2018ねん 5がつ 9にち(すいよーび、曇り)

一体、人とは何か?

ふと考えてみた。

人類にとって哲学的な重要命題である。

映画の中でジョーンズ博士の言葉を思い出した。

「真理を知りたいなら哲学教室に行け」と。

私は考古学者である。

すっと考えるのをやめた。

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古代エジプトのゲーム、セネト(ナショナルジオグラフィックのギャラリー写真から転載;(PHOTOGRAPH BY KENNETH GARRETT, NATIONAL GEOGRAPHIC


【目次】

  1. 拡散希望!「人とは何か?」の命題に答えを出した!&「ゲームの考古学」
  2. 古代エジプトのゲーム、セネトについて
  3. おわりに
 

1.拡散希望!「人とは何か?」の命題に答えを出した!&「ゲームの考古学」
大学生の頃、「人とは何か?」について講義を受けたことをよく覚えています。

  • 人間は考える葦である(パスカル)
  • ホモ・サピエンス、人とは考える生き物である(リンネ)
  • ホモ・ファーベル、人とは道具を作る生き物である(ベルクソン)
  • ホモ・ルーデンス、人とは遊ぶ生き物である(ホイジンガ)
  • ホモ・シンボリクス、人とは象徴を扱う生き物である(カッシーラー)


まぁ有名なところではこれくらいでしょうか。私たち人類の学名がホモ・サピエンス・サピエンスであるように、ここでの「ホモ」はラテン語で「人」という意味です。

私は上記の中でホモ・ルーデンス(遊戯人)が一番気に入ってます。

しかしながら私は学生の頃より、ホイジンガの考えたそれでは足りない!と思っていたのです。

単に「遊ぶ」だけなら、我が家の犬もボールとかおもちゃで遊んでます!

「人とは何か!?」

私にとって、「人とは遊びに本気になる生き物である」と思います。

スポーツとか、生物としての生業とは無関係なことに本気になれるのです。ガチで取り組むのです!

なので、人をこう呼称したく思います。「ホモ・ガチ・ルーデンス」と! 順番を間違えると大変なことになりますのでご注意を! ガチホモたちが戯れてしまいます。


それはそれで面白いし、需要ありそうだし、インパクト強いからそれでもいいですけども!()



とまぁ、人は古来より遊んでいたということで、新企画「ゲームの考古学」でもやってみようかなと思います。所謂「なんちゃって考古学」になると思います。


考古学の部分を「歴史」に取り換えれるアレですね。



そもそも考古学は「遊び」の研究には弱いのです。


最も古い遊びは恐らく、会話を楽しむとか踊るとかではないでしょうか。そうです、遊びの痕跡が遺らないのです。


ボードゲームといった有形のものであれば残ることもあります。でもルールが分からないのです。確かに考古学者による発掘調査でゲームが出土するわけですが、今回紹介する古代エジプトのゲームのように、ルールについては歴史学者が推定しています。


ゲームは考古学的な研究対象になりずらい傾向にあるわけです。


出土数が少ないことも関係しているでしょう。また研究がなされても、結論が「儀礼的な性格を有していた、強かった」といった、正直あまり面白くない結論に終わることもしばしばです(偏見があると思います。ゲーム研究者の方ごめんなさい)。


まぁということで、主に出土品の紹介になりそうですが、「ゲームの考古学」を始めます(。・ω・)ノ゙




2.
古代エジプトのゲーム、セネトについて
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↑新王国時代(紀元前1294~1279年頃)のセネト(ARTNEの記事内写真より転載)

この記事の最初に挙げた写真のセネトがツタンカーメン王墓に副葬されたセネトです。


上記写真のセネトの出土地点等は分かりませんでしたが、新王国時代(紀元前1567年 - 紀元前1085年)には護符の役割を有していて、副葬される習慣があったようです。



このセネトはエジプトの古代王朝の成立以前に誕生しており、その古さはなんと紀元前3500年になります。ボードゲームとして最古のものになります。



詳細は分かりませんが、このゲームは少なくとも新王国時代まで続いていますので、その寿命はおよそ2500年!日本はゲーム大国ですが、これほどのゲームは今のところ出てこなさそうですね。



まぁ人類が、日本が滅びなければ、いつの日か「人生ゲーム」とか「ドンジャラ」とか生き残りそうですけども!( ・Д・)


さて、このセネトのルールはと言いますと、こんな感じです。



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↑セネトの遊び方(ARTNEの記事内の図を転載)

簡単に言うと、レースゲームです。サイコロの代わりに「投げ棒」や「指関節の骨」を投げて駒を進めるそうです。


このセネト、現在のバックギャモンを始めとしてボードゲームの起源と言われています。


バックギャモンは明らかにサイコロを用いたレースゲームですし、日本の双六(すごろく)もマス目によって指示があるレースゲームですね。




3.おわりに

ゲームの起源は恐らく祭祀・儀礼目的だったと考えられています。


「サイコロ」の誕生はかなり早く、12000年前にはすでに存在したようです。その頃のサイコロは、現在のような正六面体ではなく、小石や木の実、動物骨等を用いた歪つな形状でした。


偶然による出目によって吉兆を占っていたのです。その後遊戯化したようです。古代エジプト新王国時代の事例のように、後に儀礼的要素が付加されるパターンもあるようですね。



さて、古代のゲームはそれなりの種類が確認されています。


どうしても時代的には新しいものが多いですけどね。


そうそう、古代マヤにもゲームがあるんですよ!それでは次回の「ゲームの考古学」をお楽しみに!(。・ω・)ノ゙


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