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あるけまや -考古学・歴史ニュース-

あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

お金にならない考古学をお金にしよう╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! 考古学・歴史ニュースの決定版╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2018ねん 5がつ 5にち(どよーび、晴れ)

ゴールデンウイーク中は頑張って記事を書いた。

1記事書き終えるのに3時間もかかることもあった。

ゴールデンウイークがもうそろそろ終わる。

仕事も頑張りつつ、1日1記事投稿を続けたい。

・・・・・・・・・・・・
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↑私はもちろんビギナーです( -д-)ノ(「ブログ部」さんの記事から画像を転載)

【目次】
  1. 祝!グーグルアドセンス審査パス!.。゚+.(・∀・)゚+.゚これまでの経緯について
  2. 審査内容は不透明!しかし見えてきた審査パスのための最低条件!
  3. おわりに ー脱ビギナーになりたい!ー


1.祝!グーグルアドセンス審査パス!.。゚+.(・∀・)゚+.゚これまでの経緯について

2018年度のゴールデンウイークも明けまして、考古学ニュースも色々出てきた中、ブログに関する内容で申し訳ありません。でも誰も祝っても褒めてもくれませんので、せめて自分で祝いたいなと、皆さまも巻き込みたいなと思って記事を書いている次第です( -д-)ノ


ってことで、祝!グーグルアドセンス審査パス!おめでとう!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!


さてさて、今回の記事を書いた理由はもう一つあります。それは審査パスまでに私自身が様々な他サイト様の情報を参考にしたところ、あまり参考にならなかったから!もちろん役立ったサイトもいくつかあるんですよ?


でもですね、全体的には私の抱える問題の解決にならなかった...というか情報が古いんです!


そもそもグーグルアドセンスは重複申請できません。1人1アカウントなのです。そのため現在私たちがぱっと検索して上位にあがってくる記事サイトさんは皆さん、「超先輩」なわけです。なのでどうしても内容が古くなりがちです。私がこの記事を書いているのは2018年5月で、ブログ始めたのが同年3月末で、検索上位サイトさんは2015年の記事、つまりおよそ3年前の記事が目立つのです。


しかも大きな仕様変更が2017年12月に行われたようで、ちょうど今は変更後の情報が少ないようです。そして審査は一度パスすれば良いので、他の先輩サイトさんは新しい情報を載せれない(ないし載せにくい)状況にあります。そのため私のような後輩が新しい情報を載せる必要があるなと思ったわけなのです!


さて、本題の「これまでの経緯について」ですが、私は以前、友人たちと共有の別のサイトを持っていました。かなり昔にやめちゃったのですが、その時、私が登録申請してグーグルアドセンスの審査をパスしていたのです。


そのようなことはすっかり忘れていて、「歩け、マヤ」のために申請したのが2018年3月末、すぐにグーグルから重複はダメ!って連絡が来ました。


そのため古いアカウントを削除してみてから、申請したのですが、重複はダメ!って(´Д⊂)時間を置いても、もうアカウントないのに、重複はダメ!って(ρ゚∩゚) グスン


仕方ないので一度は削除したアカウントを復活させて、サイトの追加を試みることに...これが2018年4月半ばですね。しかし検索した情報が古いため、グーグルアドセンスのページの項目等の表示が異なる!いくら探しても追加方法が分からない!


一見、関係ありそうなものをいくつか試して、放置してみました。4月いっぱいは待とうと。しかし待てど暮らせど無反応!ヽ(TдT)ノ


そして2018年5月3日に再度申請しました。もう一度古いアカウントは削除して、新しく申請し直したのです。「この作業は通常1日足らずで終わります」って表示されて、二日目の5月5日に「おめでとうございます。グーグルアドセンスに登録されました(審査をパス)。」ってメールが届いたのであります。



2.審査内容は不透明!しかし見えてきた審査パスのための最低条件!

さて、グーグルアドセンスの審査内容については非公開になっています。そのため何をしていいのかよく分からないものです。


そして通った本人も何故通ったのかよく分からないのです。聞いたところによると、通らなかった場合、何がダメだったのかざっくりとしたメールが届くそうです。例えば、「不適切な表現が含まれるため」のような。どのページのどの部分かは教えてくれないそうので、グーグルアドセンスのポリシーをよく読んで違反しないようにするしかありません。


このような審査の条件の不透明性から、この手の情報サイトでは様々な「通過のためのポイント」が紹介されています。


例えば、

  • リンクを貼ってはいけない
  • 写真、動画を載せてはいけない
  • ある程度のPV数が必要
  • 更新頻度が重要

などなどです。どれも私の経験としては関係ないポイントだと思います。


  • 当サイトではリンク貼っています。
  • 当サイトでは毎回写真を載せています。
  • 当サイトではPV数なんてないようなものです・゚・(ノД`;)・゚・
  • 当サイトの管理者は更新サボタージュしがちです。

もし関係するとしたら「更新頻度」ですね。審査時に限っては1日1記事書いてましたから。とは言っても盛大なサボタージュ後にGW利用して1週間頑張った程度です。


さて、今回、「歩け、マヤ」の経験を通して、2018年度版、審査をパスするための最低条件を紹介します。


  1. グーグルアドセンスのプログラムポリシーに違反しない(禁止事項に触れない)。
  2. 記事数を30以上にする!⇒これ大事です(。・ω・)ノ゙
  3. 記事のタイトル、内容、文字数に気を付ける

以上の3つだけで通ります。審査してから通るまでは1日~2日程度です。上記3点をクリアしていればですが。以下に簡単に内容を見ていきましょう。



①グーグルアドセンスのプログラムポリシーに違反しない(禁止事項に触れない)。

これについては内容がいくつか細分化されますが、ポリシーをよく読むことです。禁止事項に関する紹介サイトはたくさんありますし、昔の者でも内容に大差ないので利用してみてください。


気を付けるべきは、


a.アダルト、酒・たばこ・薬物、暴力、ギャンブル等の内容は禁止(酒・たばこ類に関しては販売するサイトでなければ可能。何故かワインとシャンパンは許可されています。)


b.著作権の侵害はNG(写真や動画、リンクを避けるという他サイトのアドバイスはこの点に着目したものでしょう。)


禁止事項を守れない場合は承認後であっても速攻アウトとなりますので、気を付けてください。



②記事数は30以上にする!

当サイトの申請時に、記事数は29でした。「通常1日で終わる」と表示されたのに実際は2日かかりました。審査パスした際の記事数は31でした。


他サイトでも記事数を30以上にしようというアドバイスが書かれています。私の実体験からしてもどうやら記事総数は審査の基準のようです。



③記事のタイトル、内容、文字数に気を付ける!

当サイトは「学問・科学(総合)」のカテゴリーに分類してあります。実際に内容は考古学関連ニュースと当該分野を専門とする管理者によるコメントや問題提起が中心になっています。文字数は2000字以上になるように気を付けていて、7000~8000字書くこともあります。


さて、当サイトのように何かに特化したブログ(特化型ブログ)であればこの3点目についてはほとんど問題がないようです。全般的に最新ニュースを追いかけるタイプのブログでも問題ないようです。ニュースの紹介という一つのジャンルと考えられるからです。


問題になるのは「日記」です。芸能人でもない限り、普通の日記では難しいようです。何かしらのテーマをもつことをお勧めします。


つまりタイトル:「うさぎもふもふしたヨ!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!」、内容:「今日は友達の家に遊びに行った。ウサギが可愛かった。カワ(・∀・)イイ!!」じゃ通りません。


問題は2点です。


A.非承認理由「不十分なコンテンツ」に該当します。文字数があまりに足りません。少なくとも1000字以上を目指しましょう。


B.非承認理由「ポリシーに準拠していないサイト」に該当します。『質が高く有用なコンテンツと価値あるユーザーに関連性の高い広告を配信できるサイトを広告主様に提供すること』というGoogleのポリシーにそぐわないと判断されてしまいます。先に述べた通り、一般の方の場合は何かしらのテーマをもつことをお勧めします。あなたの書いた記事を読んでくれる対象層は誰なのかを考えてみてください。



3.おわりに -脱ビギナーになりたい!-
さて、一番最初に載せた写真の話に戻りたいなと思います。あのブロガーのピラミッドの中では当サイトはもちろん最底辺です( -д-)ノ

ビギナーもいいところですね。初めておよそ2か月(57日目)で記事数が35です。1日1記事を守れていないのがよく分かりますねΣ( ̄ロ ̄|||)

1日のPVが100以上!月あたり3000PVで脱ビギナー! なんて遠いんだ...

とりあえず、質の高い内容でトータル100記事目指して頑張っていきたいと思います。皆様、今後ともよろしくお願いいたします。

↓特にツイッターのフォロワーを増やしたいのです。何気なく押してみましょう(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!↓

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2018ねん 5がつ 6にち(にちよーび、晴れ)

地元に帰ったら、何か美味しいものを食べたい気がする。

しかしながらダイエットする予定なのである。

とりあえず5kg落としたい。

夏までに腹筋をバッキバキにしたい。

そう願いながら、何をどこで食べようかググる管理人であった…

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↑復元された縄文土器によるイボキサゴスープの調理の様子(産経ニュースより一部加工)

さて、今回は縄文時代の食文化についてのお話です。

土器の製作実験自体は大学の考古学研究室でやっています。もちろん全ての大学ではありませんが。また実験考古学としては石器が有名なのですが、土器を実際に製作してアレコレすることで卒業論文にするという事例も見たことがあります。なので昔の土器を実際に作ってみるというのはそこまでレアなことではないのです。

研究室によっては、実際に調査現場で採取された粘土から水簸(すいひ)を行って混和材(砂や繊維類等)を混ぜてと素地・生地作りから行うこともありますし、大学構内に窯を造設するようなところさえあります。

一方で、調理実験となると大学ではそこまで一般的ではないかも知れません。焼成実験の時に併せて昼食用に煮炊きをする程度でしょうか。むしろ遺跡公園や博物館などが主催する体験型イベントとしての方が古代の調理法や食べ物に関する実験的な活動が多く行われているように感じます。

今回紹介するのは、「加曾利貝塚」です。この遺跡では約7000年前の住居址が発見されており、約5000年前から3000年前まで大きな貝塚が作られました。ちなみにこの遺跡の貝塚の大きさは世界最大規模なのです!

また縄文中期後半(加曾利E式)や縄文後期後半(加曾利B式)の時期を代表する土器が出土しており、標準遺跡(あるいは標識遺跡)として学史的にも有名かつ重要な遺跡です。

この加曾利貝塚で「縄文春祭り」が開催されています。古代の食文化を再現した、あるいは現代風にアレンジしたものとして「いのしし肉のフランクフルト」や「どんぐりビスコッティ」、そして「イボキサゴのスープ」などが提供されています。

ちなみにイボキナゴって分かりますか?
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↑イボキサゴの写真(ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑より転載)

上の写真のような小さくカラフルな貝です。イボキサゴは加曾利貝塚で多く発見されている貝で、現在でも北は北海道、南は九州と全国的に生息しています。縄文時代には東京湾にも多く生息し、縄文人の貴重な食料でした。

しかし東京湾の埋め立てで姿を消し、平成7年に木更津市の干潟で発見されました。今も木更津市や周辺で採れるようですが一般にはほとんど流通していないものだそうです。

しかしながら味はすごく良いのだそうで、サザエに似ているんだとか!

そして、なんとこの縄文グルメが、千葉市のポートタワーの脇にある、レストラン「ポルトイタリアーナ」にてフルコース料理として提供されることになりました。このメニューにはイボキサゴがたっぷりと使われるそうです。

中でもオリーブオイルベースのパスタの名前が「KAIZUKKA(カイズッカ)」! カボチャや、アサリなどのイボキサゴ以外のの貝類も使われて豪華に彩りだそうです。ちなみにズッカはイタリア語でカボチャなんだそうです。洒落た名前です。

ということで、実験考古学や大学教育の一部が、一般の方が参加できるイベントとなり、そして現代の私たちの食生活に影響を与えるという素敵な事例の紹介でした( ・Д・)

食文化についての考古学的研究はなかなかに難しい側面がありますが、このような事例を見聞きすると頑張りたいなとエネルギーをもらえる気がしますね!

↓押してくれぃ(*・ω・)ノ それ、押してくれぃ!(。・ω・)ノ゙↓

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2018ねん 5がつ 5にち(どよーび、めちゃ晴れ)

天気があまりにいいので買い物ついでにお散歩した。

スーパーで今日が「こどもの日」だと知った。

なので、奮発してミニ手巻き寿司セットを買った。

あくまでおつまみとしてである。当然お酒も買った。

今日は「男の子の節句」と信じて疑わないのである(。・ω・)ノ゙


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↑日本最大級の環濠集落跡である吉野ヶ里遺跡の弥生時代の集落の復元

【目次】
  1. 佐賀県、吉野ヶ里歴史公園にて親子で楽しめるイベントが開催されるよ!
  2. 海外からみた日本考古学の世界の特徴
  3. おわりに


1.佐賀県、吉野ヶ里歴史公園にて親子で楽しめるイベントが開催されるよ!

ゴールデンウイークの家族向けイベントの舞台は、佐賀県にある吉野ヶ里歴史公園です。吉野ヶ里遺跡は日本最大級の環濠集落跡として知られている弥生時代の遺跡です。


その広がりはおよそ50ヘクタールという非常に大規模な集落跡です。集落を囲むV字状環濠の総延長は約2.5kmもあるんです!1990年に国史跡、1991年に特別史跡に指定されており、現在の歴史公園は国営となっています。


そんな吉野ヶ里歴史公園でイベントが開催されます。様々な手作り品の作家たちが出店する「弥生の丘マルシェ」が今年も開催されます。今年で第5回となる同イベントは今後も続くでしょうから、今年の機会を逃した方は是非、次のゴールデンウイークに足を運んでみてはいかがでしょうか?


もちろん吉野ヶ里遺跡の方の見学もお忘れなく!

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↑↓今年で5回目となるGW中に開催されるイベント(吉野ヶ里歴史公園の公式サイト、イベント情報より一部加工)

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どうやら「神埼そうめんまつり」が有名なようです。計1万食を提供するのだとか。値段は300円とお手頃です(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!



2.海外からみた日本考古学の世界の特徴

さて、今回も例によって、イベントや歴史公園の回し者ではないので(常に何かの回し者ではありません。ニュースに飢えているだけです)、この記事を書いた理由は現在の考古学遺跡あるいはより広く、文化遺産の活用の実践例として紹介したかったからです。


加えて、今回紹介したい論考があります。細谷葵1996「理論なき考古学ー日本考古学を理解するために」です!


原文は英文ですがネット上で日本語版も英語版も読めますし、今回取り上げる箇所以外にも、海外の考古学と日本の考古学を比較した非常に興味深い論考ですので気になる方は是非読んでみてくださいね(http://www.okayama-u.ac.jp/user/arch/news/whatnew/hosoyaj.html)。


さて、この論考の中で彼女が指摘していることの一つに、考古学とマスコミの関係があります。日本人は自らの起源について高い関心を持っており、話題性の高い遺跡が調査されて報道されると、たちまち多数の見学者が詰めかけて、遺跡が観光地化してしまうというのです。その実例が三内丸山遺跡や、今回のニュースで取り扱った吉野ヶ里遺跡であるわけです。


私たち考古学者や歴史研究者にとって、多くの人に遺跡や歴史、調査に興味をもってもらえるのは嬉しいことです。しかしながら遺跡が一種のアトラクションとして村・町おこしに貢献する可能性が周知となるために、遺跡をより話題性と魅力のあるものにすべく、研究成果への影響も持ち始めるのです。


その結果、縄文・弥生の大規模な村落遺跡に伴う塔の高さについての推定値が、まるで競争のように高くなっていく現象が見受けられるのです。


さらにマスコミの注目度が調査研究の予算にも関係してきます。埋蔵文化財調査に対して使える予算は慢性的に不足しており、学問的見地からの評価は方針上否定されているため、結局マスコミが取り上げて多数の見学者が集まって注目度が高くなった遺跡に対して、行政機関も予算を多くつけやすくなるのだそうです。


研究予算に関係してくるとなると、各研究者も話題性の高いデータを珍重する向きにならざるを得ないため、調査研究の対象や目的に偏向性を生み出す理由となり、結果提出されるデータにも研究計画の初期段階における取捨選択的によるバイアスが生じる原因となるわけです。


この日本考古学とマスコミの関係と関連する諸問題の根は深いでしょう。私たち研究者はどうあるべきなのか、綺麗ごとを言うのは簡単ですけど、実践は難しいですね。もう職業倫理の問題かも知れません。日本は世界でもトップクラスの考古学者数を誇る国ですから、職業倫理について討論する機会が必要なのだと思います。



3.おわりに

お金がないと研究ができない!稼いだお金を使って研究することもありますけど、実際に懐を痛めても研究をしている研究者をほとんど知りませんね。まぁ皆さん家族がありますしね。

お金が絡んでくると、本当に現実的になってしまう。悲しいものです。考古学者も人の子、社会の子、国の子なんだなとつくづく思ってしまいます。

…ところで、海外で研究している場合もやはりインパクトは大事なわけです。「歩け、マヤ」でよく紹介しているナショナルジオグラフィックの考古学的発見は、ナショナルジオグラフィックから研究助成を受けている考古学者の成果なわけです。

確かあの会社は、マヤの都市の位置と星座の位置の関係について自説を述べた15歳のカナダ人少年に、補助の考古学者を付けて調査を支援するはずです。少年の希望額は1000万円!

マヤ地域にはいろいろな国がありますので、事情は異なりますが、半年から1年は調査できる金額です。最も物価の高いメキシコでもきっと3か月は問題なさそうです。しかしながら彼の調査予定期間は2週間(内容は発掘ではなく自説を擁護するための遺跡発見を目的とした踏査)と述べてましたので、お抱えカメラマン等を引き連れての大名調査になりそうですね。

とまぁ嫉妬はこれくらいにしておいて(本気でうらやましい(ρ゚∩゚) グスン)、海外でも話題性は非常に大事なのです。そしてそれがお金の流れに関係し、世界的に限られた資金が特定の調査研究に充てられるわけです。

私たち考古学者や歴史学者が人類史の謎を明らかにする「すごろくゲーム」をしているとします。一年が1ターン相当でサイコロ次第で、マスを進んでどんどん明らかにしていくわけです。マスコミ効果による「重課金」は本当に我々に「5や6」の目を出させているのでしょうか?

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2018ねん 5がつ 3にち(もくよーび、やや雨)
最近体調がすこぶる悪い。

というか変わった皮膚炎にかかったり、

それが目に飛び火したりと辛い。

健康が一番!

お酒を生贄(酒断ち)にしたら、厄が払えるだろうか。

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↑ミイラ化した生贄、左が子供、右がリャマの子供(ヤフーニュースより転載;元画像:Nacional Giographic 日本版, PHOTOGRAPH BY GABRIEL PRIETO )


【目次】

  1. 史上最大規模!超大量の生贄を発見!
  2. アンデスにおけるミイラの作り方
  3. おわりに


1.史上最大規模!超大量の生贄を発見!

ペルー北部沿岸地域で、史上最大規模の超大量の生贄が発見されました!発見された遺跡は、チムー王国に属するラス・リャマスという遺跡です。


チムー王国は西暦850-1470年頃にペルー北部沿岸地域を支配しており、最盛期には1000kmもの海岸線域をその領域下としていました。このチムー王国の首都、チャン・チャン近くに位置するラス・リャマス遺跡の、太平洋を見下ろす断崖の上でこの大規模儀礼の痕跡が発見されました。


これまでの事例では生贄は成人が主でしたが、このラス・リャマスで生贄になったのは子供でした。その数140人強!また子供のリャマ(ラクダ科の動物で見た目はアルパカに似ています)が200頭強も生贄にされました!


見つかった儀礼の痕跡は単一の泥の層から発見されたため、恐らく一度の儀礼でこの大規模な生贄が捧げられたと考えられています。また泥の層は様々な痕跡が残りやすい環境にあるため、サンダルを履いた成人、犬、素足の子ども、リャマの子の足跡が残っていました。また脚が4本ある生贄(恐らくリャマ)が抵抗して足を踏ん張りながら引きずられていった跡と思われる痕跡も残っていました。


これらの痕跡から研究者チームは儀式の過程を復元しており、子どもとリャマの集団は断崖の北端と南端から連れてこられて、遺跡の中心に集まり、そこで殺害されて埋葬されたようです。


またペルーの海岸地域は基本的に乾燥しているため、儀礼の痕跡に関連する泥の層は激しい雨や洪水によって生じた可能性があります。つまり生贄の儀式が行われた当時、この地域はエルニーニョによる異常気象によって海水温が上昇して近海では魚が獲れなくなっていた状況が推測できます。また大雨や洪水によってチムー王国内の農業用運河が破壊されてしまったのかも知れません。


多量の生贄と共に出土した布製品等を対象にした炭素年代測定によって儀礼が実施された時期は西暦1400-1450年であると推定されています。チムー王国はラス・リャマスの集団生贄の儀式からわずか数十年後(1470年頃)にインカ帝国の侵攻を許し、その支配下に入ることから、非常に危機的な状況にあったことが推測されます。


異常気象によって生業・経済基盤が崩されたことで、国を救うべく、人類史上に稀に見る大規模の、しかも子供の生贄儀礼が行われたようです。



2.アンデスにおけるミイラの作り方
さて、生贄の風習も世界各地で見られるのですが、ミイラを作る文化も散見されます。中でもエジプトが最も有名ですね。他にも中国や日本でも見られます。

また文化というわけではないですが、メキシコにも事例がありますし、世界で最も美しいミイラとされるイタリアのロザリア・ロンバルドも有名です。世界のミイラや生贄についてはまた別の機会に整理して記事にしたいと思いますので、乞うご期待!(*・ω・)ノ

さて、ミイラは基本的に自然にできません。ミイラとは生物の死体が極度に乾燥することで腐敗分解を抑えることで出来上がります。砂漠等の極端に高温で乾燥した地域で脱水症状で亡くなれば、自然とミイラ化するケースもあります。メキシコのグアナファトも乾燥気候と土壌の成分によって天然のミイラが出来上がる事例ですが、このような自然発生的なミイラは稀なのです。

余談ですが、中米等の抗生物質がその辺の薬局で処方箋なしで買えてしまう国では、お金持ちが具合悪くなる度に多量に抗生物質を摂取するため、死後腐敗せずにミイラ化する事例が確認されています。

とまぁ普通は生物が死亡すると細菌の働きにより腐敗しやがて分解されます。この時死体が含む水分が少なくなればなるほど細菌活動が低下します。ミイラ作りの基本は乾燥です。その他、脳や内臓といった腐敗しやすい部位の除去や防腐剤の塗布といった方法が組み合わせて用いられます。

さて、アンデス地方のミイラの作り方は少し変わっています。死者の内臓と筋肉を摘出した後に、火力を使って体内の水分を乾燥させます。屈葬のような膝を折らせた格好(体育座りみたいな感じ)にして布を巻き付け、籠に入れた上からさらに布を巻きつけます。布を巻き付ける辺りはエジプトのミイラのイメージそのものですね。

アンデス地方では紀元前2世紀頃からミイラ作りが行われていました。13世紀にクスコ王国(後のインカ帝国)が成立した後もミイラ作りの文化は続きました。16世紀以降のスペイン植民地期の文献資料によると、インカ帝国ではミイラを住居内に安置し、生前と変わらず食事を供えて話しかけることで死者への愛情を示したといいます。

単に何か叶えたい願いがあるとか贖罪の意味で生贄にしたわけではないようですね。アンデス文明に限らず人類史におけるミイラ作りが有する文化的・宗教的意味は興味深いですね。勉強しておきます(。・ω・)ノ゙


3.おわりに
さて、生贄と言えば、旧約聖書に出てくる贖罪のヤギ!私だけでしょうか?(誤変換で食材の山羊って...まぁジンギスカンはヘルシーで美味しいですけどね)

この贖罪の日に捧げるヤギが「スケープゴート」の語源になっています。以下は、スケープゴートを比喩的に使う時の意味です。

 不満や憎悪、責任を、直接的原因となるもの及び人に向けるのではなく、他の対象に転嫁することで、それらの解消や収拾を図るといった場合のその不満、憎悪、責任を転嫁された対象を指す。

 簡単な使われ方として、事態を取りまとめるために無実の罪を着せられた「身代わり」や、無実の罪が晴れた場合の「冤罪」などが存在する。

 政治の一つの手法として使われる意味合いとしては、方針や主義に不利益とされる小規模な集団や社会的に弱い立場の人間をスケープゴートとして排除するなどして、社会的な支持や統合を目的とするといったものもある。              (wikiより転載)
とまぁ生贄の儀式はなくなりましたが、現代社会でも似たようなことをしてるのかも知れません。ニュースでよく叩かれる芸能人にせよ、政治家にせよ、あるいは私たち一般の人々の何気ない日常生活の中でも「責任転嫁」は潜んでいます。

そもそも人を生贄に捧げるのは、人が神に最高の重要な品だからです。人を殺すのは残酷だからヤギにしようって言ったのはキリスト教ですね。人類史において生贄の歴史はたくさんありますが、何なら残酷で、何ならいいってことはないと思います。もちろん法治国家として重要だから人を捧げよう!とはなりませんが。

日常的な「責任転嫁」にせよ、芸能界や政界における「スケープゴート」にせよ、人は直接的に死なずとも社会的に死ぬあるいは決して少なくないダメージを負うでしょうし、結果追い込まれて人が死んでしまうしまうかも知れません。

非科学的とは言え国のため、人のためを願った古代の儀式ではなく、現代人としての知識・常識を有した上で一個人や一グループのために他者を生贄として利用することこそが本当に非人道的なことではないでしょうか? 今回の大きな考古学的発見が、単なる知的好奇心を充足するだけではなく、現代版の生贄儀礼に目を向けてみる契機となれば幸いです。

↓押してたも~!それ、ぽちぽちっとな(・∀・)つ↓

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2018ねん 5がつ 1にち

ゲームをしてみた。

ものすごく久ぶりだったせいか、ハマった。

たまにはこういう息抜きもいいものだ。

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↑PS4 地球防衛軍5の画像より; (C)SANDLOT(C)D3 PUBLISHER

【目次】
  1. 地球防衛軍というゲームについて
  2. エイリアンは環境に優しかった


1.地球防衛軍というゲームについて
今回、何故この記事を書いたかというと、以前【超古代文明】NASAの研究者らが「人類以前の文明」の存在の可能性を指摘!【考古学】で、「現在の私たち人類文明より進んだ、地球へエネルギーをフィードバックする段階の文明は、その高度な文明の存在の痕跡をほとんど残さないだろう」という研究者の意見に触れました。そしてこの「地球防衛軍5」に出てくる侵略者はまさにその高度に発達した技術を用いて、地球上から人類文明の痕跡を消滅しようと目論んでいると分かったからです!

さて、このゲームのシナリオ内容は至ってシンプルです。「宇宙人によって地球が突如侵略される。地球を守るために戦う」です。私自身は「5」から始めていて、1~4はやっていません。まぁでもシナリオというか内容は大雑把に同じ感じのようです。つまり「侵略される、守る!」です。

この侵略者集団は巨大化した生物が多く含まれます。白いデカいアリ、赤いデカいアリ、デカい蜘蛛、デカい蜂、デカい空飛ぶカエル(幼生)、二足歩行で武器使う巨大カエル(生体)、二足歩行で武器使うアーマー装備した巨大エイリアン、超能力使う巨大な神です。他にバカでかいドローン兵器も出てきますがまぁいいでしょう。

あぁ、あとゴジラみたいなのと、アンギラスみたいなのが出てきます。ちなみにアンギラスの方が強いです。ゴジラファンとしては理解に苦しみます(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?

とりあえずみんなデカいです。カエルで15~20mくらいありそうです。エイリアンもそれくらい。神(ラスボス)は40mくらいでしょうか。
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↑いかにもなエイリアン。いわゆるグレイ?; (C)SANDLOT(C)D3 PUBLISHER

ちなみにエイリアンのヘルメットを吹き飛ばすと中から、いかにもなエイリアンの頭部が出てきます(上図)。カエルとこのエイリアンの繋がりは不明ですが、両方とも紫色の血を流しますね。あと両方とも物凄い速度で再生します。幼生からカエルへと変態した後、エイリアンに成長するのですかね?

あるいは彼方の星では、種族を超えてみんな紫色の血液を有して、みんな超再生するのかも知れません。ちなみに神はというと、やっぱり紫色の血を流し、超再生します。
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↑地球防衛軍5のラスボスの神(「大きな俺」氏のYouTube動画より一部加工)

上図が神です。両腕・両脚吹き飛ばしても、ものの数分で再生します。じわじわ再生するというよりは気付いたら再生しているので、ナメック星人のより高速版と言えるでしょう。

最終的に両腕・両脚あるのに死んでしまうので、ナメック星人のように再生にはエネルギーを使っていてそれが枯渇するともうダメみたいです。

無線による司令部の人間の会話によれば(内容はほぼ各種説明か、ただの叫び声になっています)、神は超能力が使えるそうで、イメージを物理現象に変換できるそうです。ふつーに化け物です。

まぁ正直、手に入る強い武器をぶっ放し続ければ楽勝です。ノーマルはですけど。インフェルノは無理でしたが、ベリーハード(ゲーム中表記はハーデスト;Hardest)までならぶっぱで攻略できます(私は画面分割で二人でプレイしてました)。


2.エイリアンは環境に優しかった
さて、これだけだとただのゲーム紹介ですので、彼ら(侵略者)の文明について考察してみたいと思います。

まず彼らはプライマーと呼ばれています。「原初の者」という意味で使っているようです。ただ誰が名付けたのか等々については不明です。クリア後に初めて文章によるシナリオが流れるだけでほとんどシナリオないので。

ただ途中の無線通信によると(狂った女の子の独り言に聞こえます)、彼らの存在は世界中の古代文明で確認されているそうです。インドでは古代に卵型の宇宙船が飛来して、神が現れたそうです。

激しい乱戦中の音声なのでうろ覚えですが、そんな感じでした。つまり、このゲームにおいては発達した地球外文明が地球の古代文明に影響を与えた設定になっているようです。また彼らは、核のような強力な武器を人類が持つことに怒りを覚えたらしいです。

また彼らは環境破壊に弱いらしいです。汚染されたいかなるものに慣れていないそうです。通信によれば、中国では汚染された環境が功を奏して敵勢力と上手に戦っていたようです。

つまり中国の環境問題に触れ、核問題に触れていることから、プライマーは人類が地球を汚染していることに立腹して滅ぼしにきたようですね。

彼らの軍勢であるモンスターやレーザー兵器は地球上のあらゆるものを破壊します。また後半に出てくる緑の巨大なアリ(色的にグリーンアーミーメンに見える)はプラスチックやコンクリートを捕食する設定なのです。

つまりプライマーは単に人類を滅ぼすのではなく、人類文明を跡形も残さず消滅させて、新たに地球と生物の歴史を見守っていくつもりだったようです。

そんためこの作品自体は環境汚染や人類の地球にダメージを与える科学技術や社会の発展に継承を鳴らしているのですが、結局人類が勝ってしまいます。プラトンの描くアトランティスのような、このままじゃダメ!ちゃんとしなきゃダメ!っていう構成なのでしょうね。

最終的に、人類が悪なのか、侵略者が悪なのかよく分からないなぁと思ってしまいましたが、人類が地球にとって悪かも知れないと気付かせることが作品の意図だったのかも知れません。

最後になりますが、人類側は英雄の活躍により勝利しますが、アメリカ映画でも日本のアニメでもよく英雄に期待し全投げしますよね。他力本願的なアレです。日本の漫画・アニメだとその英雄たちは多くの場合少年・少女ですね。

プライマーたちは非常に高度な科学技術を有しています。超巨大な宇宙船で地球に飛来できますし、地球人による環境破壊も観測してますし、テレポーターという空間移動技術も有しています。レーザー兵器等の強力な武器や、汚染環境に耐える特殊スーツも有しています。

それなのに、彼らの絶対者は神なのです。一番大きいから偉いわけではないでしょう。恐らく自らエネルギーを生み出すことのできる超能力が権力の確立と維持の決め手となったのでしょう。発展した文明は全て民主主義に到達するとは思いません。むしろ貴族の代わりに議員という名称を使うだけの形骸化した民主主義よりはずっとマシな構造にも思えます(そういう意味で私たちは古代から続く権力構造から本質的に抜け出してはいないのでしょう。幾分持って生まれた身分からの脱出が楽になっただけかと思います)。

しかしながらあれだけ特殊な能力を持ち、生物として強力無比であった神も敗れました。私たちも英雄の到来を待つだけではなく、一人の偉大な大統領や首相の登場を待つだけではなく、国家とはそもそも何なのか、私たちの国家・社会はどうあるべきか、そのために何ができるかをひとりひとりがしっかり考え行動していかなければならないのかも知れません。私たち人類の所産を食い荒らすだけの肥えた巨大なムシと闘う日は来るのでしょうか。


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2018ねん 5がつ 1にち(かよーび、晴れ)

基本労働時間は8時間だという。

かのアインシュタインは8時間働き、8時間研究し、8時間寝たという。

私もそういう生活を送れば大きな成果に繋がるだろうか。

まぁ例え三日坊主でも自分のためになるだろう。

やってみますか!よいしょー!

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↑「カランボロの財宝」の一部(ヤフーニュース、ナショナルジオグラフィック日本版より転載;オリジナルはPHOTOGRAPH BY KARSTEN MORAN,THE NEW YORK TIMES,REDUX)

【目次】
1.「カランボロの財宝」とは
2.化学分析による産地同定
3.謎の古代国家タルテッソスとアトランティス伝説



1.「カランボロの財宝」とは
カランボロの財宝は1958年、スペインのセビリア近郊で建築作業員によって発見された、2700年前のものとされる金の装飾品群。発見されるやいなや、古代王国タルテッソスの遺物ではないかとする推測と議論が一気に飛び交った。     (ヤフーニュースより引用)
さて、私は「カランボロの財宝」というもの自体を聞いたこともありませんでした。スペインのセビリアって名前は知ってるけどどこだっけ?みたいなレベルです。なので調べてみました。

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↑スペイン、セビーリャの位置と古代王国タルテッソスの範囲(文化圏); Google Mapの画像を一部加工

上図から分かるように、セビーリャはスペインの南部に位置します。この地域で2700年前の黄金の装飾品が出土すると、古代王国タルテッソスのものではないか!?といきなり結びつくのかよく分からないですよね。

タルテッソスは元々「伝説上の古代王国」として知られていました。現地では有名な伝説なようです。何故伝説かというと、世界史にも出てくる紀元前5世紀のヘロドトスの『歴史』、1世紀のストラボンの『地理誌』の記述に見られる程度の情報しかないのです。しかもストラボンの記述は紀元前4世紀のピュテアスの伝聞です。アトランティス並みに情報の少ない古代国家なのです。

現在では実在の古代王国であったことが分かっていますが、このタルテッソス王国の実態にについては本当によく分かっていません。古文書の記述によると紀元前4世紀にはこのセビーリャ周辺域を占めていたようで、また別の記述によると西暦4世紀までには滅んでいたようです。どうやら考古学的な証拠に非常に乏しいようで、ほぼ全ての情報を史書の記述に頼っています。

しかしながらこのタルテッソスは往時非常に有力な交易国家であったようです。その力の源が金・銀・錫(スズ)、銅といった金属・貴金属が豊富に産出した土地であったからのようです。特に錫の価値が高かったようです。

紀元前4世紀のヨーロッパでは鉄器時代への移行したばかりの時期ですから、まだまだ青銅の価値が高かったようです。青銅は銅と錫の合金ですので、錫の交易はタルテッソスに莫大な利益をもたらしたことでしょう。考古学的には紀元前9世紀にはタルテッソス文化が生じていたようですから、この時期であれば青銅器の価値は非常に高かったと言えます。恐らく錫の交易がタルテッソス文化そしてタルテッソス王国の繁栄を支えたのでしょう。

さて、「カランボロの財宝」は複雑な彫刻を施したペンダントや胸飾り、豪華なブレスレットなどからなる21個の金細工だそうです。最初に挙げた写真の他にどのようなものがあるのか気になったので調べてみました。
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↑「カランボロの財宝」の写真(Pinterestより転載)

上記写真以外の「カランボロの財宝」が見つかりませんでした。恐らく...ネックレスのチェーン部分と装飾部分の鈴状パーツを全て個別にカウントするとちょうど21個になるということだと思います。

見事な黄金細工ですが、その時期・その地域の金細工と言えばタルテッソス!となるには歴史記述だけでは根拠として弱いのです。タルテッソスはフェニキア人を主な交易対象として多くの金細工を輸出していたようです。
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↑タルテッソスの金細工の一例(El Correo de Andarciaより転載)

ということで、伝説の古代王国タルテッソスは黄金の王国だったということで、「カランボロの財宝」が結び付くのは分かって頂けたと思います。ではこれまで何が問題だったかというと、「カランボロの財宝」がどこの製品かということです。豊かなタルテッソスが外から輸入したものである可能性もあるわけですね。


2.化学分析による産地同定
さて、考古学の世界で石器や土器の産地同定はよく聞く話ですが、金属の産地同定の事例はなかなかありません。しかも今回は「金」!歴史的にも美術的価値としても貴重なものですから、破壊するわけにはいきません。

今回のケースでは装飾品から僅かに剥がれ落ちた破片を利用して同位体分析が行われたそうです(ちゃんと保管しなさいよ!とか思っちゃいけません)。

分析結果では、「カランボロの財宝」に使われた金は、セビリア近郊のバレンシナ・デ・ラ・コンセプシオンにある4~5000年前の巨大な地下墓地のものと同じ鉱山から採掘された可能性が高いことがわかったとのこと。

このバレンシナ・デ・ラ・コンセプシオンはかつて金の採掘場であり、その後掘削によってできた空間を巨大な地下墓地として利用した可能性を踏まえて、「カランボロの財宝」は時期的にこの地域で約2000年続いた金の加工の終焉を示すものだと解釈されています。

ところで、「カランボロの財宝」はフェニキアの加工技術が使われていたそうです。また発見場所の近くにはフェニキアの寺院が発見されているとのことで、タルテッソスとフェニキアの文化の融合が見られるとのこと。また「カランボロの財宝」のネックレスの装飾にはキプロス様式の図像が見られるとの見方もあるそうです。

貴金属の産出国であり、交易国家として短期間に大きく栄えたタルテッソスは、歴史記録にはほとんど残っていないものの、地中海をまたにかけて広く活発な都市間関係を築いていたようです。近年、タルテッソスに関する考古学調査も実施されたとのことで、今後の新たな考古学的発見や失われた古代タルテッソス王国の歴史復元に期待するところです。


3.謎の古代国家タルテッソスとアトランティス伝説

最後に、あまりにも謎の多いタルテッソスは、一部の人々にアトランティスでは?と考えられているようです。確かにアトランティスはプラトンが『ティマイオス』、『クリティアス』に記述されているのみですし、状況としての類似点はありますね。

今回の分析を行った研究者によれば、「まったくありえない話です。考古学とも科学的な研究とも関係がないのですから」と辛らつなコメントが上がってます。恐らく現地の研究者としてはアトランティス伝説に絡んだオカルト地味た何かしらの「攻撃」を受け続けたのかも知れませんね。

しかしながら海に近い交易都市として大繁栄していて、金銀財宝に恵まれてますし、急に滅んでますし、アトランティスの「モデル」としては候補に上がってもおかしくない気もします。

まぁ私個人はプラトンが独自の「理想国家論」を提示する上で利用した存在だと思っていますが。簡単に言えば、腐敗した現在のアテナイを憂い、しっかりしないとアトランティスみたいになっちゃうよ的な物語ですね。歴史学研究者や哲学史研究者はこのような意見、つまりプラトンが自説を広く普及するための創作とする考え方が多いように思えます。

一方で考古学研究等によれば、サントリーニ島の火山噴火で滅んだミノア王国や、トロイア文明といった具体的な都市を古くからその射程に入れています。アトランティス伝説自体がほぼ創作であっても、プラトンが「モデル」にした都市があったのではないかと考えているわけですね。

仮に類似する都市文明があったとしても、プラトンがそれをモデルにしたのか分かりませんし、この論争(?)は永く残るような気がします。まぁ世界的に見ればアトランティス好きな人はけっこう多いですから、研究者も「戦略的に」その言葉を用いているのかも知れませんΣ( ̄ロ ̄|||)


おまけ:今回登場したスペインのセビーリャは、「新大陸」を発見したコロンブスのお墓があることでも有名です。旅行に行く機会があれば是非訪ねてみてください。とても立派です! 中米や新大陸ネタに繋がっていると何でも喜んでしまうのは性分でしょうか?.。゚+.(・∀・)゚+.゚


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2018ねん 4がつ 28にち(どよーび、曇り)

ゴールデンウイークに突入しました。

やることはいっぱいだから頑張りますね。

「歩け、マヤ」の更新も頑張りますね。

休みの間も考古学ニュースがありますように( ・Д・)

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↑PCゲーム、「無限なる旅路:ニューアトランティス」のゲーム画面を一部加工

【目次】
  1. 天文物理学者と気候学者による「人類以前の文明の存在の痕跡」についての検討
  2. 考古学的に「超古代文明」について考察してみた


1.天文物理学者と気候学者による「人類以前の文明の存在の痕跡」についての検討

天文物理学者であるフランク・アダムス氏が非常に興味深い記事を書いている。「地球上に、人類以前の文明が存在したか?(原題:Was There a Civilization On Earth Before Humans?)」である。


私たち人類の文明社会は産業革命以降、急速に二酸化炭素を多量排出するようになっています。このCO2の増加が温暖化現象と結びつけられ、現在も地球規模の社会問題の一つとして取り上げられています。


アダムス氏はこの「惑星の温暖化」を研究テーマにしています。そこで「他の惑星でも工業文明は惑星環境に影響を与えるか?」について理論的研究を行っています。


彼がNASAのゴダード宇宙実験研究所責任者である気候学者のギャビン・シュミット氏と研究について対談を行っていた際に、シュミット氏が「私たちの文明が、地球に起こった唯一の文明だと知ることはできるのか?」と尋ねられ、二人の共同研究が始まりました。テーマは、「人類以前の文明の痕跡を検出可能か?」です。


現在の温暖化という地球環境問題が、二酸化炭素の増加に起因するのか、間氷期に見られる温暖化・寒冷化のミニサイクルに起因するのかは議論が続いています。彼らの立場では前者を前提として研究が行われており、つまり工業文明が二酸化炭素を排出し、結果地球が温暖化すると考えているわけです。


一方で、地球の気候変動史のミステリーである暁新世-始新世境界(約5500万年前)におきた温暖化極大(Paleocene-Eocene thermal maximum; PETM)と呼ばれる現象が確認されています。地球では人類文明発祥の遥か以前に、急激かつ短期的な気候変動が生じているのです。


つまりアダムスらは、5500万年前のPETMの原因が自然現象ではなく、工業文明の存在だとした場合、その存在に私たちは気付くことができるのか?と考えたわけです。


彼らは、仮に一種の「超古代文明」が存在したとして、かの文明が私たちのそれに類似する都市や工場、道路といった産業文明の所産を残したとしても、第四紀層(258万8000年)以前の痕跡は全て失われるだろうとの見解を述べています。


古代の痕跡と言えば化石が挙げられます。恐竜絶滅後の6500万年前から現生人類出現の30万年前の間に、文明を持った他の哺乳類が現れたとしても、全ての生物が化石化するわけではなく、また化石となって後世に残るのは極僅かです。もちろん全ての化石が発掘されるわけでもないため、古生物学や地質学の研究者たちが10万年もの間にわたって繁栄した、文明を持った生物の化石を見逃しても、何ら不思議はないとしています。


では、一体どのような方法で私たちは「超古代文明」の痕跡を発見できるのでしょうか。フランク氏は、私たち人類が築いた文明が崩壊した後、どのような痕跡を地球に残すのかについて考えました。

人類文明が後世に残す痕跡は人工物等の分かりやすい有形なものではありません。一つは作物の収穫量を上げるために使われる窒素肥料によって変化した大気上の窒素バランスであり、後世の科学者が検出可能な量に達しています。


また電子機器類に使用される希少金属は大量に採掘された後に、地球の表面に大量に残ることになります。そしてプラスチック製品が風化した「プラスチックの砂」が沿岸部等に多量に堆積していることも文明の痕跡と見なし得ます。


中でもフランク氏が最も有望だと考える痕跡は、文明が消費した化石燃料に応じて放出される「炭素」です。化石燃料の膨大な使用によって変化した天然の炭素同位体と人工の炭素同位体の比率が判定材料になると考えています。

最後に、フランク氏らは、文明とは地球からエネルギーを搾取する存在であり、次の段階では地球に対してエネルギーのフィードバックをすることで地球規模の循環型社会ないし文明に至るだろうと考えています。そのような段階の高度なフィードバック型文明であればあるほど、後世に残す痕跡は少なくなるだろうと結論付けています。


つまりオカルト的な歴史観でよく目にする、現在の文明を超えた「超古代文明」の存在を見つけるのはどうやら容易ではないようですね。アダムスらが述べるように、現在の文明より発達したフィードバック型のエコ&クリーン文明が存在した場合はその痕跡は検知できない可能性があります。しかしながら今後の科学技術の発達に伴って、検出技術が向上し、かつ各研究者が先入観に囚われず、見つけようと努力し続けることで、「人類以前の文明」を発見できる日が来るかも知れません。



2.考古学的に「超古代文明」について考察してみた

さて、アダムスらはあくまで工業文明と温暖化の関係、地球環境の問題について考察していますので、「超古代文明」の存在そのものについて深く議論しているわけではありません。

どれだけ意味があるかは分かりませんが、ここではアダムスらの提言を基に、考古学的に「超古代文明の存在を発見し得るか」について考えてみることにします。

アダムスらの意見は整理すると以下の通り。

①超古代文明があるとすると第四紀以前。PETM紀か?
②第四紀以前の人工物の痕跡は残らない
③化石は残りずらい、発見されにくい
④窒素バランス、プラスチック粒、希少金属、炭素同位体比率が痕跡
⑤フィードバック型文明では④すら残らない可能性大


①超古代文明があるとすると第四紀以前。PETM期か?
第四紀直前としても約260万年前、PETM期だと約5500万年前となります。まぁ現在の文明に匹敵あるいは上回るレベルの産業文明が存在したとして、地球の温暖化が大きく生じたPETM期と重ねるのが妥当でしょう。これ以外にするとほとんど根拠がなくなりそうです。

②第四紀以前の人工物は残らない
仮に超古代文明が存在したとしましょう。そのレベルは地球規模で急激な温暖化を及ぼすほどの産業文明であったとしましょう。そして地質年代的には極短期間の内に当該文明は滅びてしまった(急激な温暖化現象がなくなった)としましょう。

その超古代文明が生んだ数々の人工物、都市・道路遺構は残らないでしょう。滅びる直前に造られたであろうクリーンな技術による超高層ビルのような巨大なモニュメントも残らないでしょう。

人工物は新しければ新しいほど残りにくい傾向にあります。例えば文字情報で言えば、古代は金石文、近代までは紙媒体、現代は電子媒体となるわけです。仮に今、現代文明が滅んで、僅か100年後に宇宙人が私のハードディスクを発見したとしてもきっと中身を読み取ることはできないのではないでしょうか?

何を言いたいかというと、超古代文明はいきなり高度な文明として登場したわけではないということです。必ず発展の歴史があるはずです。つまり超古代文明の古代があって、石器や土器を使っていた時期があるのではないかと考えるわけです。

この場合、土器は残らないでしょう。世界最古とされる土器は中国で1万8000年前、日本で1万6500年前、シベリアで1万4000年前です。どれも小破片で残存状態も良好ではありません。そのため地質年代スケールでは残りません。近現代の良質な胎土と高い焼成技術を使った陶器類でさえ、5500万年は残るとは考えにくいでしょう。

では石器は? 世界的に利器として使用された黒曜石といった火山性ガラス質の石材は残るのでは? 細石刃のような小さなものではなく、打突に使用する大きいサイズのものなら残りそうな気もします(専門ではないのでわかりませんが)。

またそれだけの文明を有したのであれば、その生物は人類同様に古い段階で世界に拡散したのでは? 国家の形成や社会の複雑化の要因として人口圧が挙げられますが、より古い段階の人口圧に対して、外へ拡散することで対応するのは生物にとって自然な流れに感じます。

世界に拡散したのであれば、砂漠地帯や泥炭地帯、極寒冷地のように限られた特殊な状況下で遺物や遺体が残存する可能性が高まると思います。

③化石は残りずらい、発見されにくい
これは間違いないですね。発見されにくいのは仕方ない。地道に発掘調査していく他はありません。では化石化というのはどれくらい起こるのでしょうか?

有名なティラノサウルス・レックスを例にしてみました。生息域は北米です。陸上の生態系の頂点にいる肉食動物ですね。現在のアフリカの肉食動物としてライオンの生息数は1980年代で7万6000頭だそうです。現在は3万頭程度と激減しています。ライオンの生息数の変化は人間による密猟といった直接的な要因や、開発や農業等の広義の人類活動による生息環境の変化が考えられますので、仮にアフリカには10万頭のライオンがいる、ないし「いた」ということにしましょう。

北米もサイズ的に大きく変わらないのでティラノサウルスも10万頭いたとしましょう(サイズに違いがあるので難しいところです)。ティラノサウルスの生息時期は中生代白亜紀後期で、約6850-6550万年前ですので、生息期間は約300万年間です。寿命は約30年との研究成果がありますので、単純計算して地球上に100万頭存在したと仮定します(全て30歳まで生きて天寿を全うしたとします)。

さて、現在までに発見されているティラノサウルスの化石は46体だそうです。つまりティラノサウルスが化石になり、かつ発見される確率は、0.0046%です!とてもいい加減な計算ですが、数が少ないということを明示できれば良かったので、まぁいいでしょう!

では超古代文明の人口と存続期間は?全く検討もつきませんね。比較として2017年度の統計で世界人口は76億ですので、未登録な統計に洩れる方々を含めておよそ80億にしましょう…あれ? 確率的には超古代文明の化石人骨はかなり見つかりそうですけどね。まぁきっと火葬等の葬制が絡んでくるとほとんど残らないですから(宇宙葬なら地上で見つかる可能性はほぼゼロでしょう)、現生人類の化石人骨より更に見つかりにくいとすれば、まぁ超古代文明の痕跡としての発見は難しいでしょうね。

④窒素バランス、プラスチック粒、希少金属、炭素同位体比率が痕跡
⑤フィードバック型文明では④すら残らない可能性大

理化学分析によって④の痕跡が利用できるなら、PETM期の文明の痕跡も分かりそうなものですが、分からないということは超古代文明はないと考えて良い気がしますが。⑤の場合はもうどうしようもないでしょうね。

近年日本でプラスチックを分解する酵素が発見されましたし、確かに地球に優しいフィードバック型文明の場合はその痕跡は跡形も残らないかも知れません。

なんだか想定以上に長文な記事になってしましましたが、最後に一言。

かつて全ての「未開な文化」はやがて「文明」となるという発展史観がありました。欧米諸文明が社会進化の最先端におり、やがて全ての社会がその段階に「追いつく」という考え方ですね。もちろん現在までに主に人類学研究成果によって批判されている考え方ですが、発達史観自体は便利なので残っています。

さて、これまでに扱ってきた超古代文明は「人類以前の文明」という仮定でした。アダムス氏らも文明の担い手を人類以外の哺乳類と想定しています。ここで問題なのは、人類以外の生物が複雑な社会を有した時、果たして私たち人類と同じ道を歩むのでしょうか?

史学・人類学に携わる研究者は、これまでに人類史における多様性を示してきたわけですが、他種の生物には文化の多様性を認めないのでしょうか?

日本考古学は実証主義を前面に押し出していることもあり(どれだけ実証的なのかは疑問です)、日本人考古学者ないし日本で考古学を学んだ者は、アメリカ考古学に見られるような理論研究に比較的疎い傾向にあるように感じます。

超古代文明が存在したかどうかはさておき、理論的枠組みで色々と考察していくのは面白いかも知れません。その時やはり、私たち人類と同じ発展史に基づかないと議論できないのかも知れませんね。


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2018ねん 4がつ 30にち(げつよーび、晴れ)

子供の頃は身の回りに辛い物が多くはなかった。

今では毎日のように辛い物に囲まれている。

感覚がおかしくなったのだろうか。お酒との相性はいいようだ。

...韓国では辛い物の食べ過ぎで胃ガンの発症率が高いと聞いた。

...日本では辛いことの多すぎで胃炎の発症率が高いと聞いた。

辛い(つらい)気持ちになった。

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↑Hand Tools Malaysiaより転載

【目次】
1.トウガラシの原産地としての中南米
2.辛さの単位と世界で最も辛い香辛料の値



1.トウガラシの原産地としての中南米
今回はトウガラシについてです。中南米原産の食材等々ってけっこう多いのです。ジャガイモ、トマト、サツマイモ、ズッキーニ、カボチャ、トウモロコシ、ピーマン、インゲン、ピーナッツ、イチゴ、アセロラ、パイナップル、アボカド、パッションフルーツ、グァバ、とたくさんあります。

新大陸原産としては北米のヒマワリも今では日本の夏を彩りますし、南米原産のタバコに由来する喫煙文化も古くから一般的ですね。

これらの野菜、根菜、果実、嗜好品等はコロンブスや他の大航海時代の人々によってその種子等が運ばれて世界に広まりました。寒さや獣害に強く収穫量の多いジャガイモがヨーロッパの飢饉に際して重要な役割を果たしたり、トマトが現在のヨーロッパの食文化にとって欠かせない食材になっているなど、「新大陸の発見」がもたらした影響は非常に大きいものです。

その中で今回紹介するのは「トウガラシ」!英語でRed Pepperです。トウガラシってナス科トウガラシ属です。形がナスっぽいですものね、若干。

一方で「旧世界」の香辛料と言えば、インド原産のコショウ!これは英語でPepperです。こちらはコショウ科コショウ属でツタ性の植物です。

ですので、見た目が全然違います。まぁ種類違いますから。でも両方ともペッパーです。なぜでしょう? コロンブスが新大陸をインドと勘違いしていたこともあって、現地で見つけたトウガラシがコショウだと思っていたからです。

さて、中米では今でも辛い物をよく食べますし、本当に辛い物が好き!って人が多いように思います。もちろん辛い物が苦手な人も普通に見られますけどね。

グアテマラでよく食べるのはハラペーニョです。最近日本でも買えますし、ピザのトッピングとかで見かけるようになりました。ハバネロを含めて色々な種類のトウガラシを食べています。

ちなみにハバネロとかハラペーニョの赤く熟したやつを生で食べると簡単に悶絶できます。触れた手で目をこすったり、立ちションしても死ねます。種が辛いようで食べるとお腹にくるとのことで現地の人も避けて食べることがあります。ハバネロはヘタの部分が辛いようで、一度苦しんだことがあります。


2.辛さの単位と世界で最も辛い香辛料の値
シラチャーソース
↑今のお気に入りソース。適度な辛さで旨いです(回し者ではないので画像クリックしても無駄です。お近くのスーパー等でお買い求めください)。


さて、この中南米原産のトウガラシは今や世界中で愛される香辛料となったわけですが、トウガラシの栽培も世界各地で行われており、品種改良(?)の結果、凄まじく辛いトウガラシが誕生しています。

ちなみに辛さの単位はSHUです。Scoville heat unitsの略称で、スコヴィル値と言われるものです。これはトウガラシが含むカプサイシンの割合を示す値になっています。

ちなみにハラペーニョで3,500-10,000 SHUです。まぁ戦闘力5、6千ってとこです。ヤムチャくらいの感覚です。一般的にとっても辛いと言われているハバネロで100,000–350,000 SHUです。戦闘力は20万くらいです。新しめのシリーズのクリリンくらいありそうです。

そして世界で最も辛いトウガラシはアメリカ産です。カロライナ・リーパーという名前で2.2M SHUあります。戦闘力は220万です。地球人で食べれる人がいるのか不安になるレベルですね。

ちなみに戦闘力(SHU)が100万超えのトウガラシは他に、トリニダード・モルガ・スコーピオン、ナーガ・バイパーなどがあります。どれもリーパー、サソリ、蛇と食べ物と思えない名称が付いています。

おまけですが、もしカプサインを抽出して100%ピュアな成分を作り出すと、その戦闘力(SHU)は1500万になるそうです。目に入れば失明するでしょうねヽ(TдT)ノ


【追記】2018.5.1
ドラゴンボールの戦闘力をさらっと調べて書いたところ、反応が思いの他良かったです。不思議です。ということで追記のテーマは「戦闘力と辛さの単位(SHU)をイコールで考えると一般の人間は何を食べれるのか」です!どうでもいいテーマで申し訳ない!( ・Д・)

さて、ドラゴンボールに出てくる人間で最強はクリリンですが、「ドラゴンボール超」ではヤムチャを差し置いて亀仙人が活躍していましたね。

この亀仙人は、ラディッツ戦の後で入手したスカウターを使って測定したところ、戦闘力139と表示されます。新作で戦闘力がインフレしているので、今回は昔の亀仙人で考えてみることにします。

SHUが100-500のトウガラシ属の食べ物と言えば、パプリカ!つまり亀仙人はパプリカレベルなんですね。しかもパプリカの中でも弱いレベルです。

でも亀仙人のレベルで、マシンガンの銃弾を素手で掴むことができますから、一般人の戦闘力はほぼゼロと考えられます。そこから推定すると、私たちはピーマンレベル!(0-10SHU)

意味が分からないなと思いつつ書き続けておりますが、大事なことなので繰り返します、私たちはピーマンレベル!(正確にはピーマンパウダーレベルです)

最後に真面目な話に触れておくとして、やはり辛い物の食べ過ぎは胃がんや食道がんなどの発症率が上がることが確認されているそうです。しかしながらカプサイシン自体に発がん性物質は認められていないのだとか。

さて、カプサイシンをほぼ含まないピーマンですが、カプサイシンが変化したカプシエイトを含んでいます。この成分には体温向上や脂肪燃焼の促進にも効果が期待できます!またピーマンはビタミンC、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンDなどビタミンの宝庫で、ビタミンPと呼ばれるフラボノイド系ポリフェノールも豊富に含んでいます。そのため美肌・美白・ダイエット・アンチエイジングと美容面の効果も期待できます!

お酒やストレスで、胃腸が弱ったり肌荒れしたり太ったりと、何かと苦労の多い私たち一般人に、ピーマンは優しくぴったりと寄り添ってくれそうです。


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2018ねん 4がつ 29にち

日本人は歴史好きが多いという。

自分たちのルーツを知ることへの関心が高いそうだ。

陳腐な表現だが、私たちはどこからきてどこへ行くのか

歳を重ねた今、昔より関心が高まった気がする。

…私個人は異世界に行きたい、もちろんチートで(。・ω・)ノ゙

・・・・・・・・・・・・
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↑ナショナルジオグラフィック(日本語版)のサイト記事より転載

【目次】
1. 人類拡散の歴史は定説より、およそ3万年も古い!?
2. おわりに:どんどん古くなる考古学の性質と「出アフリカ」という表現



1.人類拡散の歴史は定説より、およそ3万年も古い?

現生人類は、現在地球上に住む人類とその親縁の種であるホモ・サピエンスを指します。現在では新人(現代型ホモ・サピエンス)だけではなく、同時に生息していたと考えられている旧人(古代型ホモ・サピエンス)のネアンデルタール人も含めます。

新人の誕生は20万年前が定説でしたが、近年の成果としてアフリカのモロッコで30万年前の新人の化石人骨が見つかっています。この新人はアフリカで誕生し、6万年前以降に世界各地へと拡散し始めたと考えられてきました。

一方で、今回の発見者であるドイツ、マックス・プランク研究所のマイケル・ペトラグリア氏は、現生人類は7万4000年前にはインドまで達していたと主張していました。

ペトラグリア氏は自説を証明すべく、アラビア半島にて調査を実施しました。現生人類がアフリカを出て拡散する際に通過する地域と考えたからです。彼の主張するインドや今回の発見地であるアラビア半島では、自説の根拠である石器の発見が多くさなれていましたが、化石人骨の発見というより直接的な物的証拠の発見には至っていませんでした。

そのような中、今回ペトラグリア氏はアラビア半島にて8万8千年前の化石人類の骨を発見したわけです。発見した骨は長さ3cmほどの指骨として同定されていますが、性別や年齢といった分析・研究は未だ行われていません。またこの骨が本当に現生人類の骨であるのかには疑問が残り、今後の調査の進展によって頭蓋骨を含むより完全な骨格の資料の発見が期待されます。

非常に近い将来、人類がアフリカを飛び出した時期が3万年程度遡りそうですね!


2.おわりに:どんどん古くなる考古学の性質と「出アフリカ」という表現
さて、考古学的発見というと、「最古」という表現が頻発します。どの考古学者も人の子なわけで、自分の研究する地域や遺跡、集団が「より古い、より優れている、他と異なり特別だ」と思いたいというか、無意識的に期待しているということがよく言われています。

考古学は物的証拠に基づきますから、何かしらのテーマの時期設定をいきなり早い段階にすると、多くの場合著しく強い批判に遭います。様々な考古学研究史においてよく見られることです。

一方で調査研究が進展してくると、新たな資料の発見によって、様々なテーマの時期設定が少しづつ古くなっていきます。この研究の進み方はある意味考古学の特徴と言えると思います。

とある集団が何かを成し遂げたのは、従来言われているよりも新しかった!よりも古かった!の方がインパクトがありますし、一般の方々にもウケがいいのかも知れません。もちろん正しい時期を提示することが大切ですが、時期や地域、対象を細分してまで「とにかく最古!」と言いたい考古学者はけっこういるものです。

なので、考古学の世界では、今後も「実は~年も前だった!?」的な発見、ニュースは期待できそうです。

ところで、最初に挙げたナショナルジオグラフィックの画像ですが、タイトルが「人類の出エジプト史」と書いてあるんですよね。

旧約聖書の出エジプトになぞらえて、人類がアフリカから出て拡散していくことを「出アフリカ」と表現することは、このテーマの研究者によく使われてきました。ウィットに富んだ表現というか、なんだかお洒落な感じがしますからね。

この「出アフリカ」はある種の専門用語(ターム)としての性格も持つようですが、宗教や観念体系も対象にする考古学としては適切なのでしょうか。この言葉でなくてはならないという強い理由を感じません。

もちろん考古学者が「出アフリカ」という表現を用いることで一種の西洋史間や宗教史観に囚われてしまうことはないでしょうし、非常にニュートラルに、用語成立時の遊び心を理解して使うでしょう。

でも一般の方はどうなのでしょうか。ナショナルジオグラフィックのタイトルは、出アフリカどころか、「出エジプト」になってしまっています。まぁアフリカから陸路で出るにはエジプトを通るでしょうが、そういう問題で筆者が「出エジプト」と表現しているわけではないと思います。

研究者は用語の扱い方に気を付けます。多くの用語の歴史は古いですし、これから変えていくのも一苦労でしょう。しかし研究と現代社会の繋がりを意識し、社会還元の一環として成果の教示・普及を考えた際に、今後は不要な誤解を招くことのない用語作りをも念頭に置いていくべきなのかも知れません。


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2018ねん 4がつ 27にち(きんよーび、曇り)

最近天気悪いな。カラッと晴れて欲しいものだ。

そうしたら私の心の中も春色になるかも知れない。

そう言えば桜が咲いたらしい…あ、週末だ。

晴れたら花見に行こう、桜柄の缶ビール片手に。

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↑穿孔の痕跡のある牛の頭蓋骨(AFPBB Newsより画像を一部加工、邦訳記事としてヤフーニュースを参考)

【目次】
  1. 家畜に対する外科手術の痕跡の発見か?
  2. 医療の歴史と考古学、民間療法と医学・薬学

1.家畜に対する外科手術の痕跡の発見か?
フランス西部で変わった牛の頭蓋骨が出土した。当該地域には紀元前3400~3000年の新石器時代に属する集落があったことが分かっている。この集落址の周辺には多数のウシの骨片が散乱しており、ブタやヒツジ、ヤギと共に多様な種の牧畜を行っていたと考えられている。

問題のウシの頭蓋骨には5cmほどの楕円形の穴が開いており、発見当初はウシ同士の喧嘩の際に相手のツノによってできたものと考えられた。しかし高倍率顕微鏡や高解像度スキャナーによる分析結果では、打突の衝撃によって生じる頭蓋骨の破砕痕が検出されなかった。

げっ歯類のような小型動物による損壊の痕跡とも異なり、梅毒等の病気によって一部の骨が融解した事例とも異なることが分かった。

そのため調査に当たったフランスの形質人類学チームは、人為的に丁寧に開けられた穴の痕跡であると推定した。ただし術後に骨組織の回復が確認できないため、施術を受けたウシは手術中あるいは術後間もなく死亡したか、あるいは死体ないし頭蓋骨に対して施術されたと考えられる。

今回の発見からは、この穿孔行為がウシを救うための手術だったのか、人への外科処置の練習だったのかについての判断できない状況である。

しかしがならフランス国立科学研究センター(CNRS)のフェルナンド・ラミレス・ロッツィは「動物に対して行った穿頭術として最古の事例である」と評価している。


2.医療の歴史と考古学、民間療法と医学・薬学
人に対する穿頭術の痕跡は、ヨーロッパの新石器時代では多くの事例が確認されています。今回の発見は、「家畜ないし動物」が対象であることがポイントなのです。

さて、急速な科学技術の発達に伴い、医療器具も進化しています。それに伴い近年の外科手術や麻酔に関する知識・技術は著しく進歩していると言えるでしょう。

19世紀のヨーロッパに見られる外科手術では、麻酔の知識はあったものの不十分であり、手術時には拷問のような痛みを伴ったと記録されています。外科手術の死亡率は80%とも言われています。

そのまま死んだ方がむしろ楽に思える状況と数字ですね。もちろん当時の人体実験のような手術の数々の実践がきっと現代医療の礎となっている、ことを願ってやまないです。

さらに遡って、古代エジプトでは歯科に関する施術知識が文字記録として残っています。その古さは紀元前3000年!人類は古くから病気と闘ってきたのですね。

古代インカにおいても紀元前3500年ほどに穿頭術が行われており、その成功率は70%と推定されています。この値は19世紀の外科手術より凄いと思われるかも知れません。この数値の違いは外科手術行為の対象の違いであり、19世紀には様々な病気に対して外科手術が行われたのに対し、穿頭術というのは限定的な施術なのです。

新石器時代のヨーロッパや古代インカに見られるように、当時の争いはこん棒や投石を武器にしていたため、打撃による頭部の骨折が多かったのです。時代が新しくなるとヨーロッパや日本では刀剣や弓矢による斬撃、刺突によるダメージが主体になります。

頭部を骨折すると折れた部位が脳を圧迫しますので、その骨折あるいは変形した部分の骨を取り除くことで骨や出血による脳へのダメージを軽減しました。これが穿頭術なのです。強調のためか、「古代の脳外科手術」と呼称されたりもしますが、脳外科と聞いて現代の私たちが想像するような複雑なものではないのです。

さて、遥か古代から病気やケガと闘ってきた人類ですが、その経験知は民間療法として息づいている場合があります。人類学者による聞き取り調査等によって得られた「伝統的な知恵」が現在の医療に役立つケースがあります。特に薬学では既知の薬草であっても新たな効能の気付きとその成分の抽出に成果を上げている事例があります。

私たちに馴染み深い漢方も民間医薬の一つです。民間療法や民間医薬には危険性もありますが、現代科学や医学の知識と照らし合わせることで、一般化した化学合成された医薬品とは異なる生薬等の植物由来の天然医薬品の開発に役立っています。

狭義の考古学だけでは現代の医学・薬学に関係した研究を行うことは困難のように思えますが、広義の人類学としては現代社会とのより直接的な結びつきが窺えます。

伝統に裏打ちされた古き知恵の活用、「温故知新」の扉は私たちのすぐ傍にあるのかも知れません。


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