2018ねん 5がつ 5にち(どよーび、めちゃ晴れ)

天気があまりにいいので買い物ついでにお散歩した。

スーパーで今日が「こどもの日」だと知った。

なので、奮発してミニ手巻き寿司セットを買った。

あくまでおつまみとしてである。当然お酒も買った。

今日は「男の子の節句」と信じて疑わないのである(。・ω・)ノ゙


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↑日本最大級の環濠集落跡である吉野ヶ里遺跡の弥生時代の集落の復元

【目次】
  1. 佐賀県、吉野ヶ里歴史公園にて親子で楽しめるイベントが開催されるよ!
  2. 海外からみた日本考古学の世界の特徴
  3. おわりに


1.佐賀県、吉野ヶ里歴史公園にて親子で楽しめるイベントが開催されるよ!

ゴールデンウイークの家族向けイベントの舞台は、佐賀県にある吉野ヶ里歴史公園です。吉野ヶ里遺跡は日本最大級の環濠集落跡として知られている弥生時代の遺跡です。


その広がりはおよそ50ヘクタールという非常に大規模な集落跡です。集落を囲むV字状環濠の総延長は約2.5kmもあるんです!1990年に国史跡、1991年に特別史跡に指定されており、現在の歴史公園は国営となっています。


そんな吉野ヶ里歴史公園でイベントが開催されます。様々な手作り品の作家たちが出店する「弥生の丘マルシェ」が今年も開催されます。今年で第5回となる同イベントは今後も続くでしょうから、今年の機会を逃した方は是非、次のゴールデンウイークに足を運んでみてはいかがでしょうか?


もちろん吉野ヶ里遺跡の方の見学もお忘れなく!

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↑↓今年で5回目となるGW中に開催されるイベント(吉野ヶ里歴史公園の公式サイト、イベント情報より一部加工)

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どうやら「神埼そうめんまつり」が有名なようです。計1万食を提供するのだとか。値段は300円とお手頃です(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!



2.海外からみた日本考古学の世界の特徴

さて、今回も例によって、イベントや歴史公園の回し者ではないので(常に何かの回し者ではありません。ニュースに飢えているだけです)、この記事を書いた理由は現在の考古学遺跡あるいはより広く、文化遺産の活用の実践例として紹介したかったからです。


加えて、今回紹介したい論考があります。細谷葵1996「理論なき考古学ー日本考古学を理解するために」です!


原文は英文ですがネット上で日本語版も英語版も読めますし、今回取り上げる箇所以外にも、海外の考古学と日本の考古学を比較した非常に興味深い論考ですので気になる方は是非読んでみてくださいね(http://www.okayama-u.ac.jp/user/arch/news/whatnew/hosoyaj.html)。


さて、この論考の中で彼女が指摘していることの一つに、考古学とマスコミの関係があります。日本人は自らの起源について高い関心を持っており、話題性の高い遺跡が調査されて報道されると、たちまち多数の見学者が詰めかけて、遺跡が観光地化してしまうというのです。その実例が三内丸山遺跡や、今回のニュースで取り扱った吉野ヶ里遺跡であるわけです。


私たち考古学者や歴史研究者にとって、多くの人に遺跡や歴史、調査に興味をもってもらえるのは嬉しいことです。しかしながら遺跡が一種のアトラクションとして村・町おこしに貢献する可能性が周知となるために、遺跡をより話題性と魅力のあるものにすべく、研究成果への影響も持ち始めるのです。


その結果、縄文・弥生の大規模な村落遺跡に伴う塔の高さについての推定値が、まるで競争のように高くなっていく現象が見受けられるのです。


さらにマスコミの注目度が調査研究の予算にも関係してきます。埋蔵文化財調査に対して使える予算は慢性的に不足しており、学問的見地からの評価は方針上否定されているため、結局マスコミが取り上げて多数の見学者が集まって注目度が高くなった遺跡に対して、行政機関も予算を多くつけやすくなるのだそうです。


研究予算に関係してくるとなると、各研究者も話題性の高いデータを珍重する向きにならざるを得ないため、調査研究の対象や目的に偏向性を生み出す理由となり、結果提出されるデータにも研究計画の初期段階における取捨選択的によるバイアスが生じる原因となるわけです。


この日本考古学とマスコミの関係と関連する諸問題の根は深いでしょう。私たち研究者はどうあるべきなのか、綺麗ごとを言うのは簡単ですけど、実践は難しいですね。もう職業倫理の問題かも知れません。日本は世界でもトップクラスの考古学者数を誇る国ですから、職業倫理について討論する機会が必要なのだと思います。



3.おわりに

お金がないと研究ができない!稼いだお金を使って研究することもありますけど、実際に懐を痛めても研究をしている研究者をほとんど知りませんね。まぁ皆さん家族がありますしね。

お金が絡んでくると、本当に現実的になってしまう。悲しいものです。考古学者も人の子、社会の子、国の子なんだなとつくづく思ってしまいます。

…ところで、海外で研究している場合もやはりインパクトは大事なわけです。「歩け、マヤ」でよく紹介しているナショナルジオグラフィックの考古学的発見は、ナショナルジオグラフィックから研究助成を受けている考古学者の成果なわけです。

確かあの会社は、マヤの都市の位置と星座の位置の関係について自説を述べた15歳のカナダ人少年に、補助の考古学者を付けて調査を支援するはずです。少年の希望額は1000万円!

マヤ地域にはいろいろな国がありますので、事情は異なりますが、半年から1年は調査できる金額です。最も物価の高いメキシコでもきっと3か月は問題なさそうです。しかしながら彼の調査予定期間は2週間(内容は発掘ではなく自説を擁護するための遺跡発見を目的とした踏査)と述べてましたので、お抱えカメラマン等を引き連れての大名調査になりそうですね。

とまぁ嫉妬はこれくらいにしておいて(本気でうらやましい(ρ゚∩゚) グスン)、海外でも話題性は非常に大事なのです。そしてそれがお金の流れに関係し、世界的に限られた資金が特定の調査研究に充てられるわけです。

私たち考古学者や歴史学者が人類史の謎を明らかにする「すごろくゲーム」をしているとします。一年が1ターン相当でサイコロ次第で、マスを進んでどんどん明らかにしていくわけです。マスコミ効果による「重課金」は本当に我々に「5や6」の目を出させているのでしょうか?