お腹が壊れ続けている。お酒を控えよう。
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↑オフィシャルサイトより一部加工
【目次】
- はじめに
- ゾンビとは?
- ゾンビの歴史とその進化
- ゾンビ世界に有効なサバイバル術
- 「生きているゾンビ」に人類は勝てない説
- おわりに
1.はじめに
「月刊ムーPlus」にて、「マヤ文明はゾンビに滅ぼされた!? 古代から息づくゾンビ禍の恐怖」という記事が掲載されました。考古学を中心として歴史関係、特にマヤ文明に関する記事を扱う「歩け、マヤ」としては触れられずにはいられません。
このテーマを本気で検討するに当たって、そもそもゾンビとは何か?を考えることから始めようと思い、この記事を書くことにしました。
2.ゾンビとは?
ゾンビの原点はアフリカにおけるヴォドゥン信仰における「ンザンビ(Nzambi)」、「不思議な力を持つもの」になります。これを信仰する黒人奴隷達が中米域に送られ、ゾンビという名称に変わっていきました。この中米域におけるハイチのブードゥー教が一般的にはゾンビのルーツと考えられています。
ブードゥー教ではゾンビは「生ける死体(living the dead)」として扱われています。ではゾンビは生きてるのか?死んでるのか? これが本記事における重要なテーマとなります。
ゾンビはどのように発生するのか? ブードゥー教の司祭の一種であるボコが、土葬された死体が腐る前に掘り出して、祈祷等の一連の儀式を経ることでゾンビとなります。この際、魂は壺に封じ込められます。面白いことにゾンビの使い道は奴隷です。未来永劫に働く奴隷として農園に売却されます。
以上が現地における民間信仰の教義・伝承に見られるゾンビ像となります。実際に人類学者によってゾンビに関する研究が行われており、結論として以下のような見解を提示しています。
「ゾンビ化」とは、嫌われ者や結社内の掟を破った者に社会的制裁を加えるための行為であり、この場合の「死者」とは生物的なものではなく、共同体の保護と権利を奪われる、つまり「社会的な死者として扱われる」ことである(wiki、ゾンビよりハーストン、メトロ―の説を引用)。
この見解に即すると、先に述べた伝承中の「魂を封じ込められること」が「自由意思のはく奪」を、「農園の奴隷」が「行動の制限」を暗示していると言えるでしょう。
このように人類学研究において映画作品に見られるようなゾンビの存在は完全否定されていますが、本記事ではゾンビが存在する方向で考えていきます。そもそも存在を否定してしまうと、マヤ文明がゾンビに滅ぼされた説とある意味真摯に向き合っていけないからです。
そのためハイチのブードゥー教を起源とするゾンビは、死体を材料に人為的に作成可能な「心なき動く死体」と定義付けることにします。
3.ゾンビの歴史とその進化
さて、ゾンビ映画とかパニック映画が大好きな筆者ですが、最初のゾンビ映画は1932年の「恐怖城(「White Zombie」: 原題、「ホワイト・ゾンビ」: ビデオ化タイトル)」であり、かなり古い作品になります。
1932年時点でのゾンビは「生きる死体」として描かれてはおらず、ゾンビパウダーによって仮死状態となった人間がマスターの命令に中実に動くという存在でした。そのため無差別に人を襲うことも、人を食べることもない。また仮死状態から元に戻る、つまりゾンビから人に戻ることが可能として描かれています。
1968年、ジョージ・A・ロメロによる「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(Night of the Living Dead)」によって現行のゾンビの原点が描かれる。つまり60年代後半がゾンビ史における一つの転換点と言えよます。ここでのゾンビはまさに「生ける死体」であり、人を襲い、喰らい、増殖するという特徴を有しています。
つまり映画史におけるゾンビは60年代後半に、「使役される不思議な存在」から「人を襲う恐怖の存在」へと転換したのです。近年のゾンビ映画では、ゾンビ発生の理由として、科学実験、ウィルス、寄生虫が挙げられているが、基本的な特徴はロメロの提示する3特徴と一致します。
ただし最上部画像にて提示した「レイプゾンビ」は異色であり、男性にしか感染せず、被害にあった女性は死に至るという設定です。また筆者の大好きなゾンビ映画である「ウォーム・ボディーズ(Warm Bodies)」では、人の脳を喰らうことでその人物の記憶を追体験可能であること、僅かに生前の記憶や理性を残しており愛情によって人に戻るという設定です。
加えて、ウォーム・ボディーズのゾンビは、腐敗が進むと骸骨(ほぼ骨と皮)になり、更に腐敗が進むと自壊するという設定です。このように近年の作品によっては一風変わったゾンビが描かれており、基本的的3特徴を踏まえつつ、今日的なゾンビは進化し続けていると言えるでしょう。

↑最強のゾンビの例(イケメンはゾンビでも愛され、人間に戻れる。例え元カレの脳みそを喰らっても。)
4.ゾンビ世界に有効なサバイバル術
さて、ゾンビが実際に発生した場合、人類は生き残ることができるのだろうか? 最初の定義通り、ゾンビが「心なき動く死体」である場合、可能性はあると言えます。
ゾンビ・パンデミックをウィルス感染として捉えた場合、人類は3か月程度でほぼ全滅となるというシミュレーションがなされています。これは感染者が人を襲うことで被害が拡大する構図のため、爆発的にゾンビが増加するためです。
では何故、「心なき動く死体」だと生き残れる可能性があるのだろうか。答えはゾンビが死んでいるからです。先の映画「ウォーム・ボディーズ」の設定のように、死んでいる以上は腐敗し続けるのである。空気中に死体を放置した場合、環境差と個人差を踏まえても3か月から1年で死体は白骨化するのです。
つまりシミュレーション通り、僅か3か月で人類がほぼ死に絶えたとしても、その時点で初期の多くのゾンビは白骨化、ないし筋肉の腐敗によって運動力の著しい低下が見られ、結果として危険度が著しく低下しているのです。
であるならば、ゾンビ・パニックな世界が到来した際の適切なサバイバル術とは、
①3か月以上の飲料水・食料の確保
②シェルターのような隔絶された空間の確保
が最重要となるでしょう。
実際人間は長期間、高ストレス下において真に孤独には生きていけないので、二人以上でのサバイバルが望ましいと思います。しかし不和が起こると全滅する恐れがあるので、信頼できる極力最小限の人数にすべきでしょう。

↑露出度高くてもゾンビと戦える事例。「高慢と偏見とゾンビ」より。
5.「生きているゾンビ」に人類は勝てない説
さて、最初の私の定義は後に「マヤ文明がゾンビに滅ぼされた説」の検討のための前準備に過ぎません。ここでは敢えて、ゾンビが生きていたら?について考えてみましょう。
①ゾンビの原因が通常のウィルスだった場合
ウィルスの目的は増殖です。感染者は非常に短い時間で死に至り、ゾンビ化するケースが多く見られます。つまりウィルスの増殖スピードと致死性は非常に高いと言えます。
ウィルスはただひたすらに人体を構成する何かをエネルギーとして増殖し続けます。この場合、人体は基本的に生命活動を停止しているため、先に述べたように人体は腐敗し、最終的に自壊することになります。
この場合、何故ゾンビは人を襲うのか? 最も重要な基本的欲求として食欲が残るためと説明されることがありますが、ウィルスがエネルギーの搾取や増殖に伴って発生させる電気信号によって、死体がそのように動く、つまり捕食活動を行っているように見えると考えられます。
このパターンでは、前述のように腐敗と自壊のため人類が生存する可能性が高いでしょう。
②ゾンビの原因が寄生系の場合
ゾンビを殺す方法は頭部の切断、あるいは脳の損壊がオーソドックスです。これは神経による命令系統を破壊することで、ゾンビを行動不能にする働きがあると言えるでしょう。
つまりゾンビは操られていると考えられます。この場合、寄生虫ないし、寄生系のウィルス等々だった場合、ゾンビは死んでいないと考えられます。もちろん自我はありませんし、人間だった頃の人物は死んだと考えて良いでしょう。
ゾンビ化の原因が寄生である場合、宿主である人間は死なず(生命活動を停止せず)に、ある種の乗り物として利用されていると考えられます。この場合、ゾンビによる捕食活動はゾンビの生命維持活動であり、またゾンビの種の保存のための活動(一種の生殖)とも捉えることができるでしょう。
この場合、時間経過によるゾンビの自壊があり得ませんので、人類は限定的な閉鎖空間において自給自足の生活を続けていく他はないと考えられます。しかし先に検討した超小規模での耐久戦からの自給自足への移行は困難であり、映画やドラマに出てくる自給自足的な防御型の小コミュニティの確立はパニック下において現実的に困難であると思います。
つまるところ人類は絶滅する可能性が非常に高いと言えます。またバイオハザードのように鳥や犬といった動物類まで感染してゾンビ化する場合、人類は防御手段がほぼありません。大小様々な各種動物が群れを成して襲ってくるのに無傷で何度も防ぐのは無理ゲーと言わざるを得ません。
つまり寄生型ゾンビと対抗するには人類は、シェルター型の完全に外界と隔離された空間で自給自足生活を行う必要があり、空気孔等の不可欠な設備からゾンビネズミ等が侵入できない仕組みを用意する必要があります。ゾンビが昆虫類にまで及ぶ場合、人類の絶滅は免れないと考えられます。

↑やはり薄着は感染率が高い。噛みたくなるのか。噛み癖まで感染しないで欲しい。「ウォーキング・ザ・デッド」より。
6.おわりに
ムーに書かれた通り、古代においてゾンビが存在したならば、現在の文明が存続していることから、どうやらゾンビは寄生系ではないようです。
ともかくも現代マヤの人々は生き残っているわけですから、仮に古典期マヤ文明がゾンビによって崩壊したとしても、どうやら我々人類はゾンビに対抗して生存することが可能なようです。
現代社会においては古代よりも交通の便が良いですから、パンデミックを引き起こして世界的な問題にはなりそうですし、ゾンビ化の原因が生物的な何かである場合、いつか寄生系へ進化するという最悪なケースも考えられます。
人類が絶滅し、最強な寄生系ゾンビに支配された世界は、再び先史時代に突入するでしょう。であれば、ゾンビ種が消えた遠い未来に、どうやら考古学者の時代が再来しそうですね。例えそれが人ではないにしても。


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