2020ねん 5がつ 5にち(かよーび、晴れ)

銀河英雄伝説やアルスラーン戦記のように、マヤ文明を語りたい( ・Д・)


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今日の考古学・歴史ニュースは、「Twitterで出題したクイズ第一問の解答編、ティカルの人口はどれくらい?」ってお話です(*・ω・)ノ


最終的にこの出題に対して、11回答も頂きました。

正直、誰も参加してくれないかなと覚悟してました( -д-)ノ

唐突なマヤ文明クイズにお付き合い頂き、誠にありがとうございます(*_ _)ペコリ

ちなみに解答として多かったのは「10万人」でした!


ひとまずクイズの解答は・・・・・・・・・



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『分かりません!( ・Д・)』




もし私が解答者ならそう答えるってだけですね、意地悪ですけど( ・Д・)

普通、「ティカルの人口は?」と訊かれたら、最盛期の最高人口を答えるのだと思いますけど、

まぁ私なら『時期を指定して下さい』って言いますね。

先古典期なのか、古典期前期か後期か・・・

まぁその上でどの時期だろうと答えは『分からない』なんですけども( ・Д・)

(まぁ現在なら0かな、古代マヤ人の人口ならば!)



でもこれだとクイズの答えにならないので、wikipediaを見てみました。

日本語版だと人口についての記述はありませんでした。

英語版だと詳しく書かれていて、1万人~9万人くらい、衛星都市を含めると42万5千人と書かれています。

なので、wikipedia(英語版;「Tikal」のページ)を信頼すると、

②1万人
③5万人
④10万人

はいずれも正解ですね。

先古典期等のより古い時期であれば、①5000人も正解だと思います。


一応述べておくと、個人的な意見として、ティカルの人口は1万~2万人程度かなと考えています( -д-)ノ




さて、問題は何故私は最初に「分からない」と答え、最後に「個人の意見を述べた」のか?

そして1万人から40万人とティカルの推定人口は何故それほどまでに開きがあるのか?

この2点について今回はお話したいと思います(*^・ェ・)ノ


【注意】
*今回は内容が分かりにくく、無駄に文章が長いので、最後の『ティカルの人口の開きについて』までばっと読み飛ばして構いません。目印は「グアテマラの市場の写真」です( -д-)ノ

*あるいは『おわりに -スマートな模範解答例-』まで読み飛ばして下さい。




怪しい専門家を正しく疑う簡単な方法!!!

Youtubeの超古代文明関連の動画を見ているとコメント欄に、

『考古学は科学ではない』

とか、それに類似する発言が見られますが、ちゃんと科学ですよ。

考古学は生物学や地質学と同じ「観察科学」の仲間です。

”最も科学っぽい”「実験科学」とは異なりますから、その結論はより「蓋然性が高い」ものが導かれるはずです。

そうである確率が高いわけではなく、論理的にそのように導かれる確実性が高いという意味です。

考古学といっても現在では学問内部における細分化が顕著なので、方法論にもよりますが、少なくとも従来の考古学、例えば土器研究に普遍的な型式学的研究法では蓋然性の高さを問題にしています。

何が言いたいかと言うと、現在の結論は現在段階で入手可能なデータを基に蓋然性の高い結論を選択しているわけで、あくまでその範囲内での確実性です。

新たな説の登場や新たな発見によって理論が覆る可能性は常にあるのです(可能性と蓋然性の使い分けは難しいかも知れません、類似のものと考えて構いません( -д-)ノ)。

ギョペグリテペとか考古学理論にダメージを与える近年の好例ですが、またこの話は後日( -д-)ノ


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さて、真面目に書いてると無駄に長くなるので、本題の「怪しい専門家を疑う方法」ですが、、、それは、


『自分の推測を断言して言う人』を疑え!

です(*・ω・)ノ

どんなにデータを集めても推測は推測、予測は予測です。

そこに100%な確実性などありえません(極端な例はなしの方向で( -д-)ノ;ex.サイコロを一回振れば、間違いなく1~6の目が出る、とか)。



テレビを見ていると、コロナ騒動で様々な自称専門家がコメントしてますけど、

本当に専門なら構いません、自分の発言に責任をもって好きに述べればいい。

しかしながら、僅かでも小分野・小領域で違いがあるのなら、

『私は門外漢だから分からない、コメントできない』という姿勢が大事かなと思います。


『分からないものを分からないと言う勇気』がまっとうな研究者には必要だと思います(*・ω・)ノ




……ってコロナ関連のニュースを見てて思ったよって話なんですけど、、、

これでようやく、マヤ考古学でかつティカルをフィールドにしているというガチ専門内であっても人口研究は趣味程度にしか行っておらず一般紙のみで論文にしていない程度なので、「(勉強不足で)分からない」と最初に述べたというところに繋がります。

ただ腐っても専門なので、先行研究を参考に、また自己の調査経験を基に「1~2万人」程度ではないかと『私個人はそう考えている』と述べたのです( -д-)ノ

とても回りくどくて面倒だけど、研究者ってたぶんきっとそんなもんです(*^・ェ・)ノ

覚えておいてくださいね、「断言、断定する人」は信用ならんよってことをヾ(´ω`=´ω`)ノ

(様々な情報が得られる現在、他人の意見を鵜吞みにせずにきちんと疑い、自分の頭で論理的に考えて、自分の意見をもつという態度が重要な気がします、なんてね(*^・ェ・)ノ)




ティカルの人口推定値は何でそんなに開きがあるのか?

これは簡単です。

人口の計算は単純に掛け算だからです( -д-)ノ

例えば、ティカルではかつての住居などの建造物が、マウンドとして現地表面で確認できます。

そうしたティカルに、仮に1000基のマウンドがあったとしましょう。

1基のマウンドに1人が住んでいたら、ティカルの人口は1000人です。

2人だったら2000人、5人なら5000人、10人なら1万人、、、

実はそんなもんなのです( ・Д・)



問題はここから複雑さが増していきます。


【問題点】
①どの現代マヤ人あるいは部族の家庭を民族例として扱うのか?

②そもそも現代マヤ人の民族例は援用可能なのか(学史的な問題ですが、アメリカはこの手法が大好きです)

③ティカルのマッピングは終了していないのではないか。

④どのマウンドが住居で、どれがそうではないのか(倉庫とか)。

⑤すべての住居が同時使用されていたわけではないのではないか(各マウンドの時期は分かっていない)

⑥中心部と周縁部では人口密度が異なるが如何にして計算するべきか

⑦どこまでが、どの範囲がティカルなのか?



個人的には人口推定問題に関して⑦が一番大きな問題だと思っています。

都市地理学における同心円モデルを用いて、中心部と周縁部における人口密度を計算している研究事例が最も新しく優秀だと思っていますが、

それでも推定値は1万~42万人の開きがあるのです。

だってティカルの領域を広げれば広げるほど、掛け算の結果、人口増えちゃいますもの。

そして論文の数がモノをいうようになってしまったアメリカ考古学ないし科学会(日本も追随しています)では、どうしても違う数字を出さなければならない、大きな数を出さないとインパクトがない。

考古学では「最古」が大好きですが、最も大きいとか最も多いとか、極端な数字に支えられて、自分の調査域・研究領域はこんなんに凄いんだ!って言いたがりなものです。

というか、そうしないと研究費が取りにくい環境があることに関係している気もしますけども( -д-)ノ

ティカルの人口推定値がかくも異なるのはこういう研究背景に依拠しているのです( ・Д・)


arukemaya857
↑グアテマラシティの歴史ある建造物(「4travel.jp」の記事内画像より転載)



おわりに -スマートな模範解答例-


さて、ただのクイズの解答なのに、面倒な感じになってしまいまして申し訳ありません( ・Д・)

最後に最もスマートな模範解答を例示しておきたいと思います。


Q「ティカルの人口はどれくらいですか?」

A1「最盛期において1万~10万人程度だと考えられています。」

A2「最盛期において1~10万人、あるいは40万人とも言われています。そもそも考古学は人口推定が苦手なので、幅広くなっちゃうらしいんですよね~( -д-)ノ」



……現在の日本において、家の数・部屋の数を数えたら人口が分かりますか?

考古学者がやっているのはそういうことです。

遺体も全部残るわけではありませんし、家くらいしか数えられません。

でも現在の日本の人口は「戸籍」によって管理されており、きっと家の数から推測される人口値とは開きができるはずです。

まぁ考古学において、そこまで正確な数値が必要かと言われればそこまでですが、戸籍がない以上、「どこまで正確なのか」すらそもそも分からないのです。

個人的には考古学において信用ならないのは、(ぱっと思いつく範囲で( ・Д・))1に精神世界、2に人口推定な気がします( -д-)ノ

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