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あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

タグ:古代エジプト

2019ねん 2がつ 10にち(にちよーび、晴れ)


今日の昼間は日差しが暖かだった。


その分、夜は冷え込むように感じる。


路面はつんつるてんである( ・Д・)



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↑古代の妊娠検査方法が記されたパピルス(「CNN.co.jp」の記事内画像より転載;Credit: Courtesy The Papyrus Carlsberg Collection)( ・Д・)



今回の考古学・歴史ニュースは『古代エジプト人はホルモンの働きを理解していたよ』ってものです。



現在の妊娠検査薬は薬局等で販売していますが、尿をかけて判定するものです。

これは検査薬が、尿に含まれる「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」という妊娠中に生産されるホルモンに反応するように作っているためなのです。


何とこの尿による妊娠検査の方法は3500年前の古代エジプトでも用いられていたことが分かりました!


コペンハーゲン大学には古代エジプトにおけるパピルスのコレクションがあり、1400枚に及ぶそうです。パピルスに記されたヒエログリフの解読1939年から始まったものの、古代の医療に関する記述について未解読でした。


今回の妊娠検査方法について記されたパピルスは、膨大なコレクションの内の古代エジプト新王国時代(BC1500-BC1300)に掛かれたと考えられるものです。

古代エジプトにおける妊娠検査方法は、「袋に入れた大麦とエンマー(小麦の一種)にそれぞれ尿をかけて判定するもので、どちらかが育てば女性は妊娠している」と分かるとあります。


また「大麦が育てば男の子、エンマーが育てば女の子が生まれること、どちらも育たない場合は妊娠はしていない」と記されています。




何故、尿をかけて穀物類が成長するかというと、妊娠することで尿に含まれる女性ホルモンのエストロゲンが増え、このホルモンが穀物の成長を促進させる働きをしているとのこと。


古代エジプト時代の医学としてホルモンに対する明確な知識があったわけではないでしょうが、実際に妊娠した女性に起こる変化を経験知として蓄え、妊娠検査方という実践にも活かしていたのでしょう。



ちなみにこの麦類を使った妊娠検査方法は1963年に実際に研究者らが実験を行ったそうで、70パーセントの確率で妊娠した女性の尿によって穀物が発芽したと報告しているそうです。


しかしながら胎児の性別判定については正しい知識とは言えないようです。まぁ当たっても外れても50%ですしね( -д-)ノ




現代では妊娠検査薬だけではなく、医師による触診や超音波検査といったもので複合的に判断しますが、男女の差は妊娠初期には分からないものです。


およそ16週~20週でエコー検査による写真で男女の判別がつくようになると言われています。


古代エジプトの方法で早い段階で男女差が分かると面白かったのですが、なかなか上手くいかないものですね( -д-)ノ


↓「歩け、マヤ」的産み分け祈願……男の子は左、女の子は右で( ・Д・)↓

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2018ねん 10がつ 22にち(げつよーび、晴れ)

面倒くさがって使っていなかった加湿器を稼働させた。

効きそうな龍角散のど飴をなめてみた。

あとは長ネギとかニラとか風邪に効きそうな食材を食べてみようかな。

これ以上、体調を悪化させるわけにはいかないのだよ!( ・Д・)

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今回の考古学・歴史ニュースのテーマは、「世界最古の養殖」についてです!

これまで世界最古の魚の養殖は中国において、約4000年前に行われていたとする説があります。しかしながら具体的な証拠に乏しいことが問題でした。

そもそも養殖とは、生物を、その本体または副生成物を食品や工業製品などとして利用することを目的として、人工的に育てる産業です。 鑑賞や愛玩目的で育てる場合は含みません。

まぁ簡単に言えば、最終的に食べるために育てるってことですね。実際には例えば、サケの白子は主にDNAやプロタミンの抽出材料として利用され、核酸系調味料、強化剤、保存料、工業原料に利用される他、含まれるリン酸がレアアースの吸着を高めるため工業利用されています。

この場合食べてませんけど、利用してます。これも養殖に含まれます!ただ古代史においては気にしなくて良さそうなので、分かり易く、食べるために育てるのが養殖、アクアリウムみたいな観賞用は別!としましょう。

本来の養殖の定義としては生物全般が対象のようですが、一般的にはやはり魚介類や海藻などの水棲生物を想像しますよね。今回の場合は対象が魚ですので水産養殖の最古の事例になります。


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さて、3500年以上前のエジプトで水産養殖が行われていた可能性を指摘する研究成果が発表されました。現在のイスラエルにあたる地域の複数の遺跡から出土した魚の歯100個を調査し、それらがエジプト・シナイ半島の潟湖で養殖された魚であると推定したのです。

シナイ半島っていうのは紅海に突き出した半島ですね。最初に挙げた写真の通り、非常に美しい遠浅の海岸で、現在は一大リゾート地になっています。

シナイ半島の一帯ビザが不要で、リゾート地としてエジプト政府によって治安対策も十分になされているようで人気の観光スポットだそうです。

 


今回の分析対象となったのはタイの仲間でヨーロッパヘダイと呼ばれる魚です。ヨーロッパでは非常に一般的な白身魚で生食、蒸し焼き、オーブン焼きと様々な食べ方があるそうです。日本におけるタイのような高級魚とは扱い方が異なるようですね。

この魚の歯の標本は多量に集成されていて、新石器時代から初期イスラム時代に至るまでの約1万年に及ぶ組列が組まれているそうです。このタイムスケールを用いた結果、研究究対象となった標本の一部が約3500年前のものと同定できたとのことです。

気になる古代の水産養殖業の方法ですが、シナイ半島の潟湖で現在も用いられている手法と同じように、当時においても魚が入ってくる潟湖を見つけて、数か月間封鎖するという手法を用いていたと推測しているとのことです。


対象試料であるヨーロッパヘダイの歯に含まれる異なる種類の酸素同位体を調べた結果、これらの魚が閉鎖された潟湖の中で4か月間以上過ごしていた可能性が高いことが示されたそうです。

また古代エジプトでは約3500年前にすでに養殖した魚のサイズの規格化が行われており、エジプトから輸入された魚がすべて皿に合うサイズだったことを指摘し、現代の水産養殖で育てられた魚にみられることと全く同じであるとしています。

加えて、遺跡で見つかったヨーロッパヘダイの大半は、地元の漁ではなく、養殖によってもたらされたものだったことが推測されることから、当時のエジプトが水産養殖の大国だったことも考えられるとしているそうです。


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現在の日本のスーパーでも、魚や野菜のサイズって規格化されてますよね。特に野菜の場合は形が悪いものは売り物にならなかったり、特価で売ったりされる現状があります。

古代エジプトにおいてもそのように養殖魚の規格化があったとするなら凄いですよね……


恐らく追い込み漁か時期的な特性によってお魚がシナイ半島の浅瀬に寄ってきて、それを封鎖する。4か月後に漁労活動によって一気に取りまくる。すると自動的に毎年ほとんど同じサイズの魚が獲れる気もするのですけどね( -д-)ノ

もし養殖魚が年中捕れていたと判断できるのならば、小さな個体はリリースしていたでしょうからサイズの規格化が行われていたということになりますが、今後の研究の進展に期待します。対象試料の魚の歯は100点ですしね。


個人的には「皿に合うサイズ」というのが気になりますね。エジプト考古学では魚を載せる専用の皿が同定されていて、その皿が専業工人によってサイズ規格化の下、大量生産され、周辺遺跡においても同様の規格化が行われる、あるいは専用皿の搬出が行われていたのでしょうか……( -д-)ノ

少なくとも我が家では載せる魚のサイズや調理法に合わせて器を変えますけどね( ・Д・)

↓リゾート地でのんびりしたい人~?(。・ω・)ノ゙ホイホーイ!↓

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2018ねん 5がつ 8にち(かよーび、晴れ)

仕事がいっぱいである。

今日は夜まで働かねばならないだろう。

ところで「何かを楽しみに生きる」ことは大事だそうだ。

私は次の(来年の)ゴールデンウイークがすでに待ち遠しい。

…これで来年まで頑張れそうだ。

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↑ツタンカーメン王墓内の写真。赤丸部にてツタンカーメンは壁画内でオシリスの姿で描かれている。(ナショナルジオグラフィックの記事内写真より一部加工;Photograph by KENNETH GARRETT, NATIONAL GEOGRAPHIC

【目次】
  1. 本当?ツタンカーメンの墓に隠し部屋はないと結論付けられる!
  2. 勃起したミイラ、ツタンカーメン王の死について
  3. おわりに


1.本当?ツタンカーメンの墓に隠し部屋はないと結論付けられる!
これまで紀元前14世紀の古代エジプト王ツタンカーメンの墓には未発見の部屋が存在するかも知れないと指摘されてきた。しかしイタリア研究チームの調査結果を基に、エジプト考古省は隠し部屋は存在しないと結論付けました。

隠し部屋の存在について指摘したのはイギリス人考古学者のニコラス・リーブスです。2015年に、ツタンカーメンの墓には隠し部屋が2つあり、ツタンカーメンの義母とされる伝説の美女ネフェルティティ王妃が埋葬されている可能性があるとの新説を発表し、国際的な注目を集めていました。

この説に対して日本の研究チームがレーダーによる調査を行い、隠し部屋が高い確率で存在すると主張していました。次にアメリカの研究チームが再調査を行い、隠し部屋はないと主張していました。

今回のイタリアの研究チームによる再調査はこの論争に終止符を打つためのものであり、隠し部屋はないと結論付けたのです。

さて、ここでふといくつかの疑問が浮かびます。

一点目に、エジプト考古省ってそんなに権力が強いの?ということです。イタリアの研究チームが自らの成果を公表するのは分かります。何故、考古省が結論付けるのかが理解できません。

エジプト考古省は、「世界ふしぎ発見!」等の日本の番組で古代エジプトを扱う時によく登場する組織です。また番組によく登場するザヒ博士(ザヒ・ハワス)が大臣を務めていた組織です。

エジプト考古省は2011年にムバラク大統領の下で、考古最高評議会を母体として発足した組織です。その目的はエジプトの古代遺産の保全や盗難のリスクに対処するためです。

考古最高評議会ってすごい名称ですけど、エジプトにおける考古遺跡の発掘およびそこから発見された発掘品などもあわせた保護、規制、保存のための組織です。

ツタンカーメンの墓の保全のために、これ以上のレーダー調査や試掘は認めないということなのでしょうか?

二点目に、現段階で結論付ける意味はあるのか?ということです。近年の科学技術の発達は目覚ましく、これから先もどんどん優秀な地中レーダー機器が出てくることでしょう。

論争に終止符を打つというのは「いかにも」な表現でカッコイイですけど、何故今なのでしょうか?新説が登場してから僅か3年ですし、結論を急ぎ過ぎではないかと思います。

しかも2015年当時は、レーダー画像解析の結果として隠し部屋や隠し通路状のものが存在する可能性は90%以上と発表していたのに、突如手の平を返しました。

またこのイタリア研究チームによる調査は3回行われていて、3回目だけが報告されています。1、2回目の結果はどうだったのでしょうか?

エジプトでは新しい博物館が開館予定ですし、エジプトにとって観光資源による外貨獲得は国家としても非常に重要なものです。また現在のエジプト考古省大臣であるカレード・アル・アナニは、最重要課題として考古省の財政赤字の解消を挙げています。

ネフェルティティの発見は間違いなく21世紀最大の考古学的発見として世界中の注目を受けるでしょう。もしかしたら何かしらの政治・経済的な意図で、「タイミング」を操作しているのかも知れませんね。


2.勃起したミイラ、ツタンカーメン王の死について
ツタンカーメンは1922年にハワード・カーターによって発見されました。それ以来、古代エジプトで最も有名なファラオとして現在も研究者や多くの人々の関心を集めています。

王墓には素晴らしい財宝がたくさん副葬されていたことも注目に値するでしょう。純金製の棺桶とマスクが有名ですが、他にベッド、玉座、二輪戦車、弓、食料、ワイン、サンダル、リネンの下着など5398点に及ぶ副葬品が確認されていますここではその一部を紹介しますね。
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↑ツタンカーメン王に捧げられた宝物の一部(いずれもナショナルジオグラフィックの記事内写真から転載;Photograph by KENNETH GARRETT, NATIONAL GEOGRAPHIC

さて、ツタンカーメンは9歳の若さで第18王朝のファラオとして即位し、19歳で亡くなったと言われています。CTスキャン等のミイラに対する調査によって推定死亡年齢が19歳となっているのです。

また骨のDNAサンプルからケーラー病(足の甲にある、舟状骨という骨に炎症が起こる疾患)を患っていたことが分かっています。またDNA鑑定やコンピューター断層撮影装置 (CT) の調査によって、骨折にマラリア(熱帯熱型)が重なって死亡した可能性が高いことが指摘されています。

しかしながらツタンカーメンの死については不自然な点も多く一種のミステリーとして扱われています。

ひとつの可能性として、ツタンカーメンは殺され、政治的プロパガンダとして利用されたのではないかという指摘がサリム・イクラムによってなされています。

古代エジプトでは、ファラオは在位中はホルス神の化身であり、死後はオシリス神になると考えられていました。ツタンカーメンは死後にオシリスとして埋葬されるというパフォーマンスによって、ファラオの権力の維持と増強に貢献したのかも知れません。

カーターの記録によれば、最初、ツタンカーメンのミイラは性器が90度に勃起した状態でした。恐らくこれは防腐処理をした際に意図的に勃起したように見えるように形を整えたと考えられています。オシリスの豊穣性を象徴したもののようです。

俗に言う「テントを張った状態」で埋葬されるのは勘弁して欲しいものですね。しかもカーターと解剖学者のダグラス・デリーがミイラの検査をした際に、性器が体からぽろっと落ちてしまったそうです。想像しただけで笑えます。そして男としてはなんだか悲しい気持ちになりますね。ヽ(TдT)ノ


3.おわりに
エジプト考古学の現地事情がよく分かりませんが、やはり国が絡んでくると調査・研究の実施自体が困難になるようですね。

中米でもメキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、ベリーズと観光資源による外貨獲得は非常に重要です。特にメキシコやグアテマラではテオティワカンやマヤ遺跡を観光地として推しています。

考古学が現代社会の中で何の役に立つのか?なんてよく言われますし、私たちも研究成果の社会還元の形を考え、実践していかなければなりません。

でもこうしてみると、近年特に人類学や考古学が軽んじられるのは大部分がアメリカや日本の話なのかも知れません。産業が国家経済の主体であり、自国が保有する古代遺跡の世界的な観光地化が十分に行われていない国での話なのかも知れません。

日本には活発な建設工事に伴う膨大な緊急発掘によって莫大な量の出土資料があり、その管理に困っている現状があります。発掘資料や研究成果を上手に活かした世界的な観光地となり得る新たなアトラクションとしての考古学博物館ないしアミューズメントパークの構想が、考古学と現代社会を強く結び付けることに繋がるのではないでしょうか?またそこに日本考古学の未来がかかっているのかも知れません。

↓(*・ω・)ノぽちっとな!ホイ!それ、ぽちっとな!(。・ω・)ノ゙↓

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