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あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

タグ:クラウドファンディング

2023ねん 1がつ 29にち(にちよーび、晴れ)

後輩に話したら、それは大学生の若気の至りでやることだと言われてしまいましたヽ(TдT)ノ

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今回の考古学・歴史ニュース(!?)は国内研究費をクラファンで集める代わりに、人生でほとんどチャリ乗ってない研究者が無謀にもサンプリング調査しつつチャリで四国一周1000kmチャレンジするぜ!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ


さて、今回のタイトルは所謂 ”なろう系” みたいな超長い、内容が全部分かってしまうようなものにしてみました~( -д-)ノ




↑これがクラファンのサイト


上に挙げたように、これまではアカデミスト社のCF(クラファンの略語)を利用してマヤ文明、ティカル遺跡の調査研究のために色々とやってきたわけですが、

今回は国内調査のために新たにCFを行うことにしました。



上のものは諸事情により月額型なのですが、今回やるのは単発の寄付型です。

まだ公開していないので、今回の記事は事前の宣伝を兼ねております(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!



arukemaya1739
↑砂って色々違うのよ(。・ω・)ノ゙


何するの?どんな調査?

日本だと古墳時代以降、窯焼きが普及すると高温焼成された硬質土器が出てきます。

これは窯跡遺跡がたくさん見つかっていて、各遺跡の灰原で出土する土器片をそこの在地土器とした上で蛍光X分析などの手法を用いる産地同定法が確立しているといって過言ではないと個人的には思っています。



一方で野焼きによる低温焼成の軟質土器、つまり縄文土器とか弥生土器などの産地同定法は未確立です。

これは土器資料同士が胎土として似てる似てないは言えるけど、土地と結びつかないことが問題となっています。



土器の胎土を削って試料とする分析方法も詳しく分かって良いのですが、著名マヤ遺跡で国宝級の土器資料を扱う私としては「非破壊」の分析手法が好ましいのです。

なので、非破壊の分析手法を三つ、

①器形や文様などの ”見た目” を対象とした型式学的研究法

②胎土中の粘土という ”中身” に着目した蛍光X線分析法

③胎土中の砂粒鉱物という ”中身” に着目した岩石学的手法



を組み合わせた方法による胎土分析、産地同定法を実践しています。





これらの内、①は考古学者が普通にやっていることなので置いておくとして、②は機材があまりに高価(800万円くらい)なので置いておくとして、③が低予算でやりやすいのです。


ただ基礎データとして現在の各地域の河川・湖沼に堆積する砂粒の鉱物組成を明らかにする必要があるので、それが面倒くさいのです。

お金もかかるし、面倒くさいし、基礎研究だからお金獲れない、の3コンボなために日本ではなかなかやられていません。



日本だけではありませんが、土器資料は膨大に、まさに腐るほどあるので、それを活かせればな~と思っています。

あまり細かな産地同定はできないんですけど、小地域的、特徴的な鉱物組成分布の範囲で特定できるので、古代の地域間交流について型式学以外の手法で多角的に迫ることができるというのが利点です。




これまでは北海道本島、北海道の離島、沖縄、鹿児島の離島を対象にサンプリング調査を実施してきました。

今回は四国を一周して一回で四国のサンプリング調査を終えたいなと思っています!



arukemaya1738




何でチャリなの?

実は科研費で行っている場合は車を使ってます。

その方が早いので( ・Д・)



でも車だと一人で調査できないんですよ。

運転してると地形見れないし、露頭発見が難しいし、2級河川以下の河川は通り過ぎちゃうし、そもそも「わき見運転」になるし!




また今回はCFなので予算が40万円(手取り32万円)なので、研究協力者への謝金、交通費、宿泊費の捻出が困難なのです。

だから自転車なら一人でも何とかなるだろうなと、そんな軽い気持ちでやることにしました。

高い確率で筋肉痛で連日死んで、酷く後悔することになると思います。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン





おわりに サイエンスカフェの実施&プレゼントは何にしよう?


返礼とは違うんですけど、サンプリング調査旅行の最中に、四国の各県庁所在地でサイエンスカフェを実施しようかなと思ってます。

内容はマヤ文明に関する研究紹介と今回の調査内容の紹介になるでしょうか・・・



ちょうど来年、「マヤ・アステカ・テオティワカン」文明展みたいなのが開催されるそうで(メキシコ展なのかな?)、展示されるであろう遺物の説明でもいいかなと思ってます。

もちろん無料かコーヒー1杯分で実施しますので(各県の担当者等と相談します)、お近くの方は是非ご参加ください。



arukemaya1741
↑100均のコンタクトケースなんだけども、これにオリジナル/粗砂/細砂をそれぞれ入れようかと。


それと今回のCFは購入型なので何らかの返礼が必要なのですが、、、

基本的には先達者の例に従って「お礼の手紙(メール?)」とか「謝辞に記載」になると思うんですけど、それだけじゃつまらないので、、、

実際に取ったサンプルを処理して試料化したものをプレゼントしようかなと・・・


ちょっと欲しくない?( ・Д・)



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2019ねん 1がつ 25にち(きんよーび、雪)

研究環境を整えたい。

今の希望はただそれだけである( -д-)ノ


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【目次】
  1. はじめに -文系/人文科学の区分が大好きな日本-
  2. お金かかるよ、考古学(特に海外!)
  3. 私が欲しい物とその金額と理由
  4. 学術系クラウドファンディングの現実(/TДT)/
  5. おわりに


1.はじめに -文系/人文科学の区分が大好きな日本-
今回は「クラウドファンディングと考古学」というテーマでお話したいと思います!


IT化が進んだ現代社会では「人文科学なんて要らない!」なんて風潮もあり、何かと辛いニュースもちらほらと目にするようになりました。


この前見たのは、「人文科学は今まで楽に研究してきたのだ!」というものです。


『図書館』という巨大な組織に支えられて、「研究費なんて要らないレベルで研究できる最高の環境を整えられてきたのだ!」というのがその主たる主張でした。



まぁ確かに一理ある!


理系は研究史をさほど重要視しないって聞きますからね~。

医学史は医者の卵が効率的に勉強する上で重要と唱えられてから、実際にそれをやってきたのは文系だしね!

(そう考えると人文科学、役に立ってんじゃん!縁の下の力持ちだよ(/TДT)/



確かに図書館の役割は人文科学系の学問にとっての重要度は高いし、図書館の維持に莫大なお金がかかっているのも理解する!


だけど、何故に文系とか人文科学としてひとくくりにするの?(TДT)


考古学はお金かかるよ!ヽ(TдT)ノ


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2.お金かかるよ、考古学(特に海外!)
今回はほんとどれだけお金かかるかを暴露したいなと思います( -д-)ノ


研究を続けていると先輩、後輩が様々な理由で研究者の世界から離脱していくわけですね。

まぁ基本的にはお金だと思います。専門で就職できても忙殺されて時間が取れないというのが実態のようですね。


それでもやはり悲しいものです。寂しいものです・゚・(ノД`;)・゚・



そんな大事なお金と時間の問題ですが、私のケースをご紹介します。


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初めてマヤ文明の地に赴いたのが大学4年の春か夏でした。

23の時だったな~(*・ω・)ノ


私の大学の考古学研究室では4年は卒業論文に従事するために、3年までに卒業に必要な全単位(卒業論文を除く)を修得しておくことが暗黙の了解でした。

だから3年の内に行きたかったんですけどね、参加するプロジェクトの事情によりタイミングが悪く、4年に持ち越しました。



その先生に言われた航空券を買い、現地に行きました。


往復24万円でした(ヒューストン経由、グアテマラ行き)。



学生時代は塾講師のアルバイトをしてました。


海外行くために夏季講習(?)とか一番忙しい時期にお休みもらってましたね。

今思い返すと本当にありがたいことでした(〃・д・) -д-))ペコリン



現在は某大学の某教授がホンジュラス、コパン遺跡で実施するプロジェクトに参加しましたが、参加費用を払う必要がありました。


名目は「遺跡の保存・修復等のため」です。


1000ドル(米ドル)、約12万円でした。



滞在場所(ホームステイ先)も紹介してもらったところで、月6万円くらいだったかな~


(何か思い出してるだけで涙ちょちょぎれるヽ(TдT)ノ、てか文体が崩れてきたw まぁいいか、今回くらい、思い出話だし( ・Д・))


もちろん上に述べた額以外に、グアテマラからホンジュラスへの移動費、グアテマラ内での移動費(博物館見学)、ティカル遺跡への移動・入場・宿泊費と、全日程の食費がかかりました。



けっこう高いのが海外旅行保険!

期間長いと簡単に10万円超えるんですよ。なので慣れてきてから、入るの辞めました。大学には内緒ですw


まぁトータル60万くらいかな~。まぁ10年パスポート取得にも16000円とかかかってましたね




まぁ複数回慣れてなんだかんだ安く済ませられるようになっても毎年2回行って、80~100万円近くにはなってたように思います。


慣れてくると滞在期間が延びるのでこんなもん。だって航空券高いからたくさん居た方がお得なので(´・ω・`)







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博士課程になり、日本学術振興会の特別研究員(DC2)に採用されていた時期の助成金が月20万円でした。


税金が引かれるので、月16万円くらいです。


グアテマラ、ティカル遺跡で調査を行っていたので、法律上共同ディレクターとして現地考古学者を雇用する必要があり、月1000ドル(手数料込で12万円超えた)でした。


実際に2か月の発掘調査・ラボ作業を行うのに、許可等の書類処理の問題を含めて半年以上月12万円を払い続けました。



実際の調査の間は、発掘作業員さんを2人雇って月5万円(1ヶ月)、二カ月分の車両レンタル&ガソリン代(15万円)かかりましたね。


あとは発掘調査やラボ作業に必要な機材等を揃えるのにお金かかりましたね。トータル5万円くらいかな。

けっこう色々借りたりして節約しました。無償で貸してくれてありがとう!ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ ナカマ

特にトータルステーション!あれ、借りるとバカ高いから!( ・Д・)



もちろん別途、私の渡航費、移動費、滞在費はかかります(この辺りは頂いた研究費でまかないました)。


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以上、私が地球の裏側まで行って、調査する時の必要経費ですね。


今まで自分で払った分だけでも500万円は超えてるのだろうか。

まぁお金かかるんですよ!海外の考古学( ・Д・)


ティカル遺跡はマヤ文明で最も有名な遺跡ですからね。ビッグネーム過ぎてまぁ多少はしゃーなし!( ・Д・)







3.私が欲しい物とその金額と理由
考古学はお金がかかるって話から急に飛びますけど、私が今欲しいのは「蛍光X線分析装置」です。ハンドヘルドタイプのやつですね。


(どのような研究をこれまでしてきて、具体的に何故これが欲しいのかについては次回にします(*・ω・)ノ)



これがいくらするかというと、定価で700万円超えるのです。


最新の技術を使った研究をしたくても、これじゃあ若手用の研究費じゃ逆立ちしても足りない!

ちなみに中古品だと250万円(税込み270万円)です。増税すると300万円かな( ・Д・)

この分析装置は何ができるかというと、ざっくり言うと対象試料の化学組成が分かるのです。


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最近は某先生のおかげかマヤ文明に関する概説書も増えてきましたが、その中で古代マヤ文明に関してこれまでに具体的に様々なことが分かっていることが記載されています。

しかし考古学な研究成果の下積みがあるとは言え、現行のマヤ文明観の華々しい部分の多くは碑文研究成果によるものです。


マヤの碑文は当時の経済に関する記述がほとんどないため、往時の経済の理解については考古学研究に期待されるわけですが、これが如何せん進んでいないのです!



簡単に言うと、蛍光X線分析による土器の分析、つまり胎土分析によって数多ある『土器の出所』を判定し、土器経済(土器の生産と流通)について明らかにしたい!ってことです。



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4.学術系クラウドファンディングの現実(/TДT)/
ということで、今脳内にある研究をするために(分析装置を使った新しい方法論も考えてある!( ・´ー・`)ドヤァ)、流行りのクラウドファンディングもいいなと思ったわけです。


『学術用』のクラウドファンディングのサービスも展開していて、今や外部研究費の獲得方法の一つとして確立しつつある状況と言えます。


税金対策として活用できるならば更に発展しそうですが、まだ法整備の方が追い付いていないですね( -д-)ノ




さて、クラウドファンディングで100万円以上とか1000万円集めたとか話を聞くわけですよ!


で、実際に調べてみると、『学術用』のクラウドファンディングの相場は50万円程度だそうです。


ただし達成率(会社による)は80%程度なので、科研費の採択率よりずっといいですね!


まぁただ、私の目標額には遠く及ばない!( ・Д・)

そして達成率が高いのは『寄付型』ではなく、『購入型』と呼ばれるもの。

つまり何らかの対価を用意しなくてはなりません。


世の中甘くないってことですねヽ(TдT)ノ



5.おわりに
と、いうことで、まぁなかなか現実は厳しいですけどね、何とかやっていくしかない!

堅実に貯金して自分で買うかなとも……

この基礎研究だけでもライフワークになるからね!(。・ω・)ノ゙


次回クラウドファンディングや私の研究について詳しく紹介していこうと思います。

どうかお付き合いくださいヾ(´ω`=´ω`)ノ

↓安心してください!ここをぽちっとしてもお金はかかりません(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!↓

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