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あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

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2023ねん 5がつ 4にち(もくよーび、晴れ)

GWだね!全然関係ないけどみんな応援して!( ・Д・)

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四国一周メイン画像 (縮小版)

↑いや、実際チャリはキツイな( ・Д・)


今回の考古学・歴史ニュースは「国内研究費足りないから助けて!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ


さて、今回の舞台は北海道です。

私はマヤ研究がメインですのでグアテマラで調査してますけども、日本国内でも調査研究しています。

国内では主に土器の胎土に含まれる砂粒鉱物を顕微鏡で観察して鉱物組成を明らかにし、河川湖沼に堆積する砂や粘土の鉱物組成と比較することで土器の生産地を推定するという研究を行っています。



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砂ほり博士_190419_0025


まぁこんな感じでこれまで北海道と礼文島、沖縄本島、鹿児島の奄美大島でサンプリング調査を行ってきました。

ひたすら河川や湖沼を回ってサンプルを集め、処理後に顕微鏡観察を行っていきます。




これまでに日本国内では100点以上のサンプルを集めています。

それまでに何度、沼にはまったり、川に落ちたり、ぬかるみで滑って派手にコケて流血したことか、、、ほんと全身ドロドロになって悲しい気持ちになりましたよヽ(TдT)ノ





砂ほり博士_190419_0040
↑これは羊蹄山!きれいでしょ?ヾ(´ω`=´ω`)ノ



今回は北海道の話です。

北海道は大きいのでまだサンプリング調査を完了していませんが、まぁ車使って2週間くらいかければ終わるかな~という見込みでいます。

今年がある意味自由に研究活動できる最後の年かも知れないので、片付けてしまおうかなとも思っています(*^・ェ・)ノ

たぶん……




日本最古級の土器


北海道での資料調査は色々な場所で様々な時期の土器を対象にしているので、ネタはつきないのですが、今回紹介するのはわかりやすい2点です。


ひとつが上に挙げた地図にある、帯広市と遠軽町に関するお話です。




この2つの地点では日本最古級の土器である爪形文土器が出土しています。

縄文時代草創期相当で約1万3000~1万4000年前の土器です。




上の画像だと分かりにくいかもしれませんが、帯広市と遠軽町はかなり離れていますし、その間を高い山が二者を隔てるようにそびえ立っています。

北海道の真ん中には大雪山系の山々が連なっており、それを始点にたくさんの河川が発達しています。





雪解け水も豊富なので北海道はたくさんの綺麗な水に恵まれているわけです。

ちなみに、そのため日本の有名なお菓子屋さんの本店がたくさんあります。

北海道の田舎にデカい工場と共にあるわけなので、まぁ地代の関係もあるのかも知れませんね( -д-)ノ








さて、実はこの爪形文土器は非常に古いにも関わらず全国的に見られるものなのです。

つまり縄文草創期段階ですでに海さえ超えた長距離間のコミュニケーションがあった可能性があります。

それを実際に「モノの移動」で証明できたら面白いですよね?




まだまだ全国規模の研究には至っていませんが、とりあえず北海道の事例ではモノの移動がありそうです。


というのも土器の胎土(簡単に言うと焼成された粘土)を顕微鏡観察してみると、帯広市や遠軽町で出土した爪形文土器には上に挙げた写真にあるような金雲母を含むものと含まないものがあることがわかります。





そこで河川に堆積する砂粒鉱物サンプルを顕微鏡観察して鉱物組成を明らかにしたところ、帯広市側の河川は金雲母を含まないことがわかりました。

他方で山を隔てた北の遠軽町を流れる湧別川は多量の大粒の金雲母を含むことがわかりました。




まだ同地域におけるサンプリング調査が完了しているわけではありませんが、現在までのところ、1万4000年前頃の爪形文土器を作り使った人々は高い山を越えて交流があった、あるいは重い土器を運びつつ移動生活を行った可能性が示唆されるのです。




まぁ私が国内でやってる研究はこんな感じのものです。


少しわかってきました?


じゃあ次は礼文島のお話です(*・ω・)ノ






海を隔てた交流

礼文島は北海道本島の北北西にあります。

最高級ウニの馬糞ウニで有名ですね。

あとはホッケのちゃんちゃん焼きかな。




前回調査行ったときにホッケのちゃんちゃん焼きを食べたけども美味しかったですよ。

札幌人としてはシャケのちゃんちゃん焼きが基本なので物珍しさもありました。




さて、そんな海鮮系の美味しいものでいっぱいの礼文島にもたくさんの歴史があります。



arukemaya005




上に挙げたように礼文島には有名な縄文遺跡が見つかっています。

島ですからやはり漁労が重要で、貝塚のようなアルカリ性の堆積物が豊富なため、通常は残らないようなレアな遺物が残っていたりすることで知られています。




さて、そんな礼文島にはメノウ浜という地点がありまして、メノウが流れ着くのです。




綺麗ですから、観光客がこぞって拾って行ってしまうそうで、そのため、、、

地元の人との約束で論文以外の公言は避けなければならないのですが、、、




メノウの産出地がおおよそ分かっていて、メノウが拾える地点がメノウ浜以外にもあることがわかっています。

それでもそうしたメノウを拾える地点は極限られています。







私がメノウ浜に堆積する海岸砂を採取して確認したところ、おそらくはメノウ由来と思われるキラキラと綺麗な石英や長石を多量に含んでいることがわかりました。

まだメノウのサンプルを砕いて観察していないのですが、それは今年これからやります。

あと礼文島での土器資料に対する顕微鏡観察も今年実施予定です。




もし礼文島出土の土器にメノウ由来と思われる石英や長石を多量に含む土器や含まない土器があることがわかれば、土器の産地を推定することができます。

また礼文島の遺跡で見つかっている土器型式は北海道本島にも分布しています。




今後の分析次第では礼文島で作られたメノウ由来胎土の土器が、最寄りの稚内市や遥か遠く札幌市まで運ばれていたことが明らかとなる日が来るかも知れません。


まぁそんなこんなで私が国内でやっている研究について少しでもわかってもらえたら幸いです。




やっぱりメインはマヤ文明、ティカルだし、今は考古学理論の構築が楽しくてしょうがないっていう時期なんですが、、、

この産地同定研究も本来マヤ研究で使用するために考案したもので、それを日本で練習しつつ、有効性を確認しているものです。

なので無関係ではないのです。




そして現在構築中の考古学理論は日本の古代社会~現代社会へと応用する予定ですのでそういう意味でも大いに関係してきます。

最近始めたばかりではありますが、

「がんばれ人文科学」という御旗の下、私たちの身の回りの現代社会問題と乖離しない研究、「役に立つ考古学」ないし歴史学を志すものなので、

もしマヤ文明研究やそういったSDGs的な社会科学研究に興味関心のある方のご支援もお待ちしております( -д-)ノ





↑ぜひ応援してね!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!



おわりに 良かったらご支援お願い致します!

ここ数年はコロナ禍の関係で海外調査用の予算を国内調査に利用できていたのですが、現在はそういうわけにもいかない状況です。

これまでは車で周れましたし、研究協力者の同行もお願いできていましたが、今回はお金がないので自転車で四国を周ってサンプリング調査を行いたいと思います。




正直言うと私、ほとんどチャリに乗ったことがなく、チャリ筋がないのですよね。

だから国周ったら全身筋肉痛で死にますね( -д-)ノ




四国のそれぞれの県では講演会もやる予定なので参加無料ですし、良かったらご参加ください。

内容はたぶん産地同定の話が少々で、ティカル調査や新しい考古学理論の話がメインになるかと思います。




何はともあれ、

研究がんばろ!( ・Д・)



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2023ねん 1がつ 29にち(にちよーび、晴れ)

後輩に話したら、それは大学生の若気の至りでやることだと言われてしまいましたヽ(TдT)ノ

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今回の考古学・歴史ニュース(!?)は国内研究費をクラファンで集める代わりに、人生でほとんどチャリ乗ってない研究者が無謀にもサンプリング調査しつつチャリで四国一周1000kmチャレンジするぜ!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ


さて、今回のタイトルは所謂 ”なろう系” みたいな超長い、内容が全部分かってしまうようなものにしてみました~( -д-)ノ




↑これがクラファンのサイト


上に挙げたように、これまではアカデミスト社のCF(クラファンの略語)を利用してマヤ文明、ティカル遺跡の調査研究のために色々とやってきたわけですが、

今回は国内調査のために新たにCFを行うことにしました。



上のものは諸事情により月額型なのですが、今回やるのは単発の寄付型です。

まだ公開していないので、今回の記事は事前の宣伝を兼ねております(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!



arukemaya1739
↑砂って色々違うのよ(。・ω・)ノ゙


何するの?どんな調査?

日本だと古墳時代以降、窯焼きが普及すると高温焼成された硬質土器が出てきます。

これは窯跡遺跡がたくさん見つかっていて、各遺跡の灰原で出土する土器片をそこの在地土器とした上で蛍光X分析などの手法を用いる産地同定法が確立しているといって過言ではないと個人的には思っています。



一方で野焼きによる低温焼成の軟質土器、つまり縄文土器とか弥生土器などの産地同定法は未確立です。

これは土器資料同士が胎土として似てる似てないは言えるけど、土地と結びつかないことが問題となっています。



土器の胎土を削って試料とする分析方法も詳しく分かって良いのですが、著名マヤ遺跡で国宝級の土器資料を扱う私としては「非破壊」の分析手法が好ましいのです。

なので、非破壊の分析手法を三つ、

①器形や文様などの ”見た目” を対象とした型式学的研究法

②胎土中の粘土という ”中身” に着目した蛍光X線分析法

③胎土中の砂粒鉱物という ”中身” に着目した岩石学的手法



を組み合わせた方法による胎土分析、産地同定法を実践しています。





これらの内、①は考古学者が普通にやっていることなので置いておくとして、②は機材があまりに高価(800万円くらい)なので置いておくとして、③が低予算でやりやすいのです。


ただ基礎データとして現在の各地域の河川・湖沼に堆積する砂粒の鉱物組成を明らかにする必要があるので、それが面倒くさいのです。

お金もかかるし、面倒くさいし、基礎研究だからお金獲れない、の3コンボなために日本ではなかなかやられていません。



日本だけではありませんが、土器資料は膨大に、まさに腐るほどあるので、それを活かせればな~と思っています。

あまり細かな産地同定はできないんですけど、小地域的、特徴的な鉱物組成分布の範囲で特定できるので、古代の地域間交流について型式学以外の手法で多角的に迫ることができるというのが利点です。




これまでは北海道本島、北海道の離島、沖縄、鹿児島の離島を対象にサンプリング調査を実施してきました。

今回は四国を一周して一回で四国のサンプリング調査を終えたいなと思っています!



arukemaya1738




何でチャリなの?

実は科研費で行っている場合は車を使ってます。

その方が早いので( ・Д・)



でも車だと一人で調査できないんですよ。

運転してると地形見れないし、露頭発見が難しいし、2級河川以下の河川は通り過ぎちゃうし、そもそも「わき見運転」になるし!




また今回はCFなので予算が40万円(手取り32万円)なので、研究協力者への謝金、交通費、宿泊費の捻出が困難なのです。

だから自転車なら一人でも何とかなるだろうなと、そんな軽い気持ちでやることにしました。

高い確率で筋肉痛で連日死んで、酷く後悔することになると思います。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン





おわりに サイエンスカフェの実施&プレゼントは何にしよう?


返礼とは違うんですけど、サンプリング調査旅行の最中に、四国の各県庁所在地でサイエンスカフェを実施しようかなと思ってます。

内容はマヤ文明に関する研究紹介と今回の調査内容の紹介になるでしょうか・・・



ちょうど来年、「マヤ・アステカ・テオティワカン」文明展みたいなのが開催されるそうで(メキシコ展なのかな?)、展示されるであろう遺物の説明でもいいかなと思ってます。

もちろん無料かコーヒー1杯分で実施しますので(各県の担当者等と相談します)、お近くの方は是非ご参加ください。



arukemaya1741
↑100均のコンタクトケースなんだけども、これにオリジナル/粗砂/細砂をそれぞれ入れようかと。


それと今回のCFは購入型なので何らかの返礼が必要なのですが、、、

基本的には先達者の例に従って「お礼の手紙(メール?)」とか「謝辞に記載」になると思うんですけど、それだけじゃつまらないので、、、

実際に取ったサンプルを処理して試料化したものをプレゼントしようかなと・・・


ちょっと欲しくない?( ・Д・)



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