2020ねん 10がつ 31にち(どよーび、曇り)
毎日充実している気分、そうそんな気分(*^・ェ・)ノ
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今回の考古学・歴史ニュースは「コクゾウムシたくさんの土器が見つかったよ&ハムスター=コクゾウムシ!?( ・Д・)」ってお話です(*・ω・)ノ
さて、前回の古代の”G”の発見に続いて、熊本大学の小畑弘己先生が、宮崎県えびの市の役所田遺跡から出土した縄文時代後期の深鉢型土器の破片からコクゾウムシ圧痕を見つけたって話なのです。
↓圧痕や”G”の話はこちらです( -д-)ノ
対象となったのは約3600年前の土器片であり、そこから28匹のコクゾウムシの痕が見つかりました。
なので土器全体として250匹のコクゾウムシが粘土に塗り込まれていたと推計されています。
圧痕法が広く用いられるようになってから、日本全国で土器の器面にコクゾウムシの痕が見られるケースが確認されています。
しかしコクゾウムシが多量に混入されるケースは稀で、今回のようなコクゾウムシ多量混入土器が九州で発見されたのは初めてとなります。
↑コクゾウムシ入り土器の展示(後輩が撮影、ありがたい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!)
↑コクゾウムシ入り土器の全体、綺麗だね(後輩が撮影、ありがたい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!)

↑矢印部を拡大、穴ぽこ分かる?①(後輩が撮影、ありがたい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!)

↑矢印部を拡大、穴ぽこ分かる?②(後輩が撮影、ありがたい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!)
北海道はでっかいどう!( ・Д・)
さて、この小畑先生(実は後輩の元指導教員)は北海道でも大きな発見をしています。
何かとスケールのデカい北海道ですが、見つかったコクゾウムシ入り土器も凄いのですヾ(´ω`=´ω`)ノヾ(´ω`=´ω`)ノ
その土器が上に示した土器です。
今回の記事では破片資料の話でしたが、こちらは修復されて半完形(ほぼ完形ってこと)状態になっています。
(*日本語としてこの用語は変な感じがしますが、元々アメリカ考古学の用語法を直訳したものなのだろうと私は思っています( -д-)ノ)
さて、この土器は北海道福島町の館崎遺跡から出土した縄文時代後期の深鉢形土器ですね
時期的には先の資料と同時期ですね。
この土器をCT撮影したところ、417点のコクゾウムシ成虫が練り込まれていることが分かりました。
写真で分かるように土器は一部が欠けているため、全体では推定500匹ほどを練り込んでいたと考えられています。
500匹!
さきほどの2倍ですΣ(・ω・ノ)ノ
ちなみに、この北海道の土器から見つかったコクゾウムシは体長もデカいことが分かりました。
なんと西日本産のものより2割ほど大きかったのです!( ・Д・)(
縄文時代の西日本では主にドングリと呼ばれるコナラ属の木の実が貯蔵されていたのに対し、北海道を含む東日本はクリが中心で、クリの高い栄養分がコクゾウムシを大きくしたと考えられているそうです。

↑コクゾウムシと土器胎土に練り込まれたコクゾウムシ(「EurekAlert」の記事内画像より転載)
さて、本記事ではコクゾウムシ、コクゾウムシと言ってますが、これはオサゾウムシ科の甲虫で、貯蔵米の害虫として知られるものです。
従来はイネの渡来とともに朝鮮半島からやってきたと考えられていました。
なので、縄文土器からコクゾウムシが発見された当初は、「縄文農耕起源論」再燃か!?とも思われたのです。
縄文後期の土器だけではなく、中期の土器からもコクゾウムシが発見され、日本における農耕の起源は非常に古いかも知れないと沸き立ったのです。
しかしその後、1万年前の日本最古級土器からもコクゾウムシが発見され、この議論は収束していきます。
明らかに古過ぎるため、「コクゾウムシの存在=稲の渡来」とする考え方に疑問が持たれたのです。
その後、先ほども少し述べたようにコクゾウムシはドングリやクリに寄生して食物とすることが分かったため、コクゾウムシと農耕起源を結びつける論理は破綻したわけです( -д-)ノ

↑同じ博物館の石器集中の写真、よくあるやつ!(後輩が撮影、ありがたい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!)

↑遺物集中を遺物で再現しつつ、実測図の取り方も表現したもの!面白い展示方法だと思う!(・∀・)つ(後輩が撮影、ありがたい(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!)

↑可愛いので再掲!カワ(・∀・)イイ!!
おわりにかえて、考古学トリビア;先輩風を吹かそう!( ・Д・)
正確には考古学トリビアではないのですが、今となってはコクゾウムシを知らない考古学者はいないでしょうから、今後飲みの席で先輩が後輩に語るネタとしてはいいかなと思い書き連ねることにしました( -д-)ノ
さて、日本においては特にペットとして人気のハムスターですが、ハムスターってたくさんの種類がいるわけです。
ジャンガリアンとか、ドワーフとか多種にわたっています。
本来のハムスターは「ゴールデンハムスター」を指すのですが、日本ではハムスターはキヌゲネズミ全般を指す言葉として定着したのです。
ではそもそもハムスターの語源とは何か?
語源は古ドイツ語と考えられており、「強欲で大食い」を指すhamustra(ハムストラ)がそれと考えられています。
しかもこのハムストラは西暦1600年頃にはハムスター🐹の意味で使われていましたが、
元々西暦1000年頃にはコクゾウムシ🐜の意味で使われていたのです!Σ(・ω・ノ)ノ
まぁどっちも「強欲で大食い」感ありますもんね( ・Д・)
ちなみに現在のドイツ語の「買いだめする、溜めこむ」という動詞ハムスターン(hamstern)は、ハムスターの貯食の習性から派生した単語だそうです(。・ω・)ノ゙
ハムスターとコクゾウムシがまさか繋がるなんて思いもしなかったけれど、、、
やっぱり歴史は面白いですねヾ(´ω`=´ω`)ノ
少なくとも……
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