あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

    お金にならない考古学をお金にしよう╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! 考古学・歴史ニュースの決定版╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

    2025年10月

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    2025ねん 10がつ 30にち(もくよーび、はれ)

    なんかよくわからんががんばる!( ・Д・)

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    ↑数理的なイメージ!?( ・Д・)




    今回は「文化変化のダイナミクスを解読してみた!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ

    *最後にコメントがあるよ!(*^・ェ・)ノ



    Kunst & Mesoudi(2024)「Decoding the Dynamics of Cultural Change」の要約と解釈


    はじめに

    この論文は、異文化接触・文化同化(acculturation)という心理社会学的なテーマを、「文化進化(cultural evolution)」の枠組みから再検討したものです。著者らは、少数者(マイノリティ)と多数者(マジョリティ)という集団間の文化的影響・変化プロセスを、社会的学習・伝達バイアス・群集‐集団効果という進化理論的メカニズムを用いてモデル化可能と考えています。 


    論文が掲載されたのは Personality and Social Psychology Review(2024年)であり、アクセル・メソウディ(Alex Mesoudi)らによる文化進化研究の流れを、心理学・社会学側に接続する意図があります。 



    理論的背景

    文化同化(Acculturation)とその限界

    まず著者らは、従来の文化同化研究(心理学・社会学領域)について、「同化とは少数集団が多数集団の文化を取り入れるプロセス」などの定型モデルが主流であったが、進展が停滞していると指摘します。特に、「マジョリティ集団側の文化変化(多数集団の変化)をほとんど扱ってこなかった」「伝達メカニズムを形式モデルとして明示していない」という限界があります。 


    そこで著者らは、文化進化理論の基本構成(変異・伝達・選択)および社会的学習バイアス(コンフォーミティ、プレステージバイアスなど)を動員して、「どのような条件で多数/少数の文化要素が共有・変容・保持されるか」をモデル化しようとしています。



    文化進化的メカニズムの導入

    具体的には、次のような伝達・選択バイアスを検討しています:

    • コノミティバイアス(conformity bias)=多数派模倣傾向。

    • アンチ-コノミティバイアス(anti-conformity bias)=少数派模倣傾向。

    • プレステージバイアス(prestige bias)=高地位・有名人の文化模倣。

    • ペイオフバイアス(payoff bias)=成功・報酬のある文化特性模倣。

    • 垂直伝達(vertical transmission)=親から子への文化継承。

    これらのメカニズムが「少数集団/多数集団のメンバーがなぜ、どのように文化を取り入れ・維持し・変化させるか」という問いへの説明力を持つと著者らは論じます。さらに、これらが「個体レベルの学習戦略」から「集団レベルの文化的均衡(cultural evolutionary equilibria)」を生み、その均衡が長期的な文化多様性・文化変化に影響を及ぼすという枠組みを提示しています。




    モデル化と分析枠組み

    戦略‐構造‐均衡の三段階

    論文では、モデル化の流れとして次のように整理されています:

    1. 学習戦略の構成:個人や集団が取る文化対応戦略(例:自文化保持+他文化採用、他文化拒否、単独同化など)を定義。

    2. 戦略が集団レベルに展開される構造:複数の個体がそれぞれの戦略を持ち、相互作用・模倣・伝達を通じて文化的特徴が集団に拡散。

    3. 集団文化の長期的均衡(equilibria):戦略と構造の相互作用の結果として、文化特性の分布・多様性・変化速度が安定または変動の状態に落ち着く。

    この三段構成によって、著者らは単なる記述的な文化同化モデルを越えて「数理モデル的枠組み」の提供を目指しています。



    要因・変数の提示

    モデル化にあたって考慮される主な変数・条件には以下があります:

    • 個人属性(年齢、社会的地位、移民経験など)

    • 集団属性(少数/多数の比率、社会的構造、文化的接触頻度)

    • 伝達条件(模倣傾向、学習バイアス、接触ネットワーク)

    • 制度・社会構造(教育制度、言語政策、居住空間構造)

    • 長期的パラメータ(文化的多様性維持、文化的累積変化)

    著者らはこれら変数が相互に作用し、たとえば多数派‐少数派の比率が学習バイアスを変える、模倣確率が文化均衡の安定性に影響する、という仮説を提示しています。




    主な発見・含意

    少数者の影響力と多数者の変化

    一つの重要な含意は、「少数集団メンバーが単に受け入れ側になるだけではない」という点です。著者らは、少数者がプレステージあるモデルになったり、革新文化を提供したりすることで、多数集団に対して影響力を持つ可能性を示しています。これを、「文化進化的均衡」の観点から説明します。

    モデル化の視点から見た接触・同化戦略

    また、異文化接触に関して「単に同化・融合される/されない」の二者択一ではなく、多様な戦略が存在し、それぞれがどのような条件下で選ばれるかを説明可能としています。例えば、「模倣バイアスが強く、接触頻度が高く、少数/多数の比率がある水準を超える場合には、少数者文化の採用が起こりやすい」などの仮説が立てられています。



    長期的文化変化と累積的影響

    モデル化の枠組みを通じて、個別接触/模倣プロセスが累積して「社会全体の文化構造」を変える動きへと繋がるという視点が提示されています。つまり、マクロでの文化拡散・接触効果を説明しうる「進化的ダイナミクス」が描かれています。


    分野横断(心理学/文化進化/社会学)という性格上、数理モデルの提示・図示・仮説検証の枠組み提供に重点が置かれており、考古学的遺物データ/マクロ時空データへの直接適用例は少ないものの、「伝達・接触・変化プロセス」に対する理論的基盤として優れています。






    あるけまや流コメント


    今回も新しい論文を選んでみました。ざっと示すと今回のKunst & Mesoudi(2024)は、文化同化を「学習・模倣・伝達」という文化進化の視点から再考し、少数・多数グループ間の相互作用とその長期的文化構造への影響をモデル化可能と示しました。面白い研究ではあるけれど、論文中にフローチャートがたくさん出てくる一方で実際のデータに沿った話がほとんどないんですよね。

    まぁ心理学・社会学が主な分野横断なのだろうか。文化進化といっても考古学領域ではなく、もっと新しい時期を扱う人類学を想定しているのかも知れませんね。一応「あるけまや」ブログで最近はじめたこの『数理考古学研究紹介』ですけれど、今回の事例のように「考古学」とは限らないんですよね。より広く、「文化」に関わる数理研究の紹介だと思って頂けたらなと思います。

    でもこうして広く「人文科学」の範疇に数理手法を持ち込んだ研究がたくさんあって嬉しいです。私の論文で研究史として取り上げるかどうかはさておき、世界は広いな~と思いますヾ(´ω`=´ω`)ノ












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    2025ねん 10がつ 30にち(もくよーび、晴れ)

    やばい10月終わる、書類提出しなきゃ!( ・Д・)

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    arukemaya_y283
    ↑今回の支石墓!( ・Д・)




    今回の考古学・歴史ニュースはやぱ立派なお墓はいつでもどこでもこーゆー感じ!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ



    📰はじめに

    こんにちは、みなさん。今回は「あるけまや」風に長めの、ちょっとワクワク感も入れた導入でお届けします。舞台は南スペイン・アンダルシア地方、そこに眠っていたのは 約5,000年の時を経た巨大支石墓(ドルメン)――しかも「宝物で埋め尽くされていた」ものです。古代人がどれほどの力や技術、そして交流を持っていたかを物語る驚異の発見。読み進めば、遺跡・技術・交易・人々の信仰といったさまざまな要素が絡み合い、まるでタイムトラベルしたかのような気分にさせてくれます。では、この発見がどう「歴史観」に揺さぶりをかけるのか、一緒に掘っていきましょう。




    🗿 発見現場:アンダルシア、テバ近郊の巨大ドールメン

    スペイン南部、マラガ県テバ(Teba)近郊の埋葬地「ラ・レンテフエラ(La Lentejuela)ネクロポリス」にて、 University of Cádiz(カディス大学)などの考古学チームが、長さ約13 メートル(43フィート)におよぶ石造墓を発見しました。


    壁面には高さ約2メートルの巨石(立石・オルソスタット)が使用され、上部には水平の石板がかぶせられ、その上に人為的な墳丘(砂と小石)も確認されています。この構造から、単なる墓というだけでなく「集団的埋葬」「儀礼空間」「長距離交流拠点」といった複数の意味を持つ施設であった可能性が高いと研究者らは述べています。




    arukemaya_y284

    ↑これもスペインの事例、ドルメンの傍の!( ・Д・)



    💎 “財宝”とは何か?遺物が語る往時の交流と象徴

    このドルメンの真骨頂は、その「中身」です。出土されたのは単なる遺骨だけではありません:

    • 象牙・琥珀・貝殻といった、内陸部としては“遠方産”の素材。

    • 矢じりや大型ナイフ、さらには「ハルバード(長柄斧槍状武器)」とみられる石器。

      このような遺物群は、「この地域が孤立していたわけではない」=遠方との交易・交流が存在したことを明確に示しています。さらに、「貝殻が内陸地で見つかった」という一文からは、「海産物もステータスとして交換されていた」ことが読み取れます。つまり、たかだか墓ではなく、当時の社会の“姿”と“動き”が刻まれた物質世界そのものと言ってよいのです。



    🔧 技術・構築・保存:巨石構造が示すスケール感

    この施設が示すもうひとつの魅力は、建築技術と保存状態にあります。巨大な石を立て、屋根石を据え、さらにその上を墳丘で覆うという構成は、5,000年前の段階においても高度な社会的統制と技術計画を想起させます。


    また、保存状態が極めて良好であることも注目されており、「アンダルシア地方でも屈指の保存性を誇るメガリス墓」という評価が出ています。このことは「この墓を壊す・盗掘するよりも、維持し運用したいと考えられていた」あるいは「長期にわたる共同体の尊重」などを示唆しており、祭祀・墓制・記憶保存の観点からも非常に価値ある発見です。





    🌍 広い視野で捉える:ヨーロッパ先史・交易・共同体の輪

    この発見を「スペインだけの話」として終わらせてしまうのは惜しい。むしろ、ヨーロッパ先史時代における「巨大墓+交易+共同体」のダイナミクスを捉える窓として、非常に鮮やかなものです。


    たとえば:

    • ドルメン構造はイギリス、フランス、ポルトガルなど西ヨーロッパ各地で確認されており、死亡・埋葬・儀礼という共通項を持ちます。

    • 出土素材の非地元産性(象牙・琥珀・貝殻)から、「遠方との交易路」が存在したことは先史時代の共同体が思った以上に開かれていたことを示します。

      このように、この墓は「地域の話」ではなく、「欧州先史社会の一角」であり、「地域から広域へ、局所から国際へ」という流れを体現しているのです。


    🤔 問いかけ:何を、どのように学ぶか?

    さて、このような発見を前にして、私たちはどんな問いを立てるべきでしょうか?

    • このような巨大墓を建設・維持できた共同体とは、どれほどの組織力・資源・交易網を有していたのか?

    • 宝物・財物を伴う埋葬とは、「個人の富」「共同体の象徴」「交易ネットワークのステータス」どれを主としていたのか?

    • また、このような集団埋葬施設が、後の時代・国家・宗教にどのような影響を与えていったのか?

      今回の発見は、考古学の資料を通じて過去を“なぞる”だけではありません。むしろ、われわれ自身の「社会・記憶・物質文明」を問い直す契機にもなるのです。



    arukemaya_y282
    ↑ドルメンも土で覆われたらもう古墳でない?( ・Д・)



    おわりに

    ほんとこうして毎日記事書いてると、世界中で新しい発見があるわけです。つまるところ毎日発掘が行われているわけです。つまり毎日データが溜まっていく一方で、毎日新たにデータを得ることのできる良好な現場が失われているわけです。

    そろそろ考古学者は「何かすごいものを発見すればいい」っていう調査をやめて、既に膨大に蓄積されているデータを用いて研究を行った方がいいと思う。でも他人のデータはとても使いにくいもの、新たに掘りたい気持ちも分かる。だからこそ世界的に、全人類史的に、『統一的な発掘調査方法、統一的な報告書のフォーマット、統一的な分析研究方法の確立』が重要なのだと思います( -д-)ノ



    何はともあれ、、、

    墓のデータ最高!( ・Д・)







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    cab
    ↑私はあまり蜂蜜食べる習慣ないけど身体に良いらしいね!( ・Д・) 



    今日のマヤ語・スペイン語

    cabʼ(カブ) は「蜜」や「蜂」を意味し、マヤでは聖なる蜂メルポーナ(Melipona)が養われていました。

    神聖な蜂蜜は儀礼にも使われ、再生と恵みの象徴です。

    スペイン語の miel(ミエル) と同じく、甘さの中に祈りがあります。



    カブ T713_a

    ↑大事な物のせいか、大地とか世界と同音異義語らしい、なので蜂を描いてみた!( ・Д・)







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    2025ねん 10がつ 29にち(すいよーび、はれ)

    めちゃ鼻水出る!( ・Д・)

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    GPU
    ↑数理的なイメージ!?( ・Д・)




    今回は「文化進化を生物進化として捉えてみた!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ

    *最後にコメントがあるよ!(*^・ェ・)ノ



    『Statistical modelling in archaeology: some recent trends and future perspective』(Enrico R. Crema 2025年)の要約と解釈

    📄 概要

    Crema の論文は、考古学における統計モデリング(statistical modelling)がここ十数年でどのように進化してきたかをレビューし、特に以下の三つの技法に焦点を当てています:

    1. 多層モデル(multilevel models)

    2. 欠測データ・測定誤差への統計的対応(missing data & measurement error)

    3. シミュレーション‐ベースの推論(generative inference)

      論文はこれらの技法が、(a) 考古記録の入れ子・階層構造(nested/hierarchical data)を扱う、(b) データ不確実性を積極的に組込み、(c) 形式理論と観察データとの推論的リンクを構築する、という点で有効であると論じています。

      ただし、現時点で「これらの技法が考古学の定型分析ツールとして定着している」とは言えず、むしろ普及途上であると指摘しています。



    🧮 各技法とその意義

    1. 多層モデル(Multilevel Models)

    • 考古学データでは、遺跡‐層‐測定という入れ子構造、あるいは地域‐遺跡‐個体という階層構造が頻繁に現れます。Crema は、従来の単純回帰モデルではこれらの構造を無視しがちであり、多層モデルを使うことで「群間変異(between-group variation)」および「群内変異(within-group variation)」を同時に捉えられると述べます。

    • たとえば、ある墓葬の副葬品量が「富裕度」という指標を通じて食料資源・人口規模・時期・地域という階層変数の影響を受ける場合、遺跡ごと・時代ごとに異なる傾き (slope) や切片 (intercept) を許す多層モデルを設定できます。これにより「一般的な関係性」と「遺跡特有の異質性」の両方を把握できます。

    • Crema はこの手法が「サンプルの偏り(sampling imbalance)」や「グループ構造の無視」によるバイアスを軽減する点で特に優れているとし、考古学においてクロスサイト・広域比較を行う際にはむしろ「標準ツール化すべき」だと提言しています。


    2. 欠測データおよび測定誤差への対応

    • 考古学的観察データは、「欠落(たとえば破片の欠如)」「測定誤差(年代測定誤差、層位不確定性など)」が常につきまといます。Crema は、これらを無視することこそが誤った推論を招くと指摘します。

    • 特に「測定誤差を内部モデルに組み込む(error-in-variable models, Bayesian EIV など)」モデル化が進展していることを紹介しています。例えば年代モデル(14Cデータ)において、測定誤差を明示的にモデル化することで「観察値だけをそのまま用いる」よりも推定精度が改善されると述べられています。

    • また欠測データへの対応として、データ補完(imputation)やモデルによる再重み付け(weighting)を用いながら、「不確実性」を可視化・モデル化する必要性が論じられています。


    3. シミュレーションベースの推論(Generative Inference/Simulation-Based Inference)

    • Crema は、観察データを記述・相関づけるだけではなく、モデルを使って「もしこうだったらどうなるか(What-If)」をシミュレーションし、観察データとの比較を通じて理論を検証するアプローチが増えていると述べています。

    • 具体例として、文化的変化・技術伝播・人口拡散などをモデル化し、シミュレーション結果を観察データと比較することで、モデルの仮定(初期条件、伝播率、交流率など)を検証する試みが紹介されています。

    • ただし、Crema はこの技法の限界も慎重に論じています:例えば「多数のシミュレーション実行が必要」「初期条件やモデル構成の主観性」「観察データの生成過程をモデル化できない場合の限界」など。



    🔍 本論文が提示する課題と将来展望

    • 考古学で統計モデル・数理技法を適用する際の教育・方法論的なギャップを指摘しています。たとえば、多くの考古学プログラムでは統計・モデリング教育が選択的であり、定型化されていないという課題。

    • また、データ共有・オープンサイエンス化(コード公開・データ公開)が進むことで、より複雑な手法を導入しやすい環境が整いつつある点を強調しています。

    • 将来方向として、Crema は「多階層・複合構造モデル」「不確実性の形式化」「モデルと観察を結ぶシミュレーション手法」の三つをキーフォーカスに挙げています。これらは、考古学・数理考古学の次世代潮流を形作るものです。

    • その一方で、モデルが誤用されたり、データの前提を無視したまま高級手法だけが導入される危険性も併せて警告しています。統計手法の導入は、単純な「装置化」ではなく、データ・仮定・モデル構造を慎重に検討する必要があります。



     

    ✏️ まとめ

    Crema によるこのレビュー論文は、考古学・数理考古学における手法的革新の最前線を整理したものです。特に、

    • 多層モデルで階層構造を捉えること、

    • 欠測・測定誤差を明示的に扱うこと、

    • 観察データを超えて理論/モデルから生成されるデータを扱うこと
      の三つが、現在進行形の潮流として浮上しています。





    あるけまや流コメント


    今回は最新研究の紹介になっていて、私も参考にすべき内容が盛り沢山なのですが、まぁ内容が難しい。内容というか実践する場合の難しさかな。

    例えば多層モデル。元々マヤ研究としてマヤ地域内の遺跡サイズを降順に並べると冪乗則に従うというものがある。これは都市の順位・規模法則を参考にした研究なんだよね。で、冪関数はスケール不変性があるので社会サイズの違いを無視して構造性が保たれると私は思っていて、じゃあ冪関数使ってもっとミクロに1遺跡内の建造物サイズを対象にしようぜって思ったわけです。

    そこで更に経済学におけるローレンツカーブとジニ係数を用いた研究がなされて、そこでは建造物サイズが経済指標となると仮定して分析が行われたんだ。私の物質文化マクロ生態学は順位・規模法則とローレンツカーブの研究を応用して、1遺跡内の各建造物グループに対する単位体積当たりの遺物の種別と多寡をデータにして、『財の社会不均衡分布の変遷』として物質文化史を描くというものなんだよね。


    だから多層モデルは理論として内包しているんだけれど、発掘データの取得に時間を要するのでまだまだそういう段階にないな~と思う。古い旧調査の報告書を使う必要性もあるのだけれど、そこではクレーマが言うようなデータの欠損や不確実性の問題もあるし、重み付けもやってかにゃならんし、その辺の実装が大変だな~と思います。

    クレーマが言ってることはとても有用だと思うのでまた繰り返し読んでみるかな、もう少し真剣に!( ・Д・) ってかやぱ日本と違って、海外はこういう議論も活発で数理考古学が進んでるよね! どう? 2025年だから最新の数理考古学の抱える諸問題が少し明らかになったかな~って思います(*^・ェ・)ノ












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    2025ねん 10がつ 29にち(すいよーび、晴れ)

    もう10月も終わる、急ぎ論文かかにゃ!( ・Д・)

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    arukemaya_y280
    ↑シリコン製の鋳型だってさ!( ・Д・)




    今回の考古学・歴史ニュースは「そりゃあめんどいからまとめて作るよね!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ



    📰はじめに

    こんにちは。久々に日本の話題を取り上げます。今回のテーマは、福岡県春日市に所在する「奴国(なこく)」の王都とされる須玖遺跡群で出土された、なんと一度に3面の青銅鏡を鋳造できる石製鋳型――弥生時代後期(約2000年前)の新たな技術展開を示すこの発見は、鏡という「象徴性ある器物」の生産変化を浮かび上がらせます。


    「鏡」というと、貴人の副葬品や儀礼用具として私たちはまず「一点もの」的印象を抱きます。しかし、ここで出たのは“量産するための石板=鋳型”。これは、鏡の利用や流通、あるいは社会階層・交易・技術の変化を示す可能性を孕んでいます。さあ、鏡の向こう側にある、弥生後期の物質文化の動きを覗いてみましょう。




    🏺 発見:一度に3面鋳造可能な石製鋳型

    福岡県春日市、須玖遺跡群より報告された発見では、石製の鋳型(直方体形・約9cm四方・厚さ約4cm)が出土。片面には直径4 cmほどの鏡型が3面彫られ、溶融金属を流し込む湯口とそれらを連結する溝が確認されています。 


    この鋳型は弥生時代後期とみられており、石材で鏡を同時に複数製造できる構造という点で、全国的にも「鏡量産の証拠」として初めてのものとされています。 


    銅鏡製造というと個別・儀礼的というイメージが強かっただけに、「同時に複数」=“生産ライン的”という発想がここに出てきたことは、弥生後期の社会・技術観を刷新するものです。



    arukemaya_y278

    ↑見つかったのコレ!( ・Д・)



    ⚙️ 技術・社会背景:なぜ“鏡量産”だったのか?

    鋳型の発見は技術側面だけでなく、社会・流通・象徴という広い視野を提示します。

    • 鏡は当時、豪族・王の権力象徴・儀礼用具として重視されており、量の確保・流通の拡大が進んだ可能性があります。

    • 奴国の王都とされるこの地だからこそ、「対外交渉」「権威誇示」「流通拠点」という三位一体の機能があったと推測できます。

    • 鋳型が石製という点も興味深く、金属鋳型ではなく石で複数面を彫るという技術選択は、維持・再利用・コスト面などを考慮したローカル・プロダクションの工夫を示唆します。

      このように、「量産」という言葉が示すのは単なる数の問題ではなく、鏡という物の持つ意味・流通・社会階層・技術ネットワークが変化した可能性を含んでいます。




    🌏 広域視点:弥生後期鏡・量産化のグローバル文脈

    この発見を春日市というローカル遺跡だけで終わらせるのはもったいない。鏡量産化というテーマを広域的視点でも捉えてみましょう。

    • 日本列島では、弥生時代後期~古墳時代初期にかけて、銅鏡の量・分配・副葬化が顕著に増加しています。これは社会階層化・王権形成・広域交流の現れとされます。

    • 同時代の東アジア大陸でも、鏡の鋳造や流通が進展しており、鏡生産の“地域的プロダクション”化という潮流があったと考えられています。

      このように、春日市の鋳型出土は、国内史だけでなく東アジアの金属器生産・流通史ともリンクする発見であり、鏡という器物の意味が「一点豪華」から「量と流通」にシフトしつつあった転換点と捉えられるのです。


    arukemaya_y281
    ↑こんな風に作れちゃうようだ!( ・Д・)


    🧱 考古学的インパクト:何が変わるのか?

    この新発見が持つ意味を、少し整理します。

    • 鏡一個ではなく「複数同時鋳造」という設計思想があった痕跡=鏡の“在庫化・流通化”可能性。

    • 鋳型が出土したという事実により、鏡は単なる権威象徴ではなく、日常的・準儀礼的な物質としても位置づけられ始めていた。

    • 遺跡の立地(王都である可能性)と量産用鋳型という構造から、「国家的・部族的プロダクション拠点」の可能性も考えられる。

      この発見によって、弥生後期が「鏡のあり方を変えた時代」、技術・社会・象徴が交錯するターニングポイントとして再評価される可能性が大きままっています。




    おわりに


    3年前くらいかな、私のティカルにおける財の社会不均衡分布に関する数理モデルを日本研究に応用しようと思って、まずは古墳時代か!と思った時にやはりまず銅鏡のデータから取り始めたのを覚えています。でも私にとっては出土数とか数値さえあればそれで良いので全然鏡について知らないんですよね( -д-)ノ

    で、舶載鏡(中国産)と仿製鏡(国産)があって、仿製鏡の方がサイズがかなりデカいってデータがあったので、「今でいうマウント取るための装置」だからデカい方が目立っていいかぁ、古墳もデカいしね!とか思ってたんですけど、今回発見された銅鏡は全部ちっこいですね。直径10cmくらいだもんね。


    そういう小さい鏡とか、銅鏡模したチョコレートとかって博物館がやってる体験講座用だと思ってたけれど、実際小さいのあるんですね。もう手鏡じゃん!って思いましたダイソーとか100均で売って欲しい!まぁミュージアムショップでは売ってるのか・・・





    ん、何か・・・

    鏡欲しくなってきた!( ・Д・)







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    nikte
    ↑グアテマラの国花、モンハ・ブランカ!( ・Д・) 



    今日のマヤ語・スペイン語

    🗓️ Day 18:🌺 花 — nikteʼ(マヤ語)/flor(スペイン語)

    nikteʼ(ニクテʼ) は「花」、または生命のはかなさを象徴する言葉。


    儀礼や供物、愛の表現にも用いられ、神々への捧げ物として重視されました。


    スペイン語の flor(フロール) と同じく、美と祈りの象徴です。






    ニクテ T757v_a

    ↑ヒトの顔みたいに見えるね!( ・Д・)







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    2025ねん 10がつ 28にち(かよーび、はれ)

    さて、生まれ変わったかのように頑張るか!(・∀・)つ

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    pict-physics
    ↑数理的なイメージ!?( ・Д・)




    今回は「文化進化を生物進化として捉えてみた!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ

    *最後にコメントがあるよ!(*^・ェ・)ノ



    文化と進化のプロセス:ボイド&リチャーソンによる文化進化理論の確立


    📰はじめに

    1985年、ロバート・ボイド(Robert Boyd)とピーター・J・リチャーソン(Peter J. Richerson)は、シカゴ大学出版局から『Culture and the Evolutionary Process』を刊行した。この書は、文化を「遺伝的進化とは異なるが、それと同等に進化的メカニズムで説明できる体系」として数理的に捉えた初の総合的理論書であり、今日の文化進化論・文化遺伝学・数理社会科学の出発点とされる。


    1. 書籍の背景

    1970年代の生物学では、進化を遺伝子レベルで説明する「総合説(the Modern Synthesis)」が支配的だった。これに対し、ボイドとリチャーソンは「文化もまた進化的プロセスを持つ」という立場から、文化的特徴(行動・技術・信念・規範)がどのように伝わり、変異し、淘汰されるかを分析する新しい枠組みを提示した。彼らのアプローチはダーウィン主義を文化に応用した単純な比喩ではなく、個体間の模倣・学習・社会的伝達を明示的な確率過程として数理的に定式化することに特徴がある。



    2. 理論の枠組み

    (1) 文化伝達の3モード

    ボイドとリチャーソンは、人間社会における文化情報の伝達を3つのモードに整理する。

    1. 垂直伝達(Vertical Transmission):親から子への文化的継承(例:言語・信仰・価値観)。

    2. 水平伝達(Horizontal Transmission):同世代間の模倣や流行による拡散。

    3. 斜交伝達(Oblique Transmission):年長世代全体から若年層への学習(教育・制度など)。

    これらの伝達経路は、進化的プロセスにおける遺伝子伝達とは異なる動態を生み出す。たとえば、水平伝達が強い社会では流行的変化が加速し、垂直伝達が支配的な社会では文化が安定化する。




    (2) 変異と淘汰のプロセス

    文化は模倣の誤差・創造的改変・社会的学習バイアスなどを通じて変異を生じる。

    代表的な「文化的選択バイアス(cultural selection biases)」として、彼らは以下を挙げた:

    • 内容バイアス(content bias):内容が魅力的・理解しやすいものが残る。

    • 頻度依存バイアス(frequency-dependent bias):多くの人が採用している行動が模倣されやすい。

    • 権威バイアス(prestige bias):成功者・高地位者の行動が模倣される。

    こうしたメカニズムを通じて、文化的特徴は自然選択とは異なる「社会的淘汰圧」によって進化する。




    (3) 数理モデルによる表現

    ボイドとリチャーソンの最大の革新は、これらのプロセスを確率過程・差分方程式・マルコフ連鎖として表現した点にある。文化変化を「個体群における文化的型(trait)の頻度変化」として定式化し、遺伝的進化モデル(Fisher、Wright、Maynard Smith)と同様の数学的枠組みを文化に適用した。


    これにより、文化の安定状態・多様性維持・進化速度などが解析可能となった。彼らのモデルは、その後の進化文化学・社会学的モデリング・模倣ダイナミクス研究(Cavalli-Sforza & Feldman, 1981 など)と共に、文化進化を定量的に扱う基礎を築いた。




    3. 主な知見と含意

    ボイドとリチャーソンは、文化を「生物進化の単なる副産物」ではなく、「独立した進化システム(an autonomous evolutionary system)」として扱うべきだと結論づけた。


    彼らによれば、文化は以下の特性を持つ:

    • 遺伝的進化よりも変化速度が速い(数世代以内に変化が拡散)。

    • 模倣の誤差選択的学習によって新奇性が生まれる。

    • 環境変化への適応を迅速に行う柔軟性がある。

    • 社会構造・制度・規範を通じて集団単位の淘汰が発生しうる。

    このようにして、文化は遺伝的進化とは異なるメカニズムで人類史を方向づける動因として位置づけられた。




    4. 学問的影響

    『Culture and the Evolutionary Process』は、以下の諸分野に持続的な影響を与えた。

    • 文化進化論・進化文化学:Henrich, Mesoudi, Boyd (続著)らが理論を発展。

    • 考古学・文化人類学:文化的変異・拡散を進化的モデルで説明する試み。

    • 経済学・社会シミュレーション:模倣・規範ダイナミクス・社会学的学習モデルの理論基盤。

    • 心理学・行動科学:社会的学習理論と結合し、ヒト特有の文化進化能力を説明。

    この書は「社会における文化伝達の方程式」を提示した初めての体系的試論として、現代の文化進化研究の出発点である。





    あるけまや流コメント


    今回紹介したのは書籍なんですよね。で、重要な論文ではあるんですが、長くて全部読めてない( -д-)ノ 使ってる数式も難しいしね。そしてやっぱり数理考古学は考古学者がやらんとダメだと思う。応用数学や物理学出身の研究者はすでにある理論をそのまま使おうとするから、大体の研究って「拡散」の話になると思うんだよね。だから彼らの研究って大体石器や土器の拡散ばかりじゃない?そんな気がする。気のせいかな?

    でも本当にこの研究は面白いと思う。私の物質文化マクロ生態学はその名の通り、一社会の物質文化の在り方とその変化を「マクロ」な視点で捉えるものだけれど、この研究は個体間の情報伝達を扱っているので「ミクロ」な視点だと思う。つまり両者は補完的な関係にあるのかなと思う。

    しかしながらどう接続していいかまったく分からない。物理学でもミクロな世界を扱う量子力学では確率的な話になるよね。そしてこの研究でもミクロを扱って確率的な話になっている。物質文化マクロ生態学でもドリフトの属性は確率なのだけれど、もっと大雑把だから(笑) 物理学におけるマクロとミクロの研究と物質文化におけるマクロとミクロの研究の対比は面白いと思う。だけれど物理学において相対性理論と量子力学を繋げる統一理論の構築が困難であったように、物質文化におけるマクロ・ミクロの統一は困難になるんだろうなと思います。


    ま、今はその段階じゃないからいいか!( ・Д・)









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    2025ねん 10がつ 28にち(かよーび、晴れ)

    ごめん、心死んでた!( ・Д・)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    arukemaya_y277

    ↑ギザギザしてるけどどっから飲むの!?( ・Д・)




    今回の考古学・歴史ニュースはインディジョーンズの映画だとサルの頭が器になってるよね!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ



    📰はじめに


    こんにちは、「あるけまや」風の長め、キャッチーな導入をまじえてお届けします。今回は、私たちが通常「死者」「遺骨」「埋葬」と結びつけるものが、なんと「酒杯」や「碗」に“加工”されてきたという驚くべき考古学的発見を追います。

    「祖先の頭蓋骨をコップにしていた!」――一見ホラーめいたこのフレーズですが、実は世界中で、極めて古代から、儀礼・象徴・社会構造の文脈で実践されてきた可能性があるのです。なぜ人は、死者の頭骨を刳り抜き、器にしたのか? その“意味”を、欧州・アジア・先史時代から近代までの多様な事例を手がかりに探っていきましょう。




    🧠 頭蓋骨カップとは何か?考古学が示す人骨器の世界

    考古学的に「頭蓋骨カップ(skull-cup)」とは、頭蓋骨の上部(脳天部、calvaria)を切断・加工して、飲用または盛器として用いたものを指します。たとえば、英国・ Gough’s Cave(ソマセット州)からは、約 14,700 年前の直接年代測定を受けた頭蓋骨カップの例が報告されています。


    また、スペイン南部の洞窟では「飲用器とみられる頭骨加工」が確認され、研究者は「スカルカップは儀礼的・象徴的用途を持っていた可能性が高い」としています。 さらに、アジア・中国の湖成文化(Liangzhu culture)期でも、頭蓋をカップやマスクに加工した明確な事例が報告されました。


    このように、「祖先または人骨を器として用いる文化」は、地域・時代を超えて複数確認されており、単なる“零細な奇習”ではなく、人類史の深層に埋まった象徴行為である可能性が高まっています。





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    ↑これイギリスの事例!( ・Д・)




    🌍 世界各地の事例:英国から中国までの“頭骨器”

    🇬🇧 英国:Gough’s Cave の15,000年前のカップ

    英国ソマセット州のGough’s Caveからは、成人・子どもの頭蓋骨複数が、肉除去・皮剥離・頭頂部の水平切断・縁の整形という加工を受け、明らかに「器として用いるための頭骨」という特徴を有しています。研究者はこの加工を「熟練の後期旧石器時代技術によるもの」と述べています。

    🇪🇸 スペイン:洞窟内の頭蓋器と骨改変

    スペイン・アンダルシアの洞窟(Cueva de los Mármoles)では、頭蓋骨を飲用器に加工したと思われるカップや、長骨を工具に転用した事例が報じられています。改変痕や軟組織除去跡が明確で、「死者の肉体が“素材”として再利用された」という意味深な意図が推測されています。

    🇨🇳 中国:5,000年前の骨加工文化への衝撃

    中国・南部の湖成文化期遺跡(約 3000〜2500 BC)からは、頭骨を杯や仮面として加工した大量の個体が発見され、「死者の骨を雑材的に加工・廃棄」していたと考えられています。この発見は、「頭骨器=単なる戦利品」ではなく、「骨を再加工して社会的・象徴的に機能させていた」可能性を示唆しています。

    これらの事例を比較すると、地域ごとに用途・意味合いは異なれど、「死-生」「個体-共同体」「素材-象徴」という対立軸が共通項として浮かび上がってきます。






    🧬 なぜ、祖先の頭骨をコップに?機能・意味・動機を探る

    このような“頭蓋骨をコップにする”行為には、いくつかの解釈が提示されています。

    • 儀礼的・亡霊・祖先崇拝的機能:例えば、改変された頭骨が共同体の“先祖”に由来し、飲用杯として共有されることで、祖先とのコミュニケーションや血統・継承の象徴となった可能性があります。

    • 戦利・トロフィー機能:頭骨カップは、敵集団の頭を加工したもの、あるいは戦闘勝利・捕虜・犠牲者の身体が処理された証として用いられたというモデルがあり、特にステップ地帯・遊牧民文化で報告されています。

    • 死体資源の実用的再利用:骨の中髄液・骨髄・タンパク質を確保するため、死者人体を分解・加工する過程で副産物として頭蓋骨が器に転用された、という“実用主義的”解釈もあります。特に旧石器時代の事例で骨髄抽出痕跡が確認されています。 

      いずれにせよ、この行為は「死を終わらせる」だけではなく、「死者を別の用途に変換する」「共同体に残す」ための複雑な処理であり、個体と社会・身体と象徴の交錯点に位置しています。





    🔍 先祖と器:人骨器が投げかける文化的問い

    このテーマをめぐって私たちが見落としがちな問いがあります。

    • このような人骨加工の行為は「可哀そう」「怖い」と切って捨てられるべきか。それとも、むしろその社会の価値観や死生観を理解する鍵とすべきか?

    • 発見された頭骨カップを「墓から掘る」「展示する」「研究する」際に、生物倫理・尊厳・研究者責任とどう向き合うべきか?

    • また、先祖の頭蓋を器にするという行為が、現代の「遺骨保護」「人骨遺産」「先住民の死者戻し運動」などとどのように連続性・断絶性を持つのか?

      こうした問いは、ただ過去の“奇習”(あるいは“流儀”)を紹介するだけでは終わりません。むしろ、現代社会における「死者・遺骨・記憶・文化遺産」のあり方を省察する契機ともなります。



    おわりに


    まぁ「頭蓋骨をコップにしてた!」って聞くと驚きますけど、今回紹介したように特定の地域や時期に限定的な風習ではないんですよね。もちろん人類集団に普遍的に見られる風習でもないですけども。

    メキシコの「死者の日」の祭りは特にそうだけれど、頭蓋骨グッズは日常的にお土産として売ってます。その中には灰皿やコップもあります。最近は日本でもハロウィン文化が根付いたようですが、骸骨のモチーフが使われてても違和感ないし、頭蓋骨を模したコップやキャンディーの容器もあるよね。

    もちろん今回の事例はリアルに頭蓋骨を使用しているんだけれど、どれもとても古い時期のものだから、頭蓋骨を模した土器などを作るよりも、「直接本物使った方が早い!」ってだけな気がします( -д-)ノ 日本の事例ではないけれど、人類という広い目線で見れば遠い祖先の話なので、わざわざ外国に行かなくとも長い人類史の一端を垣間見るだけで異文化理解力が高まるんじゃないだろうか。



    何はともあれ、

    カボチャケーキ旨いよね!( ・Д・)







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    tun
    ↑マヤで石と言えばやぱ翡翠かな!( ・Д・) 



    今日のマヤ語・スペイン語

    🗓️ Day 17:🪨 石 — tun(マヤ語)/piedra(スペイン語)

    tun(トゥン) は「石」そして「時間の単位(360日)」を意味します。


    マヤでは石は時間の記録者であり、碑文(ステラ)として永遠を刻むもの。


    スペイン語の piedra(ピエドラ) よりも象徴的・歴史的な語です。






    トゥン T528v_a

    ↑鉱石は綺麗だけれど色々種類があって難しいね!( ・Д・)







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    ik
    ↑こっちがベリーズ方面で東!風はこっちから雨雲を運んでくる!( ・Д・) 



    今日のマヤ語・スペイン語

    🗓️ Day 16:💨 風 — ikʼ(マヤ語)/viento(スペイン語)


    マヤ語の ikʼ(イク) は「風・息・生命の呼吸」を意味します。


    風は魂の運び手であり、天と地をつなぐ見えない力。


    スペイン語の viento(ビエント) にも近いが、霊的な「息」の意味が深い。





    イク T585_a

    ↑4号神殿の上からだと雨の壁が見えるよ、その後ずぶ濡れになるけれど!( ・Д・)







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