今回の考古学・歴史ニュースは、「京都の遺跡で14世紀の居館と巨大な堀が発見されたよ!」というお話です(*・ω・)ノ
発見の舞台は犬飼遺跡で、京都府の亀岡市曽我部町犬飼に所在しています。
上に挙げた写真で分かるように、かなり大きな範囲が調査されています。
それもそのはず、国営農地の整備を目的として約1400㎡もの範囲を調査したのですΣ(・ω・ノ)ノ
発見されたものは大きく3つです。
- 居館
- 堀
- 各種遺物
それでは、ひとつずつ見ていきましょう(。・ω・)ノ゙
1.堀で区画された方形居館
まず検出された居館は「方形居館」と呼ばれるもので、中世の時代に武士や有力者が居住したと考えられる建造物です。
出土遺物から帰属時期は13世紀後半~14世紀前半と推定されています。
つまり鎌倉時代の終わり頃から室町時代の前半期、南北朝時代の頃のものと考えられます。
方形居館が立地する敷地の周囲は堀で囲まれており、その堀によって敷地は明瞭に2つに区画されています。
大きな区画は約500㎡、小さな区画は約350㎡のサイズだそうです。
この2つの区画内からそれぞれ1棟ずつの建造物が検出されました。
検出された柱の跡(柱穴遺構)から、大きい区画に存在した大きな建造物は居住用の板張りの建物(母屋)であったと考えられます。
一方で小さい区画に存在したより小さな建物は太い柱が使用されており、用途の異なる建物であったと推定されています。
2.近畿最大級の巨大な堀
さて、堀は全部で3本確認されました。
最大幅が約8m、深さ約2mのV字形で、当該時期としては最大級の規模です。
当時、この堀には1m程度の深さで水が張られていた跡も確認されました。
3.様々な遺物、当時の高級品が出土した!
詳しいことは分かりませんが、堀が埋まらない程度に簡易のゴミ捨て場としても機能していたのかも知れませんね。
堀埋まっちゃうからダメ!って言われても楽して近場に捨てたくなるのが昔も今も人の心でしょうかΣ(・ω・ノ)ノ
この堀の中からは口径12~13cm程度の瓦器椀(がきわん)やわらじといった日常品が多く出土しました。
更には漆器や中国製の白磁や緑釉(りょくゆう)陶器といった高級品も出土しました。