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歩け、マヤ -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

2020年05月

2020ねん 5がつ 31にち(にちよーび、晴れ)

もう月末だ( ・Д・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



今回の考古学・歴史ニュースは「調査でよく出る丸い石の使い方が分かったよ!」ってお話です(*・ω・)ノ


今回の舞台はイスラエルのケセム洞窟です。


いつも「歩けマヤ」で書いてる記事は論文からもってくることは少なく、類似の記事を参考にしています。

まぁ参考にしておいてなんですけど、

「今まで分からなかった~~~が、どこどこのチームによって明らかになった!」

て、大体めちゃ褒めて書いてます。

まぁアピールしたいですもんね、その方が面白そうですもんね……



でも、


実際、すでに分かってましたよ( ・Д・)



しかもずっと前から。



記事として皆様の目に留まったのが最近ってだけで( ・Д・)



とは言っても、今回のお話は本当に『考古学らしい考古学』ですよ。

1960年代以降の考古学らしいって感じです。

現在の日本考古学ではまだ100年前くらいの考古学を未だに引きずってるナラティブのみの大御所(という名の老害)でまだまだ満ちてますから、こういったニュースは皆様に目新しく感じるかも知れませんが、実際はそんなことないです。

今回のこれ、現代考古学のスタンダードですよ( ・Д・)



さて、今回の舞台であるケセム洞窟では29個の丸い石が出土しているそうです。

化石人骨等の分析から20~40万年前のものと考えられているそうです。

ちょうど新人が出現するかな~くらいの時期でしょうか。

これらの丸い石は、当該地域でよくみられる石灰岩またはドロマイト製で、直径が8~9センチほどの大きさだそうです。

研究チームはこの丸い石の10個を使い、デジタル顕微鏡と金属顕微鏡で詳細に観察したところ、その球体には動物の骨を構成する海綿骨やコラーゲン繊維、動物の脂質などが付着していました。

こうした石器を顕微鏡観察して使用痕を検出する研究(上に挙げた写真を参照)は、現代考古学では最早定番です。



でも……コラーゲン繊維とか残ってるものなんですね~。

まぁ化石人骨が残る環境だからかなΣ(・ω・ノ)ノ

この手の記事で専門である私が一番驚くのは、やはり「よく残ってんな~」ってとこですね(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?

 




まぁようは丸い石といってもゴツゴツしてて、尖った部分に残滓がめちゃ付着してたことが分かったよということです。


だから試しに「丸いゴツゴツした石で骨をゴリゴリしてみた!」ってことですね。


上に挙げた写真がそれで、所謂『実験考古学』です。


実際にやってみて、類似の痕跡が残るかどうかを確認するわけですね。


このように顕微鏡観察による使用痕分析と、実験後の痕跡の比較がセットになって実験考古学なのです。


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↑発掘の様子(「大手前大学、考古学専攻」の紹介写真を転載)


おわりに

結論として、ケセム洞窟に暮らしていた古代人は動物の骨髄を大切な栄養源として摂取していたそうです。

骨髄は栄養価が高いのですが、古代人が骨髄食をしていたのは(考古学者としては)常識です。

別に新しいことではありません。

研究の方法論も、対象も、結論もフツーです。

フツー過ぎて、私はこの記事見ても何も感じませんでした。


「ふーん・・・それで?」って感じです( ・Д・)


あまりにも誇張して記事書く人が多いものだから、今回面白くなって批判的に書きましたけど、、、



考古学ってこういうものですよってことが伝わればいいなと思います。

意外とうちら頑張ってんだぜ!ってことですよ(*^・ェ・)ノ

なのに世間はよく知らないんだなって、やはり研究成果の公開が重要だなと感じました( -д-)ノ



上に挙げたように考古学のイメージって、インディ・ジョーンズみたいな探検家でなければ、こうした『発掘調査』をして土器とかを発見してる学問ですよね。


でも考古学は「発掘調査」「ラボ作業」の二つが基本的なセットです。

これに論文を書く際には、先行研究や報告書等の文献の読み込みが追加されるわけで、考古学研究には色々な側面があるのです。


今回の話はどれかというと、主に「ラボ作業」に分類されるのかな?

イメージないでしょうが、考古学者って意外と研究室に立てこもるものなんですよ( -д-)ノ



……最後に、都合上「フツーだ、フツーだ」と馬鹿にしましたが、


考古学成果はこうした地道な分析と検証を積み重ねた結果としてあるので、とても重要な事例研究ですからねっ!( ・Д・)

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2020ねん 5がつ 23にち(きんよーび、曇りのち雨)

報告書があと二日で終わる。てか終える。

結局週末働かにゃ終わらんってことやな、、、

どうなってる、私の「ひとり働き方改革」!?( ・Д・)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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今回の考古学・歴史ニュースは「発掘調査で多量の金銀財宝が出て、中国版の埋蔵金伝説が真実だったことが分かったよ!」ってお話です(*・ω・)ノ


今回の舞台は中国・四川省にある彭山江口明末古戦場遺跡です。

名前めちゃくちゃ長いですねΣ(・ω・ノ)ノ

この遺跡は、彭山区の江口鎮に所在しているので「彭山江口」と付いています。

次の「明末」は中国王朝のひとつである明王朝(1368-1644)の末期に帰属するという意味のようです。

で、「古戦場跡」はそのままですが、以前の調査で銃や様々な種類の鉛弾が発見されたことで古戦場跡であると解釈されたことによるネーミングだそうです。

ということで、長ったらしい名前ですが、遺跡の性格を端的に示している名称ということになります(*・ω・)ノ




3シーズンに渡って長期的な調査が実施されていて、今回の調査では重要文化財指定の遺物だけで2000点、トータル1万点の文物が出たそうです。

1万点の遺物ならば、マヤ文明の場合、土器片や石器片でいいなら簡単に出る量なのですが、時代が時代ですからね、きっといいもの(文物)ばかりで1万点のはずです(*^・ェ・)ノ

あまりにも出土遺物の質も量も良いため、約76億円をかけて「江口沈銀博物館」を来年建設開始するそうです。

この博物館の名前になっている「江口沈銀」というのが、中国版の埋蔵金伝説のひとつなのです。




江口沈銀の伝説の証明

「江口沈銀」の伝説とは1643年に大西王となった農民軍の首領・張献忠の軍船が岷江を南下する際に、明軍の攻撃を受けて沈没してしまい、積んでいた財宝が川底に沈んだというものです。

先に挙げた金印が最も重要な発見で、金の含有量がなんと95%!

重量が8kgだそうですよ!



……これ、誤植じゃないのかな?( ・Д・)

金印は1辺10センチメートル、厚さ3センチメートルの方形の印台って書いてますけどね。

紐を通すための穴が開いた亀形の飾り持ち手が付いていて、そのサイズ情報はないけれど……



印台の体積は10×10×3cm=300㎤になりますよね。

金の比重は1㎤=19.32gだから、300㎤だと約5.8kgか。

あ~、金ってとっても重いのね!!!

全然持ったことないから!ヽ(TдT)ノ




それにしても8キロの印鑑って使える???

数字が事実ならば、実用品ではなくて権威を示すための象徴、威信材なのかも知れませんね( -д-)ノ

ちなみに金印には「蜀世子宝」の4文字が鋳込まれており、蜀王の世継ぎである太子が歴代受け継いできたものと推定されています。

王が使う金印は卑弥呼の金印でもおなじみですけど、太子が使う金印の事例としては中国国内でこれが最初の事例だそうです!ヾ(´ω`=´ω`)ノ


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おわりに

発掘調査自体も大規模なもので、相当な予算が組まれているはずです。

というか、これ、大河川の一部をせき止めてまで行っている調査らしいので、お金の掛け方が違いますよね。

そして約80億円も投じて博物館を造るわけですが、観光地として一躍有名になるでしょうし、元は取れそうですよね(*・ω・)ノ



やはりメキシコ、エジプト、中国かな。

こういった、国を挙げて考古学調査を支援して、しっかりと外貨獲得につなげようとしているのは。

日本は予算出さずに、何かいいもの出たらとりあえずニュースにして博物館で展示して小銭を稼ぐといった『搾取型考古学(搾取されるがまま考古学)』ですからね。

そう言えば、なんかTwitterで見ましたけど、埼玉の博物館で資料調査(写真撮影とか)に対してお金取るって決めたとこがあるらしいですね。

どれだけ搾取する気なのか。

そこまでされたら、、、



出土品、博物館に収めずに闇ルートで売るぞ!と思っちゃいますね。

(↑上手いこと炎上してお気楽に有名になりたいわ~なんて( ・Д・))



話は変わって最近、日本の埋蔵金伝説は下火ですね。

出ないかな~( -д-)ノ

日本にも明るい話題が欲しいよ!!!( ・Д・)


【謝辞】
今回の記事は以前にコメントを頂いた「M+さん」より情報提供を頂きました。

末筆ながら記して感謝申し上げる次第です。

(*_ _)激しくペコリ

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2020ねん 5がつ 8にち(きんよーび、晴れ)

毎日チンチロ500回振るのに小一時間使うのはけっこう辛い!( ・Д・)


・・・・・・・・・・・・・・・



今日の考古学・歴史ニュースは、「コロナの影響もあって、考古学のデジタルによる普及・広報活動が活発化してるよ(素敵な博物館編)」ってお話です(*・ω・)ノ


前回はコロナウィルスの蔓延に伴う自粛・休館措置に対する、日本国内における地方博物館の努力について紹介しました。



今回は海外の、しかも超有名組織における活動の紹介です!(*・ω・)ノ



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ルーブル美術館によるバーチャルツアー



フランス、パリにある、あの有名なルーブル美術館もコロナウィルス蔓延の影響を受けて、休館措置を講じているそうです。

海外の場合は日本と異なり、都市のロックダウンもしますし、政府の権限が強い印象です。

ルーブル美術館は国立美術館であり、政府からの通達があるまで無期限休館だそうです( -д-)ノ

そのような折り、同博物館が公式ホームページ上で『ヴァーチャルツアー』を公開しました。

公開されたのは「古代エジプト美術」、「ルーブル濠の跡」、「アポロンのギャラリー」の三つです。

上のリンクからヴァーチャルツアーのページに飛べますので、是非お試しあれ(*・ω・)ノ

試しにアポロンのギャラリーに入ってみたところ、ヴァーチャルツアー自体はフランス語と英語表記しかありませんでした。

そしてあまりヴァーチャルツアーっぽくない( ・Д・)

でも見出しに挙げたような画像を4種類ダウンロードすることができます。

今流行のネット会議の壁紙にいいかも知れませんね(*^・ェ・)ノ


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↑古代エジプト美術のヴァーチャルツアー(「古代エジプト美術」のページより転載)


上に挙げましたように、「古代エジプト美術」のヴァーチャルツアーもやってみたところ、こっちの方はちょっとヴァーチャルツアーっぽかったです!

ちゃんと博物館内を歩けるし、展示品データも見れるし(説明は英語)!

ちなみに「ルーブル濠の跡」も古代エジプト美術と同様のコンテンツでした。

天下のルーブルの仕事としては正直物足りないですが、ルーブルに行ったことの無い私にとっては「あ~、こんなとこなんだな~」って十分楽しめましたよ!ヾ(´ω`=´ω`)ノ




エジプト観光考古省のヴァーチャルツアーが凄い!

さて、次はエジプト観光考古省が公開しているヴァーチャルツアーです。

前の記事でも書いたように、現在エジプトの観光は大きな制限を受けています。




一番上に挙げた画像や、この見出し画像が、そのヴァーチャルツアーの写真なのですが、とても綺麗!!!

その割にサクサク動くんですよ。

遺物・遺構の紹介は英文や3D画像で行われおり、見やすいですよ。

英語が苦手でもてくてくと歩き回るだけで楽しいです!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

さて、このページは「エジプト観光考古省のFacebookの公式ページ」から飛ぶことができて、かつこのページで新しく公開されるデータについての情報が得られるのですが、、、

言語の違いもあり、如何せん、探しづらいし飛びづらい!!!( ・Д・)

なので以下にリンクを貼っておきますねヾ(´ω`=´ω`)ノ













どれも面白いので是非、おうちで遺跡・博物館散策してみてくださいね!

マニア・専門家向けですけど、このヴァーチャルツアーの最も凄いところは……

距離が測れるってこと!( ・Д・)

さっき表示した石造彫刻の身長だって測れちゃいます!

あとはこれは一般向けに凄いところなんですけど、、、

VR表示に対応していること!( ・Д・)

これ凄いですよ、建造物の構造の違いはあれど、マヤ遺跡でも本気でやりたい!ヽ(TдT)ノ




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おわりに


私の所属する大学研究室でもヴァーチャルツアーやヴァーチャルミュージアム構想がありましたが、なかなかいいものが作れず困っていました。

そもそも機材やソフトはもちろんなのですが、事前に「どのように見せたいか?」を十分に考えなければいけないのです。

当たり前だろうと思うかも知れませんが、発掘調査のデジタル報告の一種として構想していたものなので、従来通りの発掘調査と上手くマッチアップしなかったのです。



で、結局、調査成果を優先して、なんだかんだいつも通りの発掘調査に・・・・・・てな感じでしたね。

今回私の現場では調査記録を動画にしてYoutubeにアップしてみるという試みを開始しました。

また下に挙げるような360度動画も撮りました(カメラ壊れて、これしか撮れなかったけど(TДT))。





考古学現場では、発掘調査が終わると埋め戻し作業を行います。

私のフィールドでは、掘り上げた土を使って直接埋めてしまいます。

穴開けたままだと落とし穴になってしまいますからねヽ(TдT)ノ

なのでこういった掘っている最中や掘りきった後の撮影って貴重なものなのです。

もちろん調査の性格上、写真撮影はしっかりと行います。

でも動画って撮らないんですよ、通常。



今回エジプト観光考古省で用いたのは「Matterport」という会社の製品のようですが、いいですね……

元々、考古学成果の普及をいかに行うべきか、デジタルデータといかに付き合っていくべきかが考古学における一つの課題であったと私は思っていますが、、、

コロナウィルスの影響でネット上における様々な活動が急加速していますよね。

研究予算の都合がありますが、私もエジプト観光考古省を見習って、

『新しい考古学の発掘現場作りと成果の公表』を行っていきたいと考えておりますヾ(´ω`=´ω`)ノ

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2020ねん 5がつ 7にち(もくよーび、曇り時々雨)

気付けば腹痛のままGW終わった……報告書放棄してでもyoutubeの考古学講座つくらにゃ( ・Д・)


・・・・・・・・・・・・・・・



今日の考古学・歴史ニュースは、「Twitterで出題したクイズ第二問の解答編、ティカルの中にはどれくらいの建造物マウンドがあるの?」ってお話です(*・ω・)ノ


最終的にこの出題に対して、またもや11回答も頂きました。

Twitter慣れてなさ過ぎてよく分かりませんが、前回と同じ回答者さんなのかなと思いますが、マヤ文明クイズにお付き合い頂き、誠にありがとうございます(*_ _)ペコリ



古代マヤ文明クイズ 第二問
「グアテマラが誇る世界複合遺産、ティカルにはどれくらいの建造物マウンドがある?」

①100
②500
③1000
④2000

という出題でした(*・ω・)ノ

ちなみに解答として多かったのは「③1000基」でした!



ではクイズの解答は・・・・・・・・・



・・・・・・・・・



・・・・・・



・・・






『④2000基です!( ・Д・)』


そうなんですよ、実は2000基オーバーあるんですよΣ(・ω・ノ)ノ

ではティカルの建造物マウンドの在り方や調査史について説明しますね(*^・ェ・)ノ


mapa tikal, pennsylvania
↑俗に言う、ティカルマップ(「Tikal Report no.11」Carr and Hazard 1961, Ruins of Tikal (p.27)を転載)



ティカルにおける測量調査

上に挙げた図がティカル全体の地図になります。

私が論文でも用いているのでそれなりの解像度だと思います。

たぶん皆様にとっては十分な画質だと思います。

DLしても構いませんよ(*・ω・)ノ



今度もっと高い解像度でデータ化しようかと考えていますので、『欲しいよ!( ・Д・)』って方はコメントないし、当該記事のTwitterにリプライ下さい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

っていうか何らかの理由で欲しいのであれば、PDFデータで報告書(英文)のデータごとあげますヽ(・ε・)人(・ε・)ノ ナカマ


arukemaya864
↑ティカルマップに色付けてみた!(「Tikal Report no.11」Carr and Hazard 1961, Ruins of Tikal (p.27)を一部加工)


図版引用部に書いてあるように1961年に出版されたTikal Report No.11ですが、この時期にアメリカ、ペンシルバニア大学主導の大規模調査の一環としてティカルの測量調査が行われました。

上の図は基図を着色したものです。

基図のサイズとして、遺跡の4km×4km=16㎢の範囲をカバーしています。

左上の「緑色&黒色枠の部分」を見てください。

この大きさが一つの単位となっており、500m×500mの範囲となっています。

この左上を基準として右方向(東方向)にA~H、下方向(南方向)に1~8と、アルファベットと番号が振られてそれぞのエリア及び住居マウンドが管理されています。



例えば緑部分はエリアA1ですね(*・ω・)ノ

ここにある建造物マウンドは建造物を示す英語Structureの省略として『Str.』を先頭にし、エリア番号、建造物番号の順で記述して管理されています。



例えばこの緑部分エリアのとある建造物マウンド名は、『Str. A1-25』といった感じです。

私が年明けに実施した調査の対象建造物は「Str. 4F-19」と「Str. 4F-20」でした。

なんとなく調査した場所(エリア)が分かりますでしょうか?


↓調査に関してはこちら……そう言えばまとめ記事も書いてないや( ・Д・)



↑面白い発見がけっこうあったのですが、まずは報告書終わらせねば( ・Д・)


紫部分が3km×3km=9㎢の範囲で、この範囲が我々の述べる『ティカル中心部エリア』に相当します(以下、私がここで述べる中心部エリアはこの範囲とする)。

オレンジ色の部分を含めたエリア(16㎢)を中心部エリアとする場合もありますが、範囲の指定は論文ごとで明確に記述されています。

さて、紫部分とオレンジ部分の違いですが、紫部分はトランシットを用いた測量調査が実施されており、下に例示するような詳細な地図が存在しています。

一方でオレンジ部分(左上の緑部分も含む)は踏査によってマウンド数がチェックされたものの、詳細な測量図は存在せず、マウンドの位置や形状には疑問が残る範囲です。


北のアクロポリスのエリア

↑紫部分の一つ、グレートプラザ(大広場;D4, D5, E4, E5の範囲)の測量図、こちらも高解像度でDL可(「Tikal Report no.11」Carr and Hazard 1961, Great Plaza (p.32)を転載)


実際にかつて2016年度にエリア6Hにおける発掘調査を実施した際にトータルステーションによる測量調査も実施し、建造物マウンドの数、形状、位置には大きな違いがあることを私たちは指摘しました。

そのため今回のクイズの解答として、ティカル中心部エリア(紫色部)における建造物マウンド数をカウントすることにしたのです。

その結果は、2121基でした!ヾ(´ω`=´ω`)ノ

これには神殿や宮殿といったあらゆる建造物をカウントしたものになりますが、それらの数を引いたとしても、やはり建造物マウンド数は2000基程度となるはずです。


arukemaya865
↑こんなパッケージもあった(「」の記事内画像より転載;ドイツ語)



おわりに

オレンジ部分における建造物マウンド数を加えると計2500基とかになりそうです。

また前回のクイズで、ティカルという都市国家の範囲・領域は分からないよってお話をしました。

今回挙げた地図の16㎢の範囲の外にも住居マウンドは広がっています。

密度は周縁部になればなるほど減じていくでしょう。

それでもトータル数はかなり増加するはずです。



中心部から離れれば離れるほど、建造物は小さくなり発見が困難になります。

また世界複合遺産ということで自然遺産の性質を含む関係で、周縁部エリアは完全に亜熱帯ジャングルの中に没しています。

こういった環境下での測量調査は困難を極めるでしょう。



近年はLiDAR(Light Detection and Ranging;レーザー画像検出と測距)と呼ばれる光を用いたリモートセンシング技術が考古学で扱われるようになり、鬱蒼としたジャングルにおけるマウンドの検出がより簡単になりました。

(問題は非常に高価ということで若手研究者には無理!( ・Д・))



この技術は考古学系ニュースなどで、非常にもてはやされはいますが、

古代マヤ人の最下層の人々、つまり農民などの一般層の人々は土製基壇の上に葉・枝等の植物由来の有機物を建築材としていたと考えられ、そのマウンドは非常に低く、小さいため、どこまで検出できているか不明です。

一般層住居の検出や、それを対象とした発掘調査、及び古代マヤ一般層の人々の生活の実態の解明は今後の古代マヤ考古学研究における要検討事項なのです。


そのため今後、このクイズの答えが変わる余地は多分にあります。

でもそれが考古学の面白さのひとつではないでしょうか?ヾ(´ω`=´ω`)ノ

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2020ねん 5がつ 6にち(すいよーび、曇り時々雨)

なかなか痩せないぜ( ・Д・)


・・・・・・・・・・・・・・・



今日の考古学・歴史ニュースは、「コロナの影響もあって、考古学のデジタルによる普及・広報活動が活発化してるよ」ってお話です(*・ω・)ノ


まぁ当サイトも考古学の情報提供の場としての役割があるとは思ってますが、今回紹介するのは博物館や各の地方埋蔵文化財センターなどが行っている活動です(*・ω・)ノ

海外では、もうかれこれ20年前くらいから考古学へのデジタルアーカイブ化と普及が叫ばれていて、前に紹介した大英博物館の例もその内のひとつですね。



↑スマホ対応です(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!



もちろん日本でもアメリカを追随するかの如く、デジタルアーカイブ化が叫ばれてました。


しかし結局その時は流行として助成金獲っていただけでずっと継続している人とか本当に何かしらに役立てている研究者は知らないですね。


もちろん博物館展示とか単発的に終わるべきテーマの方々もいるでしょうけどね。


まぁ何はともあれ研究としてはデジタルとの付き合い方を今後も考えていく必要がある一方で、博物館などの広報をメインとした業種の方にとっては新しい技術をどんどん取り入れていって欲しいなと一考古学ファンとして期待するとことであります( -д-)ノ



arukemaya858
↑「かそりーぬ」でいっぱいカワ(・∀・)イイ!!(「加曾利貝塚博物館」のHPより転載)



加曾利貝塚博物館の「館長の考古学日記」が面白い


最初に紹介するのは、千葉市加曾利貝塚博物館の公式HPです。


上に挙げたように、「かそりーぬ」というキャラが可愛いですし、HP中に溢れています。


当該HPには上のキャプションをクリックすればトップページに飛びますので、是非!


さて、HP上部のタグにある「調査研究」も面白いですけど、やはり一番おススメしたいのは『館長の考古学日記』です!ヾ(´ω`=´ω`)ノ


上部タブの『総合案内』を選択するとその中に「館長の考古学日記」がありますので是非ご覧ください。


↓あるいはここから(直リンク)



どうやらコロナ禍を契機に始めたわけではないようですが、2019年末に開始し、本記事を書いている5月初頭現在まで精力的に更新されているようです。


内容としては、とても分かりやすい例えで考古学研究とはいかなるものかを紹介していますよ(*・ω・)ノ




arukemaya859
↑先行公開した絵本など(「北國新聞」の記事内画像より転載)


小松市埋蔵文化財センターのはにわが可愛い!


次に消化するのは石川県、小松市埋蔵文化財センターの活動です。


当館はコロナ禍と緊急事態宣言の延長を受けて5月末まで閉館することを決定したそうです。


そのため市内の遺跡や出土品、古代の歴史を紹介するホームページを開設し、外出を自粛している親子が家庭で楽しく学べる内容を発信し、考古学への関心を高めようと試みています。




矢田野エジリ古墳から出土した埴輪や代表的な遺跡を記した歴史年表が掲載されていて、綺麗ですし、面白いなと思います。

特に、個人的には弥生時代のつぼや、古墳から出土した兜をモデルにしたペーパークラフトがいいかなと(*・ω・)ノ

 

また北陸を代表する弥生時代中期の遺跡・八日市地方(じかた)遺跡を題材とした絵本「白いお米とミドリの玉」を現在製作中でその内容を先行公開しています。


実際に出土した資料と解釈を基に、碧玉(へきぎょく)を加工して作った装飾品「管玉(くだたま)」が出土した同遺跡にまつわる物語を紹介する内容となっています。


序盤は絵本なので子供に読みやすく書かれていますし、一方で後半部は遺跡調査の現地説明会用資料のようになっており、大人も十分楽しめますよ!


この絵本を読んで育った子供が、少し大きくなってから読み返すと考古学の面白さに気付くかもしれませんね(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!




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↑いろんな土偶の頭(「平出博物館」のHPより転載)



小学生向けだが縄文時代が良く分かる!


最後に、長野県塩尻市、平出博物館の活動です。


当館も新型コロナウィルスの影響で休館措置を講じています。


そうした中、「チャレンジ子供ミュージアム2020・子供ネットミュージアム」が開設されました。




内容はこのような感じです。


内容は小学生向けとなっていますし、サイトは本当に手作り感満載です。


でも、国内外の有名な大規模博物館が最新のデジタル技術でどうこうやるのも好きですけど、こうした地方博物館の地道な努力もいいなと思います。


いかにも手作りなのだけれど、休館を決めてから僅かな期間で準備したのですから凄いものだと思うのです(*・ω・)ノ



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↑私も頑張ります( ・Д・)(「note 頑張れない君へ」の記事内画像より転載)



おわりに


今回、いつもとは違って、小さいところの活動ばかり紹介しましたが、どこも大変な中頑張ってるなと感じました。

サイトの出来には差はありますけども、是非今回の成果を土台にして、ネット上における考古学成果の広報活動を推し進めて欲しいなと思います。

考古学が好きになれば、結局、遅かれ早かれ直接モノを見に行きますよ。

写真で満足することないですからね、だから出し惜しみしないでもらいたい!( -д-)ノ

考古学者の立場としても、所蔵品の簡易写真を含んだデジタルリスト化と公表を行ってもらえれば資料集成も楽になりますしね。

考古学徒や研究者が町を訪れればそれなりの観光収入にもなるかも知れませんし(我々お金ないけど( ・Д・))、是非頑張って欲しいなと思います。

普通は各自のデータはしまい込んでしまうものですが、私も海外での資料集成成果はデジタル化して公表しようかな~?

皆さん、マヤ土器デジタルミュージアムに興味ありますか?ヾ(´ω`=´ω`)ノ

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