あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

    お金にならない考古学をお金にしよう╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ ! 考古学・歴史ニュースの決定版╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

    文化遺産保護

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    2025ねん 10がつ 16にち(すいよーび、くもり時々雨)

    まだまだカツカツな生活続くぜ!( -д-)ノ

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    今回の考古学・歴史ニュースはたくさん掘ったらたくさん出たよ!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ



    📰はじめに

    ── 土と陶が紡ぐ“暮らしの声”が、一斉に目を覚ました日。──


    「考古学って面白いのは、掘れば掘るほど“当時の生”が立ち上がってくるところだよね」——そんな語りかけが聞こえてきそうな発見が、中国北西部で相次ぎ報告されました。今回の発掘では、仰韶文化(紀元前約5000〜3000年)にかかわる中期層の集落跡で600カ所余りの歴史的痕跡が確認され、住居跡、竪穴住居、焼成遺構、墓葬、土器群などが次々と明らかになっています。考古資料は単なる「遺物」ではなく、その社会の食・技術・儀礼・格差までをそっと覗かせてくれる窓なのです。





    🗺️ 発見の舞台 — どこで、どんな調査が行われたのか

    今回の発掘は中国北西部、陝西省(渭南市)などを含む地域での系統的な調査・発掘の成果報告としてまとめられています。地方の考古研究院や国の文化財調査(例:第4次全国文物普査の一環)により、旧石器〜新石器〜青銅時代にかけての痕跡が再検討され、今年度の発掘で仰韶文化中期に属する集落跡が大規模に確認され、600カ所以上の特徴的痕跡が特定されたと報じられました。これらは住居基底、竪穴・炉穴・貯蔵穴、墓域、陶器窯址などを含みます。






    🧱 出土のハイライト — なにが出たのか(暮らしの断片)

    調査チームが公表した情報を総合すると、発掘現場からは次のような要素がまとまって確認されています。

    • 住居基底(円形・半地下式住居など)や家屋群の配置:仰韶文化期に特徴的な円形・半地中式の住居跡が数多く検出され、集落の空間構成や住居規模の多様性がうかがえます。

    • 炉穴・焼成遺構、陶窯・陶器群:土器の大量出土、焼成跡、炭化植物・穀実の痕跡など、食と生産にまつわる物証が豊富です。炭化粟類の残存は、当時の主食(雑穀・粟類)を裏付けます。

    • 墓葬群と副葬品:一定の埋葬慣行が認められ、個体間の副葬品差から墓制の差、社会序列の可能性が示唆されます。

    • 石器・骨角器・装身具類:道具類は日常の生産・加工活動を示し、地域間の文化交流や交易の痕跡を示す素材も報告されています。

    これらは単発の「かけら」ではなく、集落の全体像(集中的な生業、貯蔵・調理・儀礼空間)を復元するのに十分な情報を含んでいます。




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    ↑どこにでも土製お面はあるね!( ・Д・)(「livedoor news」の記事内画像より転載; credit: Record China)



    🔬 年代測定と文化的帰属 — 本当に「仰韶」なのか?

    報告では遺跡層の含意(層位)と出土物の形式学的比較、そして可能なところではAMS放射性炭素年代測定や層位学的照合を行っているとされ、中期仰韶文化(おおむね紀元前5000〜3500年の括り)に属する遺物群として扱われています。


    学術的には、土器装飾様式(魚・渦・植物モチーフなど)と住居形態、出土穀類の同位体・炭化植物資料を総合して時期帰属が行われます。今回の検出は、仰韶文化が北西部のローカル変異を伴いつつ広域にわたって展開していたことを改めて示す結果です。






    🧩 なぜ重要か — 研究的・社会的インパクト(ざくっと整理)

    1) 集落規模と社会複雑性の再検討

    今回のように多数の住居基底や機能区画が確認されると、当該地域が単なる小規模農村ではなく、一定の社会的分業や祭祀・集会機能を持つ中核集落であった可能性が高まります。これは「仰韶文化=散在的村落」という古典的イメージを微修正します。


    2) 食料生産と環境適応の記録

    炭化穀類や穀物貯蔵遺構の情報は、雑穀(特に粟・きび)を中心とする新石器時代の農耕文化の強化と、乾燥地や黄土高原的環境への適応戦略を復元する鍵になります。安定同位体解析やフローテーションによる植物遺存体分析は、既に他の遺跡で行われているように(Jiangliu 等)、同地域研究と連動することで精密な食料史を示します。


    3) 地域間交流と物質文化の拡散

    石器装飾・材料の一部には遠方起源を示す可能性があり、広域的な交流ネットワーク(原材料や工芸技術の移動)の存在を示唆します。これは社会的ネットワークや交易の存在を示す重要な手がかりです。


    4) 保存・公開・地域振興の波及効果

    多数の遺構が明らかになったことで、現地の史跡公園化、地域博物館の展示、観光資源としての活用(ただし保護との両立が課題)といった“文化遺産の利活用”議論にも直接結びつきます。中国当局の発表は、発掘成果を年次報告や遺産登録の候補として扱う方向が見えます。






    ⚠️ 今後の課題(研究者目線で)

    1. 精密な層位学的分析と年代の積み上げ:多地点・多層の試料でAMS年代を増やし、集落の発展・縮小期を細かくたどる必要があります。

    2. 環境復元と古環境データの統合:花粉・炭化物・土壌学的分析で環境条件と農耕の関係を明らかにすること。

    3. 社会階層の検討:墓葬差や住居差を定量的に比較し、階層化の度合いを評価すること。

    4. 地域比較とネットワーク解析:周辺のYangshao系遺跡やLate Yangshao/Longshan 期遺跡との比較を通じ、社会変動のマクロ図式を描くこと。







    おわりに

    最近思うんですよね・・・



    サムネ画像やトップ画像に挙げた写真のように、国が大きくお金を出して、大規模に発掘調査して立派な博物館作って観光地化するっていう一連の流れは素敵だなと大事なことだなと思ってたんですよ。

    他方で日本政府や文科省は自分の懐が温かくならなければ何もやらんもんね( ・Д・)



    でも国を挙げてあっちこっちでやると、発掘調査は一度きりの実験のようなものだから、未来に残すべき重要なデータを今の技術で片っ端から取り上げることになるわけだし、

    上に挙げた写真のように人手が足りないのか、資金が足りないのか、能力不足なのか、素人がスマホで撮った写真にも負けるようなピンボケ写真を平気で記者に渡しちゃう事態になってる現状があるわけで・・・


    何事も一長一短かな( -д-)ノ






    何はともあれ、

    やぱ資本主義社会においてお金大事!( ・Д・)



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    2025ねん 9がつ 6にち(どよーび、台風後のいい感じの晴れ)

    朝から元気にお酒を飲んでいるが、そろそろやめてダイエットする!(・∀・)つ

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    今回の考古学・歴史ニュースは🚆トレンマヤ(Tren Maya)── 遺跡とジャングル、開発と保存のせめぎ合い!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ




    さて、今回はメキシコの巨大インフラ計画「トレンマヤ(Maya Train)」について、国内外の報道をできるだけ集めて、あるけまや流にじっくり書きます。


    焦点は二つ。ひとつは生態系や未発掘の遺跡に与える負の影響(森林破壊、地下洞窟・地下水系へのダメージ、先住民の土地問題など)、もうひとつは――考古学者として、そして観光客として――普段は行けないような遺跡へ気軽にアクセスできる利点やそこから得られる学術・教育的価値です。


    どちらが「正しい」かの決着はつきません。大事なのは、その二つを同時に見据えた上で、何を守り、どう使うかを議論することだと思います。





    🪓 開発が残す刃痕 — 生態系と地下水系、遺跡への即時的被害

    トレンマヤはユカタン半島の熱帯林や保護区、石灰岩台地の穴(cenotes)や地下洞窟網(アクアティック・カルスト系)を横切って建設が進められてきました。建設に伴う伐採、土木工事、機材や資材の運搬は、ジャガーやタピール、希少鳥類などの生息域を細切れにし、生態系の連続性を損なうという懸念が繰り返し示されています。地下の洞窟や泉(セノーテ; cenotes)は地域の飲料水や生態系の要であり、掘削・埋設・水質汚染のリスクは、すぐに表面化する問題です。こうした懸念は科学メディアや現地記者が繰り返し報じてきました。


    また建設中に多数の考古遺跡が「偶然」見つかる一方で、工事によって遺構が損壊・埋没・破壊されたケースも報告されています。遺跡発見が相次ぐのは、道路整備や掘削でこれまで未調査だった地層が露出するからですが、「発見」と「破壊」は紙一重です。ある報道は、既に数万点規模の遺物や遺構が損なわれた可能性を指摘しています。





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    ↑自然開発よりこの鉄道は安全上大丈夫かと心配になるのがラテンぽい!( ・Д・)(「Yucatan Magazine」の記事内動画より転載)




    ⚖ 開発の“短期的恩恵”──観光アクセスと地域振興の現実

    一方で、トレンマヤは観光地(カンクン、トゥルム、パレンケなど)や“いままで行きにくかった”小規模遺跡を線で結びます。これは単純に「移動が便利になる」以上の意味を持ち得ます。たとえば地域外からの観光が増えれば、地元のガイドや宿泊業、交通・飲食業に雇用が生まれ、地域経済の底上げにつながる可能性があります。さらに、アクセスが容易になったことで学術調査や公開保存の機会が増え、小さな(=通常は見落とされる)遺跡が記録・保全されることも期待できます――実際、工事の過程で発見された新遺跡は学術的な調査を促す“きっかけ”になっています。


    ここで大事なのは「誰が恩恵を受けるか」です。観光収益が地域コミュニティに還元され、先住民の権利や土地利用と整合する形で行くのなら、開発のメリットは大きい。逆に外部資本が土地を買い上げ、地元は周縁化されるなら、目に見える“経済効果”の裏に損失が埋もれます。報道はこうした分配の問題を繰り返し取り上げています。





    🏺 考古学者の板挟み — 発見の歓びと保存義務

    考古学者としては、未踏の遺跡にアクセスできることは大きな喜びであり、研究の進展につながります。実際、路線に沿った調査で多数の未登録遺跡が見つかり、それが地域史の書き換えや、保存プランの刷新を促してきました。新しい発見は教育資源になり得るし、「地元の物語」を再発見する契機にもなります。


    ただし同時に、発見が「工事の前に」適切に記録・保護される保証は常に乏しい。急いで出土物を掘り取ってしまうこと、あるいは工期優先で十分な層位記録を残さないまま進められることは、科学的損失を招きます。学界内からは、工事と発掘の工程をより厳密に連携させるべきだという声が根強くあります。


    *日本のような文化財保護法がないため、あるいは類似のものはあっても実行能力が弱い、ないし資本力・行政指示に負けるレベル。




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    ↑ルートマップ!( ・Д・)(「Tren Maya」の記事内動画より転載)




    🌳 コミュニティと自然をどう守るか — 修復と補償の動き

    最近は政府側も環境被害の認知と一部修復計画を打ち出しています。環境省や地方当局は被害復旧や保全措置を約束する宣言を行い、林地再生、水質モニタリング、保護区の復元などが計画に上がっています。ただ、批判側は「既に手遅れの箇所」が多く、遅れて出された補償や修復計画が実効性を持つか疑問視しています。実際、裁判所や市民団体からの差止請求や訴訟も続いており、プロジェクトは法的・社会的に揺れています。






    🧭 観光客としての倫理 — “簡単に巡れる”ことの意味を問い直す

    観光客目線で言えば、トレンマヤで簡単に多くの遺跡を巡れるのは魅力的です。普段は行けないような遺跡に足を踏み入れ、現地のガイドから生の話を聞くことは、旅行者の視野を広げ、文化理解を深めます。


    けれども「行きやすさ」は二つの顔を持ちます。人が増えれば、遺跡は摩耗し、ゴミやトイレ問題、無秩序な土産物化が進むリスクがあります。持続可能な観光の核は、アクセスの向上=無条件の善ではないという自覚です。地域のキャパシティ(受け入れ能力)を超えない運用、入場管理、収益の地元還元、現地コミュニティ主体のガイド育成――これらが伴わない観光は「見学」から「搾取」へと変質します。






    🧭 バランスの小さなレシピ(あるけまや的提案)

    1. 事前調査の徹底と透明な公開:路線建設前にLiDAR 等で徹底調査し、見つかった遺跡や生物多様性ホットスポットを公開・議論すること。発見は歓迎だが、隠蔽や急ごしらえの“掘ってポン”は避けるべき。

    2. コミュニティ主導の観光モデル:ガイドや土産、宿泊を地元が運営できるよう支援する。案内は現地語・現地の解釈を重視することで、単なる“見せ物”にはしない。

    3. 生態系回復とモニタリングの恒久基金:伐採や地下水汚染の補償・復元を行う恒久的資金を設け、独立した専門家と市民団体による透明なモニタリングを義務化する。

    4. 観光キャパシティの設定:人気スポットへの人流を時間・人数で制御し、遺跡の摩耗を緩和する。入場料の一部を保存基金へ配分する仕組みも有効。






    🧾 あるけまや的まとめ — 「守ること」と「巡ること」は両立できるか

    ここまで読んでくれたあなたには、二つの感情が同時に湧いているはずだ。ひとつは悲しみや怒り――広大な森林や地下水、そして数え切れない小さな遺跡が壊されるかもしれないという身の切られるような気持ち。もうひとつは期待――トレンマヤで今まで行けなかった小さな遺跡へ行けるようになり、現地で話を聞き、学び、地元の人たちに直接お金を落とせることへの希望だ。


    私が考えるのはこうだ。「行けること」と「守ること」は対立命題ではない。だが両者を天秤にかけるとき、いつも守る側が軽んじられやすい。遺跡や自然は、旅行者の楽しみを一時的に満たす“資源”であってはならない。遺跡は人々の過去であり、生態系は未来の基盤だからだ。だから、あなたが観光客として遺跡を訪れるなら、次の三つを心に刻んでほしい。


    1. 学び手であれ:現地の解説を聞き、ただ写真を撮るだけで去らない。背景を学ぶことで、観光は責任ある行為になる。

    2. 還元を求めよ:ガイドや宿、ツアーが地元コミュニティに収益を還元しているかを確かめ、可能なら地元運営のサービスを選ぶ。

    3. 壊さない約束を:立ち入り制限や注意書きを守る。遺跡はあなた一人のものではない


    最後に、考古学者としての素朴な願いを一つ。開発と保存の議論は、単に「止める/進める」の二択では終わらない。どう管理し、誰が主導し、どのように時間をかけて修復し、どうやって地域住民と未来世代に資源を残すのか――そうした実務的な設計を、公開で、丁寧に行うことが肝要だ。トレンマヤは、失われるものと得られるものを同時に抱えた大きな実験でもある。失敗も学びになるが、取り返しのつかない損失は最小化すべきだ。


    あなたが次にメキシコのジャングルを歩くとき、列車のレールが見えるかもしれない。その時は、線路の向こう側で誰が働き、誰が見守り、誰がこれから暮らしていくのか――そんな目で景色を見てほしい。遺跡を巡る喜びは、知ることと守ることが両輪になって初めて意味を持つ。それが「あるけまや」の結論です。






    *日本でもオーバーツーリズムが問題視される一方で、一過性のものとして政府・行政は放置している感がある。文化遺産活用による開発とその長期的影響としては今回のメキシコの事例は悲しくも良いケースになるだろう。日本もトレンマヤが与える様々な影響に対するメキシコ政府の今後の対応に注視すべきだろう。まぁ表立って対応してるだけメキシコ政府の方がすでに先を行っていると思うが(笑)


    *内部情報としてはグアテマラ、ティカルにもこの話来てたんですよね。カラクムルとティカルも結んじゃうみたいな。あ、この二つの古代都市国家がマヤの中心、東西冷戦中のアメリカとロシアみたいなものかな。まぁマヤの場合は冷戦ではなく、周りを巻き込んで同盟作ってバチバチ戦争してるので世界大戦が良いイメージかも。

    この計画は自然保護の観点からひとまずつぶれたんだけど、暗躍(?)した著名な考古学者がいるんだよねぇ。前にもこれについて書いたけど、宗教関係だからあまり触れたくないんだよね、怖いからね~、けっこうぶちまけてるけど、日本語だしさして有名じゃないから大丈夫かと思ってるけども(笑)またそれにも触れるかもね~ってことで、、、



    何はともあれ、

    やぱ遺跡巡りいいな!( ・Д・)



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    2025ねん 7がつ 16にち(すいよーび、あめ)

    がちで気付けば7月半分終わってて死ぬ!( ・Д・)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



    今回の考古学・歴史ニュースは「無許可だけど岩窟遺跡に穴開けたりしてカフェ作ってみた!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ



    カッパドキアは世界遺産として有名で、乾燥地帯に突き出た岩への岩窟化とか、宗教レリーフ、地下都市、地下墳墓などで知られる世界的な一大観光地です。

    今回は無許可で壁に穴開けたり、古代の墓でコーヒー作ったりやりたい放題だったようですが、困ったことにトルコではこうした問題が頻繁に起こっているようです( -д-)ノ




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    🌙 カッパドキアの自然景観がカフェで…無断改装は氷山の一角

    ライトアップされた“洞窟カフェ”、観光地でよく見かける風景。でも、それが「自然と歴史の狭間」を無視して許可なく改装されたものだったら…?最近、カッパドキア内で「洞窟をくり抜いて客席スペースに改変したカフェ」が、地方文化省・ユネスコ保護区域のガイドラインに抵触するとして話題になっています。





    ⚠️ カッパドキアは世界遺産、規制も厳格

    カッパドキアはユネスコ世界文化遺産に登録された地。2019年から文化省が違法建築と無断改装に目を光らせ、これまでに800棟近くを撤去しています。地元の歴史家や保存活動家も、「保護が不十分な建物は地域の美観と観光価値を損なう」と警鐘を鳴らしているんです





    🗣 地元からの声:「許可なきカフェ、自然を壊す」

    考古学者や建築史の専門家からは非難の声が上がっています。「洞窟の構造を崩して座席を設えるなんて、許可なくやるべきではない」と厳しく指摘され、地下構造物へのダメージと地層リスクへの懸念が強まっています





    🛠 規制強化、その先にある未来

    政府は統制の強化に向けて、新たな都市計画と監視を進めています。文化省は“洞窟建物=生きた文化遺産”と見なし、小麦色の岩肌に馴染む伝統的な改修方法のみ許可する方向で、2階建て以上の拡張やコンクリート増設には厳しく対応。一方で、許可を得て環境に配慮した“本物の洞窟カフェ”も増えています





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    ↑カッパドキアの素敵ホテル!( ・Д・)(「FISH &TIPS」の記事内画像より転載)



    おわりに

    洞窟の中にこっそり作ったお洒落カフェ…なんて夢のある風景だけど、実はとても繊細で壊れやすい自然文化。その裏には“不法改装カフェからの全撤去”というリアルな現場もあるんですよね。許可を取って、地層・構造を壊さずに丁寧に直された素敵カフェもあるからこそ、みんなにはぜひ“本物”を選んでほしいなって思います。


    洞窟の文化が壊れず、地元の人と観光客が共に大切にできる場所になるために、小さな改装にも目を配っていく必要がある。こんなふうに文化と景観が共存していく未来が、カッパドキアにあってほしいな…そんな想いで、また次の旅をご案内できたら嬉しいです🌿✨






    何はともあれ、こんな墓の使われ方があるならば、

    考古学者は呪われないな!( ・Д・)



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    2018ねん 4がつ 25にち(すいよーび、曇り)

    日記を始めました。

    今日やるべき仕事を書いて、達成したものにマーク付けて、

    一日の終わりに一言コメントを書く。

    しばらくこれで頑張ってみたい(毎日「明日も頑張ろう」になる予感…)。

    ・・・・・・・・・・・・
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    ↑基準値以上の有害ガスが検出された、国宝資料の展示ケース(毎日新聞、該当記事より)

    【目次】
    1. 有害ガスが検出されて、有名博物館が二年の休館へ
    2. ツタンカーメンの呪いについて
    3. マヤ版、王家の呪いについて
    4. おわりに ー海外における遺物の保管の難しさー

    1.有害ガスが検出されて、有名博物館が二年の休館へ
    奈良県にある橿原考古学研究所付属の博物館にある、国宝資料を収めた展示ケースから基準値を超えた有害ガスが検出されたとのこと。

    ちなみに橿原考古学研究所は通称「橿考研(かしこうけん)」として、日本考古学の世界では特に有名な研究所です。

    上に挙げた写真は奈良県斑鳩町にある藤ノ木古墳から出土した金銅製の副葬品とその展示ケースです。この展示ケースから基準値を超えた有害ガスが検出されたとのこと。

    この検出された有害ガスは高濃度の有機酸ガスで、金属の錆を促してしまいます。原因は明らかになっていませんが、恐らく展示ケースに使用された接着剤が原因と推測されています。

    またこの有害ガス対策に伴って、2年の休館が発表されました。1980年に開館した際の空調設備のままであることから、貴重な文化遺産である全ての資料の保管や展示といった適切な管理のためには不十分であり、空調設備の見直しが検討されています。

    また国宝等の金属資料は、表面をアクリル樹脂でコーティング処理をされており、有害ガスが直接触れないように管理してあるので、現状では検出された有害ガスによる影響は確認されていません。


    2.ツタンカーメンの呪いについて
    この記事を見て、私は「有害ガス」が脳内で「有毒ガス」に変換されたのです。それでふと「王家の呪い」を連想してしまったのですね。

    「王家の呪い」とか「ツタンカーメンの呪い」、「ファラオの呪い」って皆さん、ご存知でしょうか?アガサ・クリスティーの短編小説にも出ていたりします。

    エジプトにて1922年にかの有名なハワード・カーターがいわゆる20世紀最大の発見を成し遂げます。王家の谷」にて古代エジプト18代王朝のツタンカーメンの墓が発見されるのです。

    この発掘調査に携わった関係者がバタバタと急死したために、「王家の呪い」だと流布されることになります。

    実際この都市伝説(?)を流布したのはマスコミですね。当時の新聞社がこぞって報道したわけです。

    実際に、掘り手などの発掘関係者をはじめとして、カーターの飼っていたカナリアまで死んでしまったそうですが、王家の呪いではなかったようです。また墓荒らし対策として墓にかけられた有毒ガスや致死性のカビ・細菌といった古代の叡智によるトラップでもなかったようです。

    というのも実際に墓を開けた際に立ち会った人間で急死したのはカーナヴォン卿だけであったからです。彼はツタンカーメン王墓の調査資金の提供者であり、貴族・考古学者・政治家であります。

    死因は熱病と肺炎の併発なのでトラップではないですが、呪いの可能性はあるのでしょうか。

    まぁ資金提供という意味で親玉だとするなら、王家の呪いでも間違いなさそうですね。呪いならハワード・カーターが死なないのも変な話ですが、カーターによる名誉総取りですし、それも踏まえてのカーナヴォン卿への呪い(ある意味での罰)なのでしょうかね。

    そう考えると古代王家の呪い、侮れません!


    3.マヤ版、王家の呪いについて
    さて、「王家の呪いのマヤバージョン」をご存知でしょうか? ちょっと調べてみたのですが、これに関する情報は見当たりませんでした。

    ある意味、本邦初公開!ある意味、信用ならない!(笑)というのも、私自身、何かの本で読んだのと現地にて聞いた話がごちゃ混ぜになっていて、原典に当たろうにも見つからなかったのです。もし今後見つけたら追記しますね!

    ということで、マヤ版王家の呪いでは、マヤ考古学者のデニス・プルーストンが主人公となります。ミネソタ大学の准教授であった彼は、グアテマラにあるマヤの主要都市遺跡であるティカル遺跡にてセトルメントパターン調査を実施したことで有名です。

    この時に防御壁や防御壕を発見しており、古代マヤ人の世界が決して「戦争のない平和な世界」ではなかったことを考古学的証拠に基づいて証明しました。またこのセトルメントパターン調査によって、それまでティカル遺跡の中心部の神殿などが調査対象とされてきた中で、周縁の一般層の人々の住居も調査対象となりました。

    そのため当時の一般層の人々の暮らしに関するデータが取得され、またティカル遺跡における人口を推定する研究を行いました。また彼は、当時のマヤ考古学界の権威たちの意見に対抗する形で、古代マヤ人は遺跡周辺部に多く自生するラモンの木(パンの木)を食用として用いており、現在の植生は当時の選択栽培の結果を反映しているとしました。

    このラモンの木の説はたまたま自生しているだけで、僅かに食用としていた可能性はあるが、主要なエネルギー源ではなかっただろうと否定されています。しかしながら現在のグアテマラなどの一部の地域では、「古代マヤ人の食べたパン」としてお土産的な名産品なのでしょうか、観光資源として活用されています。

    さて!申し訳ないことに、めちゃくちゃ長くなりましたが、デニス・プルーストンはティカル遺跡での調査後に、メキシコのチチェン・イツァ遺跡で調査を行ったそうです(この辺りから怪しくなりますのでご注意を)。

    彼は1978年、38歳の若さで亡くなるのですが、その原因が「落雷」。チチェン・イツァ遺跡の有名ピラミッドであるエル・カスティーヨの上で雷に打たれて亡くなったとか…これが古代マヤ王家の呪いです!(ちなみに現在は登ることが禁止されています。呪われますので!)

    chichen itza
    ↑「歩け、マヤ」のトップ画でも使ってるコレがエル・カスティーヨです!

    まぁほんとに呪いかどうかはさておき、マヤ地域って雨が凄いんですよ。いわゆるスコールというやつでバケツの水ひっくり返しまくってますね。

    メキシコのチチェン・イツァ遺跡はユカタン半島の北部にありますので降水量は少ないのですが、雨季にはそれなりに降るのだと思います。

    それなりに雨が降っている。雷が鳴っている。それなのにピラミッドの上にいるってどういうことなのでしょうか?

    写真で見てわかるようにマヤの神殿というのは大きいんですよ。マトリョーシカ人形みたいに入れ子状になっていて、古い神殿基壇を利用して一回り大きく増改築していくので、最終段階の建造物はどれも大きいのです。木より背が高いのです。

    マヤの神聖な樹であるセイバは60mにも達しますけど、そのような樹は特別なのです。セイバも生える熱帯雨林の中にあるティカルの4号神殿は72mあります。エル・カスティーヨは24mですけど、北部地域は低木林域なのでやっぱり周辺の木々より背が高いのです。

    実際にティカルなどの事例では、木より背の高い神殿ピラミッドが落雷を受けて損壊する事件が何度か起きています。雷鳴ってたら、木の下とか背の高いものの傍にいたらダメじゃないですか。貴金属は外しなさいって言うじゃないですか。

    なのにあなたはどうして、雷雨の中で木より高く、周辺の木々から孤立した平地にそびえ立つ神殿ピラミッドに登ったりしたのですか!? もうそれほぼほぼ古代の避雷針ですよ!?(やばい、これ新説!)

    私からすると、呪いかどうかより、(この話が真実ならば)彼の行動の方がよっぽど謎です。まぁ彼も考古学者ですし、若いですし、調査中ですし、、、きっと酔っていたんでしょうね!


    4.おわりに -海外における遺物の保管の難しさ-
    さて、呪いの話で盛り上がっていましたが、最後に遺物の保管や文化遺産の保護について一言述べて終わりにしたいと思います。

    日本のレベルでも展示ケースから有害ガスが出てしまうなどといった展示上の、あるいは保管上の難しさが常にあります。でも日本の凄いところは、有害ガスを検出したってことなんですよね。この手のニュースだと、「大事な国宝が~!」ってなりますが、むしろよくぞ検知したなと、そしてよくぞ速攻2年もの休館を決定して対策に講じたなと思います。

    世界遺産は世界中色々な場所にありますけど、超有名な場所の多くはいわゆる「発展途上国」に位置しています。保管なんてずさんなものですし、仮に有害物質が出てても誰も気付きません。気付く手段がありません。

    仮に気付いても設備を再び整えるお金がありません。外貨獲得の手段として観光資源に頼っていますから、2年の休館なんてそもそも国が許しません。

    高温多湿なマヤ地域では、日常的な環境変化も著しいですし、漆喰や彩文の塗料も大きな影響を受けます。日差しもとても強いです。資料もどこにあるのか分からなかったり、保管タグが虫に食われて情報が失われたりと研究者としては困った地域です。

    そのような現状を打破すべくデジタルアーカイブによる遺跡・遺物の恒久的な保存や、保存科学の進展が昨今見受けられる一方で、日本における海外支援の一環として文化遺産保護を唱える研究の内、結局神殿とか目立ったものの発掘を行うものが散見されます。

    インパクトがないとお金を取れないのかも知れませんが、私たちはトレジャーハンターではないのです。いつまでも発見至上主義に捕らわれていてはいけないでしょう。新しく調査して文化遺産の活用を考えるのではなく、今ある膨大な資料を基にした計画があっても良いのではないでしょうか。

    近年の流行りでしょうか、文化遺産の保護とか文化資源の活用とか言葉は綺麗ですけど、本当はそれは一体誰のためのプロジェクトなのでしょうか?

    …なんて重い話になってしまうのは、一体誰の呪いのせいにすれば良いですか?


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