断崖の北端と南端から連れてこられて、遺跡の中心に集まり、そこで殺害されて埋葬されたようです。


またペルーの海岸地域は基本的に乾燥しているため、儀礼の痕跡に関連する泥の層は激しい雨や洪水によって生じた可能性があります。つまり生贄の儀式が行われた当時、この地域はエルニーニョによる異常気象によって海水温が上昇して近海では魚が獲れなくなっていた状況が推測できます。また大雨や洪水によってチムー王国内の農業用運河が破壊されてしまったのかも知れません。


多量の生贄と共に出土した布製品等を対象にした炭素年代測定によって儀礼が実施された時期は西暦1400-1450年であると推定されています。チムー王国はラス・リャマスの集団生贄の儀式からわずか数十年後(1470年頃)にインカ帝国の侵攻を許し、その支配下に入ることから、非常に危機的な状況にあったことが推測されます。


異常気象によって生業・経済基盤が崩されたことで、国を救うべく、人類史上に稀に見る大規模の、しかも子供の生贄儀礼が行われたようです。



2.アンデスにおけるミイラの作り方
さて、生贄の風習も世界各地で見られるのですが、ミイラを作る文化も散見されます。中でもエジプトが最も有名ですね。他にも中国や日本でも見られます。

また文化というわけではないですが、メキシコにも事例がありますし、世界で最も美しいミイラとされるイタリアのロザリア・ロンバルドも有名です。世界のミイラや生贄についてはまた別の機会に整理して記事にしたいと思いますので、乞うご期待!(*・ω・)ノ

さて、ミイラは基本的に自然にできません。ミイラとは生物の死体が極度に乾燥することで腐敗分解を抑えることで出来上がります。砂漠等の極端に高温で乾燥した地域で脱水症状で亡くなれば、自然とミイラ化するケースもあります。メキシコのグアナファトも乾燥気候と土壌の成分によって天然のミイラが出来上がる事例ですが、このような自然発生的なミイラは稀なのです。

余談ですが、中米等の抗生物質がその辺の薬局で処方箋なしで買えてしまう国では、お金持ちが具合悪くなる度に多量に抗生物質を摂取するため、死後腐敗せずにミイラ化する事例が確認されています。

とまぁ普通は生物が死亡すると細菌の働きにより腐敗しやがて分解されます。この時死体が含む水分が少なくなればなるほど細菌活動が低下します。ミイラ作りの基本は乾燥です。その他、脳や内臓といった腐敗しやすい部位の除去や防腐剤の塗布といった方法が組み合わせて用いられます。

さて、アンデス地方のミイラの作り方は少し変わっています。死者の内臓と筋肉を摘出した後に、火力を使って体内の水分を乾燥させます。屈葬のような膝を折らせた格好(体育座りみたいな感じ)にして布を巻き付け、籠に入れた上からさらに布を巻きつけます。布を巻き付ける辺りはエジプトのミイラのイメージそのものですね。

アンデス地方では紀元前2世紀頃からミイラ作りが行われていました。13世紀にクスコ王国(後のインカ帝国)が成立した後もミイラ作りの文化は続きました。16世紀以降のスペイン植民地期の文献資料によると、インカ帝国ではミイラを住居内に安置し、生前と変わらず食事を供えて話しかけることで死者への愛情を示したといいます。

単に何か叶えたい願いがあるとか贖罪の意味で生贄にしたわけではないようですね。アンデス文明に限らず人類史におけるミイラ作りが有する文化的・宗教的意味は興味深いですね。勉強しておきます(。・ω・)ノ゙


3.おわりに
さて、生贄と言えば、旧約聖書に出てくる贖罪のヤギ!私だけでしょうか?(誤変換で食材の山羊って...まぁジンギスカンはヘルシーで美味しいですけどね)

この贖罪の日に捧げるヤギが「スケープゴート」の語源になっています。以下は、スケープゴートを比喩的に使う時の意味です。

 不満や憎悪、責任を、直接的原因となるもの及び人に向けるのではなく、他の対象に転嫁することで、それらの解消や収拾を図るといった場合のその不満、憎悪、責任を転嫁された対象を指す。

 簡単な使われ方として、事態を取りまとめるために無実の罪を着せられた「身代わり」や、無実の罪が晴れた場合の「冤罪」などが存在する。

 政治の一つの手法として使われる意味合いとしては、方針や主義に不利益とされる小規模な集団や社会的に弱い立場の人間をスケープゴートとして排除するなどして、社会的な支持や統合を目的とするといったものもある。              (wikiより転載)
とまぁ生贄の儀式はなくなりましたが、現代社会でも似たようなことをしてるのかも知れません。ニュースでよく叩かれる芸能人にせよ、政治家にせよ、あるいは私たち一般の人々の何気ない日常生活の中でも「責任転嫁」は潜んでいます。

そもそも人を生贄に捧げるのは、人が神に最高の重要な品だからです。人を殺すのは残酷だからヤギにしようって言ったのはキリスト教ですね。人類史において生贄の歴史はたくさんありますが、何なら残酷で、何ならいいってことはないと思います。もちろん法治国家として重要だから人を捧げよう!とはなりませんが。

日常的な「責任転嫁」にせよ、芸能界や政界における「スケープゴート」にせよ、人は直接的に死なずとも社会的に死ぬあるいは決して少なくないダメージを負うでしょうし、結果追い込まれて人が死んでしまうしまうかも知れません。

非科学的とは言え国のため、人のためを願った古代の儀式ではなく、現代人としての知識・常識を有した上で一個人や一グループのために他者を生贄として利用することこそが本当に非人道的なことではないでしょうか? 今回の大きな考古学的発見が、単なる知的好奇心を充足するだけではなく、現代版の生贄儀礼に目を向けてみる契機となれば幸いです。


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2018ねん 5がつ 1にち

ゲームをしてみた。

ものすごく久ぶりだったせいか、ハマった。

たまにはこういう息抜きもいいものだ。

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↑PS4 地球防衛軍5の画像より; (C)SANDLOT(C)D3 PUBLISHER

【目次】
  1. 地球防衛軍というゲームについて
  2. エイリアンは環境に優しかった


1.地球防衛軍というゲームについて
今回、何故この記事を書いたかというと、以前【超古代文明】NASAの研究者らが「人類以前の文明」の存在の可能性を指摘!【考古学】で、「現在の私たち人類文明より進んだ、地球へエネルギーをフィードバックする段階の文明は、その高度な文明の存在の痕跡をほとんど残さないだろう」という研究者の意見に触れました。そしてこの「地球防衛軍5」に出てくる侵略者はまさにその高度に発達した技術を用いて、地球上から人類文明の痕跡を消滅しようと目論んでいると分かったからです!

さて、このゲームのシナリオ内容は至ってシンプルです。「宇宙人によって地球が突如侵略される。地球を守るために戦う」です。私自身は「5」から始めていて、1~4はやっていません。まぁでもシナリオというか内容は大雑把に同じ感じのようです。つまり「侵略される、守る!」です。

この侵略者集団は巨大化した生物が多く含まれます。白いデカいアリ、赤いデカいアリ、デカい蜘蛛、デカい蜂、デカい空飛ぶカエル(幼生)、二足歩行で武器使う巨大カエル(生体)、二足歩行で武器使うアーマー装備した巨大エイリアン、超能力使う巨大な神です。他にバカでかいドローン兵器も出てきますがまぁいいでしょう。

あぁ、あとゴジラみたいなのと、アンギラスみたいなのが出てきます。ちなみにアンギラスの方が強いです。ゴジラファンとしては理解に苦しみます(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?

とりあえずみんなデカいです。カエルで15~20mくらいありそうです。エイリアンもそれくらい。神(ラスボス)は40mくらいでしょうか。
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↑いかにもなエイリアン。いわゆるグレイ?; (C)SANDLOT(C)D3 PUBLISHER

ちなみにエイリアンのヘルメットを吹き飛ばすと中から、いかにもなエイリアンの頭部が出てきます(上図)。カエルとこのエイリアンの繋がりは不明ですが、両方とも紫色の血を流しますね。あと両方とも物凄い速度で再生します。幼生からカエルへと変態した後、エイリアンに成長するのですかね?

あるいは彼方の星では、種族を超えてみんな紫色の血液を有して、みんな超再生するのかも知れません。ちなみに神はというと、やっぱり紫色の血を流し、超再生します。
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↑地球防衛軍5のラスボスの神(「大きな俺」氏のYouTube動画より一部加工)

上図が神です。両腕・両脚吹き飛ばしても、ものの数分で再生します。じわじわ再生するというよりは気付いたら再生しているので、ナメック星人のより高速版と言えるでしょう。

最終的に両腕・両脚あるのに死んでしまうので、ナメック星人のように再生にはエネルギーを使っていてそれが枯渇するともうダメみたいです。

無線による司令部の人間の会話によれば(内容はほぼ各種説明か、ただの叫び声になっています)、神は超能力が使えるそうで、イメージを物理現象に変換できるそうです。ふつーに化け物です。

まぁ正直、手に入る強い武器をぶっ放し続ければ楽勝です。ノーマルはですけど。インフェルノは無理でしたが、ベリーハード(ゲーム中表記はハーデスト;Hardest)までならぶっぱで攻略できます(私は画面分割で二人でプレイしてました)。


2.エイリアンは環境に優しかった
さて、これだけだとただのゲーム紹介ですので、彼ら(侵略者)の文明について考察してみたいと思います。

まず彼らはプライマーと呼ばれています。「原初の者」という意味で使っているようです。ただ誰が名付けたのか等々については不明です。クリア後に初めて文章によるシナリオが流れるだけでほとんどシナリオないので。

ただ途中の無線通信によると(狂った女の子の独り言に聞こえます)、彼らの存在は世界中の古代文明で確認されているそうです。インドでは古代に卵型の宇宙船が飛来して、神が現れたそうです。

激しい乱戦中の音声なのでうろ覚えですが、そんな感じでした。つまり、このゲームにおいては発達した地球外文明が地球の古代文明に影響を与えた設定になっているようです。また彼らは、核のような強力な武器を人類が持つことに怒りを覚えたらしいです。

また彼らは環境破壊に弱いらしいです。汚染されたいかなるものに慣れていないそうです。通信によれば、中国では汚染された環境が功を奏して敵勢力と上手に戦っていたようです。

つまり中国の環境問題に触れ、核問題に触れていることから、プライマーは人類が地球を汚染していることに立腹して滅ぼしにきたようですね。

彼らの軍勢であるモンスターやレーザー兵器は地球上のあらゆるものを破壊します。また後半に出てくる緑の巨大なアリ(色的にグリーンアーミーメンに見える)はプラスチックやコンクリートを捕食する設定なのです。

つまりプライマーは単に人類を滅ぼすのではなく、人類文明を跡形も残さず消滅させて、新たに地球と生物の歴史を見守っていくつもりだったようです。

そんためこの作品自体は環境汚染や人類の地球にダメージを与える科学技術や社会の発展に継承を鳴らしているのですが、結局人類が勝ってしまいます。プラトンの描くアトランティスのような、このままじゃダメ!ちゃんとしなきゃダメ!っていう構成なのでしょうね。

最終的に、人類が悪なのか、侵略者が悪なのかよく分からないなぁと思ってしまいましたが、人類が地球にとって悪かも知れないと気付かせることが作品の意図だったのかも知れません。

最後になりますが、人類側は英雄の活躍により勝利しますが、アメリカ映画でも日本のアニメでもよく英雄に期待し全投げしますよね。他力本願的なアレです。日本の漫画・アニメだとその英雄たちは多くの場合少年・少女ですね。

プライマーたちは非常に高度な科学技術を有しています。超巨大な宇宙船で地球に飛来できますし、地球人による環境破壊も観測してますし、テレポーターという空間移動技術も有しています。レーザー兵器等の強力な武器や、汚染環境に耐える特殊スーツも有しています。

それなのに、彼らの絶対者は神なのです。一番大きいから偉いわけではないでしょう。恐らく自らエネルギーを生み出すことのできる超能力が権力の確立と維持の決め手となったのでしょう。発展した文明は全て民主主義に到達するとは思いません。むしろ貴族の代わりに議員という名称を使うだけの形骸化した民主主義よりはずっとマシな構造にも思えます(そういう意味で私たちは古代から続く権力構造から本質的に抜け出してはいないのでしょう。幾分持って生まれた身分からの脱出が楽になっただけかと思います)。

しかしながらあれだけ特殊な能力を持ち、生物として強力無比であった神も敗れました。私たちも英雄の到来を待つだけではなく、一人の偉大な大統領や首相の登場を待つだけではなく、国家とはそもそも何なのか、私たちの国家・社会はどうあるべきか、そのために何ができるかをひとりひとりがしっかり考え行動していかなければならないのかも知れません。私たち人類の所産を食い荒らすだけの肥えた巨大なムシと闘う日は来るのでしょうか。


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2018ねん 5がつ 1にち(かよーび、晴れ)

基本労働時間は8時間だという。

かのアインシュタインは8時間働き、8時間研究し、8時間寝たという。

私もそういう生活を送れば大きな成果に繋がるだろうか。

まぁ例え三日坊主でも自分のためになるだろう。

やってみますか!よいしょー!

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↑「カランボロの財宝」の一部(ヤフーニュース、ナショナルジオグラフィック日本版より転載;オリジナルはPHOTOGRAPH BY KARSTEN MORAN,THE NEW YORK TIMES,REDUX)

【目次】
1.「カランボロの財宝」とは
2.化学分析による産地同定
3.謎の古代国家タルテッソスとアトランティス伝説



1.「カランボロの財宝」とは
カランボロの財宝は1958年、スペインのセビリア近郊で建築作業員によって発見された、2700年前のものとされる金の装飾品群。発見されるやいなや、古代王国タルテッソスの遺物ではないかとする推測と議論が一気に飛び交った。     (ヤフーニュースより引用)
さて、私は「カランボロの財宝」というもの自体を聞いたこともありませんでした。スペインのセビリアって名前は知ってるけどどこだっけ?みたいなレベルです。なので調べてみました。

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↑スペイン、セビーリャの位置と古代王国タルテッソスの範囲(文化圏); Google Mapの画像を一部加工

上図から分かるように、セビーリャはスペインの南部に位置します。この地域で2700年前の黄金の装飾品が出土すると、古代王国タルテッソスのものではないか!?といきなり結びつくのかよく分からないですよね。

タルテッソスは元々「伝説上の古代王国」として知られていました。現地では有名な伝説なようです。何故伝説かというと、世界史にも出てくる紀元前5世紀のヘロドトスの『歴史』、1世紀のストラボンの『地理誌』の記述に見られる程度の情報しかないのです。しかもストラボンの記述は紀元前4世紀のピュテアスの伝聞です。アトランティス並みに情報の少ない古代国家なのです。

現在では実在の古代王国であったことが分かっていますが、このタルテッソス王国の実態にについては本当によく分かっていません。古文書の記述によると紀元前4世紀にはこのセビーリャ周辺域を占めていたようで、また別の記述によると西暦4世紀までには滅んでいたようです。どうやら考古学的な証拠に非常に乏しいようで、ほぼ全ての情報を史書の記述に頼っています。

しかしながらこのタルテッソスは往時非常に有力な交易国家であったようです。その力の源が金・銀・錫(スズ)、銅といった金属・貴金属が豊富に産出した土地であったからのようです。特に錫の価値が高かったようです。

紀元前4世紀のヨーロッパでは鉄器時代への移行したばかりの時期ですから、まだまだ青銅の価値が高かったようです。青銅は銅と錫の合金ですので、錫の交易はタルテッソスに莫大な利益をもたらしたことでしょう。考古学的には紀元前9世紀にはタルテッソス文化が生じていたようですから、この時期であれば青銅器の価値は非常に高かったと言えます。恐らく錫の交易がタルテッソス文化そしてタルテッソス王国の繁栄を支えたのでしょう。

さて、「カランボロの財宝」は複雑な彫刻を施したペンダントや胸飾り、豪華なブレスレットなどからなる21個の金細工だそうです。最初に挙げた写真の他にどのようなものがあるのか気になったので調べてみました。
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↑「カランボロの財宝」の写真(Pinterestより転載)

上記写真以外の「カランボロの財宝」が見つかりませんでした。恐らく...ネックレスのチェーン部分と装飾部分の鈴状パーツを全て個別にカウントするとちょうど21個になるということだと思います。

見事な黄金細工ですが、その時期・その地域の金細工と言えばタルテッソス!となるには歴史記述だけでは根拠として弱いのです。タルテッソスはフェニキア人を主な交易対象として多くの金細工を輸出していたようです。
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↑タルテッソスの金細工の一例(El Correo de Andarciaより転載)

ということで、伝説の古代王国タルテッソスは黄金の王国だったということで、「カランボロの財宝」が結び付くのは分かって頂けたと思います。ではこれまで何が問題だったかというと、「カランボロの財宝」がどこの製品かということです。豊かなタルテッソスが外から輸入したものである可能性もあるわけですね。


2.化学分析による産地同定
さて、考古学の世界で石器や土器の産地同定はよく聞く話ですが、金属の産地同定の事例はなかなかありません。しかも今回は「金」!歴史的にも美術的価値としても貴重なものですから、破壊するわけにはいきません。

今回のケースでは装飾品から僅かに剥がれ落ちた破片を利用して同位体分析が行われたそうです(ちゃんと保管しなさいよ!とか思っちゃいけません)。

分析結果では、「カランボロの財宝」に使われた金は、セビリア近郊のバレンシナ・デ・ラ・コンセプシオンにある4~5000年前の巨大な地下墓地のものと同じ鉱山から採掘された可能性が高いことがわかったとのこと。

このバレンシナ・デ・ラ・コンセプシオンはかつて金の採掘場であり、その後掘削によってできた空間を巨大な地下墓地として利用した可能性を踏まえて、「カランボロの財宝」は時期的にこの地域で約2000年続いた金の加工の終焉を示すものだと解釈されています。

ところで、「カランボロの財宝」はフェニキアの加工技術が使われていたそうです。また発見場所の近くにはフェニキアの寺院が発見されているとのことで、タルテッソスとフェニキアの文化の融合が見られるとのこと。また「カランボロの財宝」のネックレスの装飾にはキプロス様式の図像が見られるとの見方もあるそうです。

貴金属の産出国であり、交易国家として短期間に大きく栄えたタルテッソスは、歴史記録にはほとんど残っていないものの、地中海をまたにかけて広く活発な都市間関係を築いていたようです。近年、タルテッソスに関する考古学調査も実施されたとのことで、今後の新たな考古学的発見や失われた古代タルテッソス王国の歴史復元に期待するところです。


3.謎の古代国家タルテッソスとアトランティス伝説

最後に、あまりにも謎の多いタルテッソスは、一部の人々にアトランティスでは?と考えられているようです。確かにアトランティスはプラトンが『ティマイオス』、『クリティアス』に記述されているのみですし、状況としての類似点はありますね。

今回の分析を行った研究者によれば、「まったくありえない話です。考古学とも科学的な研究とも関係がないのですから」と辛らつなコメントが上がってます。恐らく現地の研究者としてはアトランティス伝説に絡んだオカルト地味た何かしらの「攻撃」を受け続けたのかも知れませんね。

しかしながら海に近い交易都市として大繁栄していて、金銀財宝に恵まれてますし、急に滅んでますし、アトランティスの「モデル」としては候補に上がってもおかしくない気もします。

まぁ私個人はプラトンが独自の「理想国家論」を提示する上で利用した存在だと思っていますが。簡単に言えば、腐敗した現在のアテナイを憂い、しっかりしないとアトランティスみたいになっちゃうよ的な物語ですね。歴史学研究者や哲学史研究者はこのような意見、つまりプラトンが自説を広く普及するための創作とする考え方が多いように思えます。

一方で考古学研究等によれば、サントリーニ島の火山噴火で滅んだミノア王国や、トロイア文明といった具体的な都市を古くからその射程に入れています。アトランティス伝説自体がほぼ創作であっても、プラトンが「モデル」にした都市があったのではないかと考えているわけですね。

仮に類似する都市文明があったとしても、プラトンがそれをモデルにしたのか分かりませんし、この論争(?)は永く残るような気がします。まぁ世界的に見ればアトランティス好きな人はけっこう多いですから、研究者も「戦略的に」その言葉を用いているのかも知れませんΣ( ̄ロ ̄|||)


おまけ:今回登場したスペインのセビーリャは、「新大陸」を発見したコロンブスのお墓があることでも有名です。旅行に行く機会があれば是非訪ねてみてください。とても立派です! 中米や新大陸ネタに繋がっていると何でも喜んでしまうのは性分でしょうか?.。゚+.(・∀・)゚+.゚


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