2019ねん 4がつ 17にち(すいよーび、晴れ)

研究機材が欲しい……

やはりクラウドファンディングか!?( ・Д・)


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元記事: hitkno.com; *インドネシア語サイト)


さて、今回の考古学・歴史ニュースは『Twitterで話題のインドネシアで見つかった古代のガンダムみたいな石像が本物かどうかについて考えてみたよ!』ってことです(*・ω・)ノ

上に挙げた画像の通り、見た目は完全にガンダムですね。

昔、「ガンダムSEED」とか好きだったんですけどね。

このガンダムは知りませんでした。

このガンダムは2007年に放送された「機動戦士ガンダム00」に出てくる「GN-001ガンダムエクシア」という機体だそうです。


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↑比べてみると確かに似ている(「はちま起稿」の記事内画像より転載)



問題の石像はインドネシア中部、ジャワ州のスマランにあるニャマトで見つかったそうです。

地元の人たちはこの石像がマジャパヒト王国時代に作られたと言っていたそうです。

しかしながら、ガンダムそっくりであることから、GN-001ガンダムエクシアがアニメで登場した2007年に作られたガンダムエクシアの石像が2019年に苔むしている可能性は否定できないとも地元メディアは冷静に書いています。


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ちなみにマジャパヒト王国は1293年~1478年にジャワ島中東部を中心に栄えたインドネシア最後のヒンドゥー教王国だそうです。

本当にその時代に造られたものなら500~700年も経過していることになりますΣ(・ω・ノ)ノ

さて、このガンダムの像が本当にそれほど過去のものなのか、あるいはある種のフェイクのような現代の作品なのかについて検討してみます。


ポイントは3つあります。

①石像である(素材が石材である)
②コケが生えるのにかかる時間
③インドネシアにおける伝統的モチーフと造形の特徴との違い

さて、それぞれを見ていきましょう!(*・ω・)ノ



①対象が石像である点

学生時代にひたすら年号を覚えてきたせいか、「歴史」と聞くと何でもかんでも時期が分かっている気がしますよね。

まぁ歴史時代であれば、様々な事柄が暦年や日付レベルで分かると思います。

でも考古学が扱う「モノ」に関しては時期を判定するということ自体がなかなかに難しいことなのです。

とは言っても、普段の記事で「○○○○年前の墓!」とか書いてるじゃないか!と思われるかも知れません。

基本的にはこれまでの研究の積み重ね、多くの場合は土器編年研究によって時期が判定されます。

この場合は当然ですが土器が出土しなければなりません

また炭素年代測定法も近年は活躍していますが、これも炭化物が検出されなければなりません。

今回のケースではどちらもありませんね( -д-)ノ

さて、ここまでの話で「石」に関する話が出てきませんでしたが、というのも石材を対象とした時期判定は非常に困難なのです。

地質学では母岩の年代が判定されていますが、石材として切り出してしまっては話が異なります。

例えば、古い地層から石を取り出してきて自分の名前を刻んだとしても、あくまでそれは現時点で彫ったのであって、その作品が古い地層の年代に作られたものになるわけではありません。

つまり特殊な事例を除き、基本的に石材の加工時期の判定は難しいのです。

逆に言えば、フェイクでオーパーツを作るには石材は最適ですね。

これが土器や絵画だと形態や炭化物、モチーフ、塗料の原料等の諸分析からすぐにフェイクとバレてしまいますから(/TДT)/




②コケは長く経過した時間の判定基準になるか?

結論から言ってなりません。

一時期流行った(今も?)苔テラリウムを考えれば分かりますが、苔を人為的に載せれば苔は育ちます。

僅かな土壌ごと石材に載せてしまえば、インドネシアの熱帯性気候における大気中の水分でも十分に育ちます。

降雨も多いですから、石材からもぐいぐいと水分を吸収できます。


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↑プランバナン寺院の石像(「LINEトラベル」の記事内画像より転載)

③在地の美術伝統とガンダムの造形特徴の比較

著作権フリーな画像が全然見つからなかったため、適切な画像を集めることができませんでした( ・Д・)

ま、しかしながら、マジャパヒト王国はヒンズー教国ですから美術様式もヒンズー教のそれなのだと思います。

正直言って、そんなにガンダムみたいな石像がゴロゴロしてたら、もっと早い時点で既に話題になっているはずですよね。

インドネシアは人類学研究の対象地域として昔から頻繁に取り上げられる地域ですから(。・ω・)ノ゙

さて、美術様式以外にも不可解な点があります。

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↑再掲(同上)


一般的な石像は、腕が身体とか頭部に接続しているものです。

丸彫りにせよ、その方が造り易いし、強度も保証されるからです。

時に、このガンダムのように脇が開くようなモチーフのものもありますが、その場合は何かしらの特殊なポーズ(宗教的な、あるいは芸術的な)を取るために敢えてそのようにしています。

では、このガンダムの場合はどうでしょう?

無駄に脇が開いています( ・Д・)

このポーズの意味は「より一層、ガンダムのように見える」しかないように思えます。


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さて、個人的にはガンダムは好きだし、こういうのもいいですよね。

今ある現代作品としてのガンダムもいずれこのようになるのかも知れないと思うと感慨深いものがあります。

「時を感じるアート」としていいな~と思います。

(もし今後、ガンダム的遺物が多数発見されて、新しく認定される古代文化であることが分かった場合はごめんなさいヽ(TдT)ノ……でも、今のところ、限りなく黒に近いと思います(TДT))

↓私と同意見な人はブログリーダーになりましょー!( ・Д・)↓

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