
(「ati」の画像より転載; credit: International Journal of Historical Archaeology)
📰はじめに
西部開拓のロマンとはまた別の、遥か昔の緊張と交戦の物語が、アリゾナ州南部の砂漠で静かに語り出しました。2024年、考古学者たちは 500年近く前 に使われた銅製の砲(いわゆる壁砲、ウォールガン)を発見。これは 大陸アメリカで確認された最古の火器 として注目を集める発見です。遠征を率いたのは、16世紀のスペイン人征服者 フランシスコ・バスケス・デ・コロナド。彼らが北米を探検した軌跡が、この小さな武器の一節から、再び浮かび上がってきました。
この記事では、この歴史的発見の背景、技術的ディテール、そしてコロナド遠征が残した文化的・政治的意味を、「あるけまや」風の語りでじっくりと掘り下げていきます。
⚙️ 発掘されたのは何? 42インチ、40ポンドの銅製ウォールガン
この銃は、アリゾナ南部・サンタクルーズ渓谷の San Geronimo III(スーヤ / サン・ジェロニモIII)遺跡 で発見されました。
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長さは 42インチ(約107cm)、重さは 約40ポンド(約18kg)。
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内径(ボア径)は約 0.95インチ(24.7 mm)、いわゆる 5号ゲージ。
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丸弾(ソリッドボール) だけでなく、小さな球状の弾(バックショット)も撃てる構造。
この武器は「ウォールガン(壁や塁壁に据えて撃つ砲)」、あるいは ハックバット(hackbut) と呼ばれるタイプで、使用時には 大きな三脚(木製) が必要だったとみられています。鋳造は 砂型鋳造(サンドキャスト) で行われており、鋳型の痕跡(スプルーマーク)も残っている点が確認されています。

↑状態いいね!( ・Д・)
(「ati」の画像より転載; credit: International Journal of Historical Archaeology)
🕰️ 歴代最古の火器? その歴史的位置づけ
この銃が特別なのは、 大陸アメリカ(コンチネンタルUSA)で最も古く確認された火器 であるという点。研究チームは 放射性炭素年代測定 と 光励起ルミネッセンス(OSL) による土壌測定で、銃が配置されていた建物の年代をコロナド遠征時代、つまり 1541年ごろと結びつけています。同じ地層からは、 オリーブ壺の破片、ヨーロッパ製陶器、武器部品など も出土し、遠征隊との関連が強く示されているのも重要なポイントです。
🔍 どこから来た? この銃の製造ルーツ
この銃、意外にも 装飾がほとんどない非常に簡素な作り という特徴があります。そのことから、 スペイン本国ではなく、メキシコやカリブ海地域の鋳造所で作られた可能性 が指摘されています。さらに、歴史的文献を読むと、この種の小型砲(versillo, versos)を遠征隊が持ってきていた記録もあり、実際の運用方法としては 三脚/壁/馬の鞍/木の枝の叉などを利用 して据えていた可能性が高いとみられています。
⚔️ 戦闘と放棄 — なぜ使われなかった?
驚くべきことに、この銃には 黒色火薬の残留物がほぼ確認されていない のです。つまり、 実戦で発射された形跡が見当たらない。これには研究者たちから以下のような仮説が出ています:
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遠征隊が構築した サン・ジェロニモ III(Suya) と呼ばれる拠点が、現地の先住民(Sobaipuri O’odham)による急襲を受けた。
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攻撃があまりにも突然で、発砲する時間もなく 銃を据えたまま立てこもっていた建物が倒壊。
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その結果、武器はその場に捨てられ、そのまま 480年余りにわたって土に埋もれて保存された とみられています。
この「撃たずに放棄された」銃の背景には、植民と抵抗、そして文化的衝突の歴史が交錯しています。
🌍 コロナド遠征とアメリカ南西部 — 歴史の再構築へ
この発見が意味するものは、ただの武器の発掘以上に大きいです。
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コロナド遠征(1539–1542年)は、「黄金の七都市(Cíbola)」を求めて始まったものですが、この銃はその最南拠点 San Geronimo III の物理的証拠として、歴史にリアルな肉付けをしています。
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現地の 先住民(Sobaipuri O’odham) による攻撃が実際にあったことを示す銃弾や矢じりなどの遺物と合わせ、 抵抗の歴史 が遺跡というかたちで痕を残していたとみられています。
また、銃の鋳造技術や流通経路(メキシコ or カリブ海説)を考えることで、16世紀のヨーロッパ植民勢力の軍事・物流ネットワークの実際像を新たに描く手がかりともなります。
🧭 発掘の背後にある人物 — デニ・セイモア博士の30年の探求
この発見の中心には 考古学者デニ・J・セイモア(Deni J. Seymour) がいます。彼女は 30年以上にわたってコロナド遠征の足跡を追った ベテラン研究者。彼女のウェブサイトによれば、今回発見された銃は 「versillo」「小さなverso」 と呼ばれるタイプで、当時の文書にもその名が記録されていたもの。 また、鋳造痕や摩耗の痕跡から、この銃が 長距離移動と運搬に耐えるよう設計された軽量型 だったことも示されています。

↑実際のサイズ感はこんな感じ、この人が巨人だと意味ないけど!( ・Д・)
おわりに





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