2023ねん 5がつ 4にち(もくよーび、晴れ)

GWだね!全然関係ないけどみんな応援して!( ・Д・)

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四国一周メイン画像 (縮小版)

↑いや、実際チャリはキツイな( ・Д・)


今回の考古学・歴史ニュースは「国内研究費足りないから助けて!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ


さて、今回の舞台は北海道です。

私はマヤ研究がメインですのでグアテマラで調査してますけども、日本国内でも調査研究しています。

国内では主に土器の胎土に含まれる砂粒鉱物を顕微鏡で観察して鉱物組成を明らかにし、河川湖沼に堆積する砂や粘土の鉱物組成と比較することで土器の生産地を推定するという研究を行っています。



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まぁこんな感じでこれまで北海道と礼文島、沖縄本島、鹿児島の奄美大島でサンプリング調査を行ってきました。

ひたすら河川や湖沼を回ってサンプルを集め、処理後に顕微鏡観察を行っていきます。




これまでに日本国内では100点以上のサンプルを集めています。

それまでに何度、沼にはまったり、川に落ちたり、ぬかるみで滑って派手にコケて流血したことか、、、ほんと全身ドロドロになって悲しい気持ちになりましたよヽ(TдT)ノ





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↑これは羊蹄山!きれいでしょ?ヾ(´ω`=´ω`)ノ



今回は北海道の話です。

北海道は大きいのでまだサンプリング調査を完了していませんが、まぁ車使って2週間くらいかければ終わるかな~という見込みでいます。

今年がある意味自由に研究活動できる最後の年かも知れないので、片付けてしまおうかなとも思っています(*^・ェ・)ノ

たぶん……




日本最古級の土器


北海道での資料調査は色々な場所で様々な時期の土器を対象にしているので、ネタはつきないのですが、今回紹介するのはわかりやすい2点です。


ひとつが上に挙げた地図にある、帯広市と遠軽町に関するお話です。




この2つの地点では日本最古級の土器である爪形文土器が出土しています。

縄文時代草創期相当で約1万3000~1万4000年前の土器です。




上の画像だと分かりにくいかもしれませんが、帯広市と遠軽町はかなり離れていますし、その間を高い山が二者を隔てるようにそびえ立っています。

北海道の真ん中には大雪山系の山々が連なっており、それを始点にたくさんの河川が発達しています。





雪解け水も豊富なので北海道はたくさんの綺麗な水に恵まれているわけです。

ちなみに、そのため日本の有名なお菓子屋さんの本店がたくさんあります。

北海道の田舎にデカい工場と共にあるわけなので、まぁ地代の関係もあるのかも知れませんね( -д-)ノ








さて、実はこの爪形文土器は非常に古いにも関わらず全国的に見られるものなのです。

つまり縄文草創期段階ですでに海さえ超えた長距離間のコミュニケーションがあった可能性があります。

それを実際に「モノの移動」で証明できたら面白いですよね?




まだまだ全国規模の研究には至っていませんが、とりあえず北海道の事例ではモノの移動がありそうです。


というのも土器の胎土(簡単に言うと焼成された粘土)を顕微鏡観察してみると、帯広市や遠軽町で出土した爪形文土器には上に挙げた写真にあるような金雲母を含むものと含まないものがあることがわかります。





そこで河川に堆積する砂粒鉱物サンプルを顕微鏡観察して鉱物組成を明らかにしたところ、帯広市側の河川は金雲母を含まないことがわかりました。

他方で山を隔てた北の遠軽町を流れる湧別川は多量の大粒の金雲母を含むことがわかりました。




まだ同地域におけるサンプリング調査が完了しているわけではありませんが、現在までのところ、1万4000年前頃の爪形文土器を作り使った人々は高い山を越えて交流があった、あるいは重い土器を運びつつ移動生活を行った可能性が示唆されるのです。




まぁ私が国内でやってる研究はこんな感じのものです。


少しわかってきました?


じゃあ次は礼文島のお話です(*・ω・)ノ






海を隔てた交流

礼文島は北海道本島の北北西にあります。

最高級ウニの馬糞ウニで有名ですね。

あとはホッケのちゃんちゃん焼きかな。




前回調査行ったときにホッケのちゃんちゃん焼きを食べたけども美味しかったですよ。

札幌人としてはシャケのちゃんちゃん焼きが基本なので物珍しさもありました。




さて、そんな海鮮系の美味しいものでいっぱいの礼文島にもたくさんの歴史があります。



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上に挙げたように礼文島には有名な縄文遺跡が見つかっています。

島ですからやはり漁労が重要で、貝塚のようなアルカリ性の堆積物が豊富なため、通常は残らないようなレアな遺物が残っていたりすることで知られています。




さて、そんな礼文島にはメノウ浜という地点がありまして、メノウが流れ着くのです。




綺麗ですから、観光客がこぞって拾って行ってしまうそうで、そのため、、、

地元の人との約束で論文以外の公言は避けなければならないのですが、、、




メノウの産出地がおおよそ分かっていて、メノウが拾える地点がメノウ浜以外にもあることがわかっています。

それでもそうしたメノウを拾える地点は極限られています。







私がメノウ浜に堆積する海岸砂を採取して確認したところ、おそらくはメノウ由来と思われるキラキラと綺麗な石英や長石を多量に含んでいることがわかりました。

まだメノウのサンプルを砕いて観察していないのですが、それは今年これからやります。

あと礼文島での土器資料に対する顕微鏡観察も今年実施予定です。




もし礼文島出土の土器にメノウ由来と思われる石英や長石を多量に含む土器や含まない土器があることがわかれば、土器の産地を推定することができます。

また礼文島の遺跡で見つかっている土器型式は北海道本島にも分布しています。




今後の分析次第では礼文島で作られたメノウ由来胎土の土器が、最寄りの稚内市や遥か遠く札幌市まで運ばれていたことが明らかとなる日が来るかも知れません。


まぁそんなこんなで私が国内でやっている研究について少しでもわかってもらえたら幸いです。




やっぱりメインはマヤ文明、ティカルだし、今は考古学理論の構築が楽しくてしょうがないっていう時期なんですが、、、

この産地同定研究も本来マヤ研究で使用するために考案したもので、それを日本で練習しつつ、有効性を確認しているものです。

なので無関係ではないのです。




そして現在構築中の考古学理論は日本の古代社会~現代社会へと応用する予定ですのでそういう意味でも大いに関係してきます。

最近始めたばかりではありますが、

「がんばれ人文科学」という御旗の下、私たちの身の回りの現代社会問題と乖離しない研究、「役に立つ考古学」ないし歴史学を志すものなので、

もしマヤ文明研究やそういったSDGs的な社会科学研究に興味関心のある方のご支援もお待ちしております( -д-)ノ





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おわりに 良かったらご支援お願い致します!

ここ数年はコロナ禍の関係で海外調査用の予算を国内調査に利用できていたのですが、現在はそういうわけにもいかない状況です。

これまでは車で周れましたし、研究協力者の同行もお願いできていましたが、今回はお金がないので自転車で四国を周ってサンプリング調査を行いたいと思います。




正直言うと私、ほとんどチャリに乗ったことがなく、チャリ筋がないのですよね。

だから国周ったら全身筋肉痛で死にますね( -д-)ノ




四国のそれぞれの県では講演会もやる予定なので参加無料ですし、良かったらご参加ください。

内容はたぶん産地同定の話が少々で、ティカル調査や新しい考古学理論の話がメインになるかと思います。




何はともあれ、

研究がんばろ!( ・Д・)



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