2020ねん 11がつ 4にち(すいよーび、くもり)

お酒をやめる!( ・Д・)


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今回の考古学・歴史ニュースは「ロイヤルパープルを作ってた都市はめちゃひどい悪臭が漂っていたよ!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ


前回の記事に関係していますので、まだ読んでない方はこちらからどうぞ!




さて、今回紹介するケルクアンは、前回の記事と同様にチュニジアのボン岬の近くにあったカルタゴの都市です。


ケルクアンは紀元前4世紀から紀元前3世紀の間に居住されていた都市で、第一次ポエニ戦争(紀元前264年 - 紀元前241年)の間にローマ軍に攻撃され放棄されたと考えられています。


この戦争時に都市の一部分が破壊されるにとどまったことで、ケルクアンは古代フェニキアの当時の街並みを知る上で最良の遺跡となりました。




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↑壁材がしっかりと残る街並みが広がっている(「いなももの日記*ももログ」の記事内画像より転載)


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↑モザイクの床面(「前向きに楽しく生きる為にする事」の記事内画像より転載)



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↑タニト神(地母神、豊穣神、軍神)のマーク(「旅倶楽部「こま通信」日記」の記事内画像より転載)



最初に挙げた写真は神殿で、柱列がしっかりと残っています。


上に挙げた写真の1枚目では住居の壁が残っており、建造物の見取り図や街並みがしっかりと分かる状況にあります。


2、3枚目の写真に見られるように、細かなモザイクが施された床面も残っています。


住居以外には先に述べた神殿の他、公衆浴場があり、陶工、石工、ガラス職人、金細工師などの様々な工房が確認されています。



こうした保存状態の良いケルクアンは1.5キロほど離れた墓地(ネクロポリス)とともに世界遺産になっています(*・ω・)ノ

前回も紹介したようにフェニキア人の最重要の特産品と言えば巻貝から作る赤紫の染料、いわゆる「貝紫」を用いた製品です。


貝紫は王者の紫、ロイヤルパープル、フェニキアのティルスで多く生産されたことからティリアンパープル、フェニキアの紫、古代紫と様々な呼称があります。



上に挙げた写真のアッキガイ科の巻貝シリアツブリの内臓(分泌腺)から取る分泌液を化学変化させてつくる特殊な染料のため1つの貝からほんのわずかしか採取できません。


染料1gを得るのに100kg、おおよそ1000~2000個の貝が必要とされています。


そのためこの染料で染めた布は古代地中海世界で大変珍重され、富と権力の象徴にもなっていました。


貝紫で染められた物には「力が宿る」と信じられており、多くの権力者たちが禁色として、一般の人々の使用を禁じました。


特にローマ帝国では皇帝だけがこの色をまとうことを許されたことから、「紫衣(しえ)」という言葉はのちに皇帝位や王権の代名詞となりました。




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↑巻貝を投げ込んだ穴らしい(「LINEトラベルjp」の記事内画像より転載;credit: 澁澤 りべか)



さて上の写真の円形のくぼみは、染料を取りだす過程で貝を腐らせるために入れておいた穴と推測されています。


土器工人の工房や窯も発見されていますが、それとは異なるのです。


貝の内臓を溜めて腐らせておくということはつまり、ケルクアンは高価な特産品の代償として常に悪臭に悩まされていたと考えられます。




何故、そう言えるかというと、ケルクアンの住居の多くが浴室を備えていることから推測されています。


当時はローマでも公衆浴場が一般的であり(映画「テルマエ・ロマエ」のイメージ)、個人の家にお風呂があるなんてのは王族クラスや有力貴族くらいでした。


ケルクアンも同様に公衆浴場があるのですが、多くの住居はお風呂を備えていたのです。


超高級な貝紫で栄えていたので、みんなお金持ちだから個人宅にお風呂を備えていたとも考えられますが、、、


恐らくは体についた染料や髪についた臭いを、自宅のお風呂でしっかりと洗い落としていたのではないかと考えられています( -д-)ノ


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↑個人住宅内の浴槽(「旅倶楽部「こま通信」日記」の記事内画像より転載)




おわりに、貝紫製品の現代価格を計算してみた!

英語の表現で、"born in the purple"(または "born to the purple")は「王家に生まれた」という意味を指します。


それほどまでにロイヤルパープルは王権の象徴だったわけです。


しかし乱獲のためか原料の貝が減少したことにより、後には王家の色といえばロイヤルブルーと呼ばれる濃い青に変わっています( -д-)ノ



さて、そんなとっても貴重なロイヤルパープルですが、CE1世紀頃の記録によると、ローマ人はロイヤルパープルで二度染めした羊毛およそ1ポンド(約450g)に対して、1,000デナリウスを支払っていたようです。



現代の価格と当時の価格を比較することは困難ですが、おおよそでいくと、CE1世紀に1デナリウスで購入できるパンの量で換算した場合、21USドル(約2200円)に相当します。


この「パンの量換算」で計算すると、ロイヤルパープル2度染め羊毛(450g)は220万円になりますね( ・Д・)



また、歴史記録によると、共和政ローマ後期とローマ帝国初期の単純労働者や兵卒の日給が税抜きで1デナリウスだったそうです。


アメリカ合衆国での最低賃金は8時間労働で税込み58USドル(約6000円)だそうで、この「日給換算」で計算すると、ロイヤルパープル2度染め羊毛(450g)は600万円になりますね( ・Д・)



ちなみに羊1頭からは3~4kg程の羊毛が取れるそうで、ちょうど羊毛掛け布団は1頭分の3.5kg前後あるそうです。


とある羊毛掛布団ブランドの詰め物重量を見てみると、シングルサイズに比べてキングサイズは0.8kg重いと表記されていました。


やはり王家としてはキングサイズ一択でしょう!( ・Д・)



ということで、高い方の「日給換算」で、何故かふと、とっても高貴なロイヤルパープル羊毛キングサイズ掛け布団を作ってみたらとしたら、そのお値段は・・・


およそ5730万円!!!( ・Д・)

↑せめてここだけでも高貴な色合いを!

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