2019ねん 12がつ 31にち(かよーび、晴れ)

もう年末ですね。

仕事溜まってるや……皆さん、良いお年を!

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arukemaya643
↑ジャングル?の中に埋もれた宮殿建築(「」のTwitter内画像より転載)


今回の考古学・歴史ニュースは「メキシコ、クルバ遺跡で1000年前の宮殿が発見されたよってニュースになってるけど、何か変でない?」ってお話です(。・ω・)ノ゙


「年末だから、ニュースが欲しい!」って感覚、報道関係者にはあるのでしょうか。

あるいはどこぞの国の政治的問題から目を背けるためにわざわざ引っ張ってきたのでしょうか……


私が思うに、これ、新発見じゃない気がしますよ。Σ(・ω・ノ)ノ


他サイトさんの記事(新聞社関係+個人ニュース)は大体コピペで、発見したってことしか書いてませんので、その文章を批判的に利用しつつ、何故、そう言えるのかについて説明してきましょう。


1000年前というキーワードの乱用

まぁほぼ全ての他サイトさんの記事において、

1000年前の宮殿を発見!

とか

1000年前まで使用(居住)されていたとみられる!

とか書いてますけど、

所謂、古代マヤ文明の「最盛期」である古典期マヤの期間は西暦250~1000年です。

現在2019年ですから、大規模な神殿や宮殿が1000年前のものであることや、1000年前まで使用・居住されていたことは特別ニュースにするような不思議なことではないのです。

ちなみに500年前まで居住されていたのならば、西暦1500年頃に放棄されたことになるので、あ~後古典期(CE1000~1500年)の遺跡なんだなと分かる具合です。

なので、今回新たに見つかった(?)遺跡は古典期に属する建造物だということが分かります。




クルバ遺跡の周辺環境

今回の新たな宮殿はカンクンの側で見つかったそうです。

上に挙げた写真のように、メキシコのユカタン半島北端にあるカンクンは、カリブ海に臨む一大リゾート地として日本でも有名です。

だからカンクンの名前を使っているのかも知れません。

実際に発見の地はカンクンから西へ100kmほど移動した地点ですので、まぁ近いと言えば近いかなって感じですね。

さて、カンクンにしてもクルバ遺跡にしてもユカタン半島の北部に位置しています。

地理的地域区分として「マヤ北部低地」に分類され、河川がなく、その代わりにセノーテ(石灰岩層が陥没してできた穴、地下水を利用できる)があり、植生として低木林であることが特徴です。

このセノーテに関しては恐竜絶滅の要因となった隕石との関連で別記事で書きたいなと思います( -д-)ノ

今回のお話で大事なポイントは発見地は低木林の環境だぞ!ってことです。

古典期の一大中心地であったマヤ中部低地は、特にティカル遺跡を中心とする範囲は亜熱帯ジャングル地帯なので、


マヤ文明はジャングルの中のピラミッド文明!


ってイメージがありますが実際には地域によって環境は大きく異なるのです( ・Д・)

では、具体的にクルバ遺跡の様子を写真で確認してみましょう!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!


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クルバ遺跡は低木林地帯に立地している上に、牧場に囲まれているのでけっこう見渡せるのです。

上の写真の樹々を見ても、鬱蒼としたジャングル感はしませんよね?

ちなみに今回の他サイトさんのニュースで用いられた写真がこちら。


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どうでしょうか?

大きく立派な石造建造物ですよね。

ちなみにクルバ遺跡は測量調査が済んでいて、遺跡内の建造物の配置図が完成しています。

そのような中で、マウンドならいざ知らず、このサイズの石造建造物が本当に未発見だったのでしょうか?


私の予想

メキシコはマヤ文明やテオティワカン文明、アステカ文明といった古代遺跡を利用した観光業を強く推進しています。

だからメキシコとしてはカンクンに近いクルバ遺跡’(現在も遺跡公園であるが規模はとても小さく、人はほとんど来ない)も観光地化したいのだろうなと思います。

そのためには遺跡公園として十分に整備しなければならないし、目玉となる建造物や遺物がなければならない。

しかしこれまでのクルバ遺跡の考古学エリアは小さいし、周囲は牧場(私有地)に囲まれている。

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予想①

これまでに現在の考古学エリア内にて見つかっていたがややマウンド状であり、建造物を発掘調査によってしっかりと露出したことを以て、新発見ということにした。

修復保存もして遺跡整備と観光地化のアピールをしている。


予想②

これまでにその存在が知られていたが、私有地(牧場敷地)内であったために発掘調査を実施できていなかった。

遺跡公園のエリア拡大として土地の買い上げ等を行った結果、新たに発掘調査・修復作業を行うことができたという意味で新発見として発表した。

もちろん遺跡整備と観光地化のアピールも兼ねて。


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まぁきっと実際はこんなところでしょう。

そんな気がします。

メキシコの内情には疎いのですが、グアテマラでは年度変わりは12月末です。

ホンジュラスとか中米一帯はみんなそうだったような気がします。

日本のように4月から新年度ではありません。

メキシコもグアテマラと同様であるならば、この年末の時期に報告・話題作りをして、来年度継続的に調査するための許可取得や財源確保を上手に行いたいという意思も感じ取れます。

こう考えると、多量の研究費が必要な考古学者は過去を対象としながらも、非常に現実的であると言えるでしょう( ・Д・)

↓新発見な感覚で、さぁ新たな気持ちで押したまえ!( ・Д・)↓

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