2018ねん 8がつ 6にち(げつよーび、晴れ)
最近グーグル先生等々のネット上の翻訳サービスが改善されている気がする。
論文のPDFデータの文字認識も役に立つし、
紙媒体の割り付けに比べてデジタルデータは劣化しないし
場所も取らないし、
ほんとにいい時代になったものだ( -д-)ノ
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今回紹介するのはイングランド南部にあるストーンヘンジの新たな研究成果についてです。ストーンヘンジは日本でもかなり有名な遺跡かと思います。
5000年前の新石器時代に帰属する遺跡で環状列石状の遺構です。太陽崇拝の祭祀場、古代の天文台、ケルト民族のドルイド教徒の礼拝堂など、さまざまな説が唱えられており、巨石群に囲まれて埋葬された人々に関する謎は、およそ100年の研究史の中でほとんど解明されていません。
今回の研究成果はストーンヘンジに埋葬されている人の出身地が分かったということです。先行研究では建設の方法や目的が中心で、埋葬者や建設に携わった人々には焦点が当たっておらず、直接的な証拠を提示した研究はこれが初めての事例だそうです。
ストーンヘンジは初期の時代には主に墓地としての役割を果たしたと考えられていますが、その建設は紀元前3000年に遡る上に、埋葬された遺体も火葬されていることから、埋葬者についての研究は困難なテーマでした。
↑天文観測所としてのストーンヘンジ(「怪奇動画ファイル」さんより画像を転載)
今回の考古学の分析には化学工学の技術が利用されました。火葬用のまきの山の高温(1000度超)にも耐えられる、骨に含まれる重元素ストロンチウムの同位体分析の結果、埋葬者の40%(25人中10人)はウェールズ西部が出身地である可能性があることが分かりました。
ウェールズ西部は、ストーンヘンジを構成する石の中で小規模な「ブルーストーン」の産地と考えられ、こうした石の輸送やストーンヘンジの建設にウェールズ出身者が携わっていた可能性が高いとのことです。
ストロンチウムは植物が土壌より吸収するため、死の直前10年間で人が口にしていた平均的な食べ物を反映します。そのため遺体の骨にストロンチウム同位体分析を施すことで、こうした人々が生涯最後の10年間に住んでいた場所を割り出すことができるのです。
分析対象となった人骨は紀元前3180~2380年のもので、25の人骨中の15人は現地の人で、残り10人はウェールズ西部を含む英国西部で暮らしていた可能性がわかりました。
また火葬の方法は一様ではなく、異なる燃料を利用したか、異なる条件下で実施されたと推測されています。現地の人々がストーンヘンジ周辺のような開けた土地で育つ木のまきを積んで火葬されたのに対し、他の人々はウェールズ西部のような森林地帯で育つ木を燃料に火葬された可能性があるとのこと。
分析対象となったいくつかの火葬遺体は皮の袋に入っていたことが発見時に分かっており、遺体が埋葬のために遠隔地から運ばれた可能性を考えています。
この研究がどう重要かというと、ストーンヘンジの石や人骨がウェールズと結び付けられるということは、ストーンヘンジの建設は220キロ以上離れた地域間における人々の繋がりが必要となるのです。
5000年前の新石器時代に、皆でストーンヘンジを造り、利用するために、人と物資がウェールズとストーンヘンジのあるウェセックス地域を行き来していたことになります。
どうやら人類の地域間交流は古くから密接であっただけではなく、古くから地域間で共有する公共建造物の建設が開始されていたようですね(*・ω・)ノ
↓科学の進歩は歴史を一層深く、面白くするね!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!↓