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あるけまや -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

タグ:最新技術

2021ねん 3がつ 12にち(きんよーび、くもり)

休みはあっという間に過ぎていくものだね( ・Д・)

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今回の考古学・歴史ニュースは技術の発達ってすごいものだね!( ・Д・)ってお話です(*・ω・)ノ


さて、今回の舞台はオランダ、ハーグにあるオランダ郵便博物館です。

日本の博物館、特に民俗資料館などでは古い手紙がたくさん収蔵されています。

私も地元の北海道開拓記念館に実習で行った時には、明治期くらいの古い手紙を読んで資料化するという作業をやったことがあります。

まったく読めませんでしたけども!( ・Д・)

ここオランダ郵便博物館ではその名の通り、多数の古い郵便物などが収蔵されています。

そんな多数ある収蔵資料を整理してた折り、上に挙げた写真のトランクが発見されました。

開けてみるとおよそ300年前の1689~1706年にハーグに届いた未配達の郵便物が詰まっていることが分かったのですΣ(・ω・ノ)ノ

全部で577通あることが確認されています。

300年前の当時は「封筒」がなかったそうで、手紙を複雑に折りたたんで封をする「レターロック」と呼ばれる手法がよく用いられていました。

記事タイトルには浅はかな釣り目的でJKの文字を故意に入れましたが、今の時代ではスマホでやり取りするんでしょうかね?

私の中高生の頃はノートの端を切ったような簡易の手紙を授業中に回すのが流行っていて、特に女子は綺麗に折っていました。

あれ、やり方知らないで開封すると元に戻せなくなるんですよね( -д-)ノ

まさにあれはこの記事でいうところの「レターロック」だったんだなと感動を覚えつつ、懐かしく思い出していました(*^・ェ・)ノ


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さて、史料的にも貴重な未開封の手紙をそのままにしておいて、中身だけ知りたい!という想いから、高感度X線スキャナーと解析アルゴリズムを併用し、未開封のまま中身を読むことに成功しました。

上に挙げたgifデータはライブドアブログのアップロード容量の問題でかなり小さいものになってしまいましたが、折り方・開封の順序がシミュレーションとして示されています。

元々この高感度X線スキャナーは歯の分析に使用されていたもので、それを応用したということです。


日本ではまだまだですが、世界的に見ると最近の考古学では考古学者がプログラミングを行って、遺物の整理などの効率化を図っているようです。

一方で膨大な考古学データのデータベース化が叫ばれて早十数年、現状では役に立つデータベースを全く見たことがありません。

今回のケースのように世の中には様々な技術があり、考古学に関する様々な面で役には立っているのですが、技術開発や応用の早さに現在の考古学者が追い付いていない感が否めないですね。

常に広くアンテナを張り、考古学への応用を念頭に専門外の勉強にこそ重きを置いていくべき時代なのかも知れませんヾ(´ω`=´ω`)ノ



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おわりに

考古学では常に文化財保護の必要性を説いていますが、発掘調査に際してもなるべく手付かずの遺跡を、様々な技術が発達するであろう後世に残すために目的に沿った最小限の発掘を行うことを念頭に置いています。

私は世代的にフロッピーディスクやファミリーコンピュータから、現在のPCやスマホ、PS5に至るまでの目まぐるしい社会の変化の中で生きてきました。

だからこそ現在の技術の発達の速さを理解し、盗掘まがいの調査はやめるべきと強く思っています。

ちゃんと地道な調査をしつつ、新しい技術や周辺諸科学の手法を取り込みつつ研究していけば、、、

考古学の未来は明るいぜ!( ・Д・)



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2019ねん 5がつ 17にち(きんよーび、晴れ)


この前、追加の調査に行ってきた。


河川で砂のサンプルを採取する簡単な作業。


やっぱフィールドワークは楽しいな~って思った。


……そうして、私は川に落ちたのであった( ・Д・)



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↑AIが頑張って考えてくれるイメージ(「Business Insider Japan」の記事内画像より転載)


今回の考古学・歴史ニュースは『近年急速に発展している機械学習を利用してAIに未解読の古代文字であるインダス文字を解析してみた』と言う内容です(*・ω・)ノ


インダス文明は紀元前5500年~紀元前1900年にインダス川流域に栄えた文明で、現在のパキスタンに主要遺跡が所在しています。


このインダス文明の遺跡で発見されているインダス文字は現在も未解読の古代文字として有名です。


インダス文字は土器や粘土板、印章に見られ、これまでに約1500点の資料が確認されています。


それなりに出土量が多いようにも思えますが、どれも短文であることが特徴です。


最長でも27文字しかないため統計的な解析が困難であり、現在も未解読の古代文字となっています。


実際にインダス文字は「文字なのか?」あるいは「象徴なのか?」という根本的な問いについても論争中であり、今回紹介する研究成果では「インダス文字は文字である」可能性が高いと結論付けられました。



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↑インダス文字の例(「知識の空間 ー中学生のための社会科講座ー」さんの記事内画像より転載)



これまでの研究としては1877年のアレクサンダー・カニングハム(Alexander Cunningham)による、インダス文字が現在の中央アジアから東南アジアにかけて使われているブラーフミー系文字の祖先だとする主張があります。


また1960年代にはマヤ文字研究で著名なユーリー・クノロゾフ(Ю́рий Валенти́нович Кноро́зов)が早くもコンピューターを用ってインダス文字の解析を行っています。


この解析結果としてインダス文字には名詞、形容詞などの文法的特徴が見られると指摘しています。


2004年にはスティーブ・ファーマー(Steve Farmer)が、現存するインダス文字は政治的、宗教的な象徴(シンボル)を表すものであると結論付けています。



今回紹介するのは2009年にラジェス・ラオ(Rajesh Rao)によって共同研究として発表されたものです。


彼は考古学や言語学が専門なのではなく、機械学習が専門です。



彼はAIに4種類の話し言葉(古代シュメール語、サンスクリット語、古代タミル語、英語)と4種類の話し言葉ではない伝達システム(人間のDNA、フォートラン、バクテリアのタンパク質配列、人工言語)を学習させました。


そしてパターン分析により、各言語に存在する規則性のレベルを計算しました。


結果として「話し言葉ではない言語」は、高い規則性を持つものか、まったく秩序がないものであり、「話し言葉」はその中間でした。


その結果を踏まえて、インダス文字をパターン分析にかけたところ、文法的な規則性が検出されました。


そしてこの検出された規則性は「話し言葉」と同程度の適度な規則性を有していることが分かりました。


どうやらインダス文字は話し言葉であり、単なる象徴ではなかったようです(*・ω・)ノ



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↑こんな時代が来ないことを願うばかりである( -д-)ノ(「悠々自適な会社の-neko-になる」さんの記事内画像より転載)



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インダス文字が象徴ではなく言語であると分かったことは大きな進展ですね。


ただしマヤ文字のように、インダス文字が解読され当時の様子がよく分かるようになった、ということではないのです。


AIに関する技術は近年大きく発展しているので、やはり長文の文字資料を発見すること、そして文字資料数を増加させることが課題と言えるでしょう。


……便利な世の中になるのは大事なことですが、上に挙げた画像のように、研究者が要らないなんて時代が来たら怖いですね~( ・Д・)


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2019ねん 4がつ 16にち(かよーび、晴れ)

色々なものに手を出し過ぎているせいか、終わらん!

平成最後の気合いで頑張り抜きたい!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!


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今回の考古学・歴史ニュースは『ノルウェーで、バイキング王の棺として船を地中に埋めちゃった墓が見つかったよ!』ってことです(*・ω・)ノ

発見の舞台はノルウェーです。

首都であるオスロの近郊に走る「道路のすぐ近く」で見つかりました。

上に挙げた写真のように、調査グループは農作業に使うような小型トラクターの前方に地中探査レーダーを取り付けて走らせました。

トラクターの奥に見える小高い丘が墳丘であり、その周辺を探査したのです。




上の写真の黒っぽく見えている部分がレーダーで探査したエリアになります。

こう見ると本当に主要幹線道路のすぐ傍に位置しているのが分かります。

レーダー画像と航空写真(たぶんドローンの写真)を組み合わせた画像です。

右下の大きな赤丸部が、最初に挙げた写真にあった墳丘です。

中央部には他にも赤丸部がいくつかあってそれぞれがお墓です。

元々は塚状だったようですが、現在は現地表面が平らにされています。

一方で黄色の長方形部は建造物址です。

そしてちょうど中央付近にある赤丸部の中に緑色の木の葉形が見られる箇所が今回の重要な発見箇所です。
この赤丸部&木の葉状部分を拡大した地中レーダー画像がこちらです。

もうお気付きのように、木の葉状部分が埋められたバイキング船で全長は約20mです。

けっこう長い細長い船ですが、「ロングシップ」というそのままな感じの名称のバイキングの船だそうです。

船は現地表面から僅か61cm程度の位置に埋まっていることが分かりました。

農作業といった近現代の人間活動による攪乱で壊されずによく残ったなという印象ですね!(*・ω・)ノ

また地中探査レーダーのデータから、かなり保存状態が良さそうなことが分かっています。


発掘調査は破壊の側面もあります。


一度土から出してしまうと木製の遺物は一気に腐敗することもあります。


そのため船を取り出すような発掘調査はひとまず行わずに、レーダー等を用いた周辺の状況の記録を優先していくそうです。








さて、ノルウェーではこれまでに発見されている保存状態の良いバイキング船(ロングシップ)は3隻のみだそうです。

ですので、今回のはとてもレアな発見になります(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

見つかった船の帰属時期は不明ですが、その形態から恐らく1000年以上前のものと推定されています。

今後の調査で船を発掘調査し、船体に使われた材木を分析することでより正確な年代が判明するでしょうね。

今回発見された船はバイキングの王または女王の墓として使われたと考えられており、バイキング船を使った墓としては最大級だそうです。

20mもある船を海から引き揚げて、内陸部まで運んだわけですから、単純に豪華な棺を作るよりも大変だったかも知れません。

「海に生きる者として船と共に眠る」というのは、何だか現代の私達にとってもカッコイイな~と、往時のバイキング王の力強さを感じてしまいますねヾ(´ω`=´ω`)ノ

↓やっぱ一度は王墓を発掘してみたい!(*^・ェ・)ノ↓

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2018ねん 4がつ 26にち(もくよーび、晴れ)

昨日と友人と大人飲みをした。

がっつり飲むのを我慢した。バッとあおりたい気持ちに耐えた。

結果、会計の額を抑えることができた。

「大人」は様々な制約の中で生きているものだなと思った。

しかしながら、酒量よりも友人の存在に頼った一時の幸せも悪くない。

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↑宮内庁の書陵部所蔵資料目録・画像公開システムより転載

【目次】
  1. 日本最大の古墳が一回り大きくなりました!
  2. 考古学と国家 -「大人」の事情による制限-

1.日本最大の古墳が一回り大きくなりました!
日本最大の古墳と言えば、歴史の教科書にも出てくる大山古墳(だいせんこふん)です。大阪府堺市にある大山古墳(あるいは大仙陵古墳)は全長486mの前方後円墳です。

44基の百舌鳥古墳群(もずこふんぐん;史跡指定は内、17基)を構成する古墳の1つです。宮内庁により「百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」として第16代仁徳天皇の陵に治定されている。そのため「仁徳天皇陵」や「仁徳陵古墳」との名称を有しています。

宮内庁の書陵部によって公開された最新情報によれば、大山古墳の全長が実はかつて言われてきたよりもかなり大きかったことが明らかになったそうです。

大山古墳は深い内濠に囲まれているため、最新の測量機材として音の反響によって水深を測る装置を船に搭載して測定し、そこで得られた水深のデータを全地球測位システム(GPS)の位置情報と組み合わせて3次元化したものが上の図像になります。

この最新の測定方法により、内濠内の水中に残る墳丘の裾部分を確認することができ、濠の底で測った古墳の長は約525メートルだったことが分かりました。造営当初の全長はさらに大きくなる見込みのようです。

この技術を使えば、流行りの「天皇陵の周りの池の水を全部抜いてみた!」みたいなことしなくても正確な測量ができるようですね。


2.考古学と国家 -「大人」の事情による制限-
さて、ここで「全長」と言っているのは「墳丘長」のことです。過去のデータとの差は実に49m!約50mの差が出るなんて凄いですよね。

何故このような大きな差が出るのでしょうか。

昔は技術がなかったから?けっこう前からあったでしょう。調査資金がなかったから?調査主体は宮内庁の書陵部ですけどね。

…さて、一度話を変えまして、「考古学って何の役に立つの? 現代社会と関係なくない?」って思いませんか?

まぁ考古学は対象が古代であるイメージが強いですから、間違いじゃないとは思います。人類史が研究の射程とは言え、歴史時代に入ると史学系が強いですし、現代になれば直接的にアプローチや実験のできる人類学や社会学等々がありますからね。時代が新しくなればなるほど「モノ」以外の情報が多くなる傾向がありますし、考古学が肩身の狭い思いをするわけですね。

ところで考古学と国家、あるいは社会との関係を考えた際に、考古学の講義でよく出てくるのが、グスタフ・コッシナです。彼は「考古学的な文化の領域」=「民族の領域」と考えたわけです。

特徴的な遺物・遺構の組み合わせの広がりは、同一の文化集団の広がりとして、かなり短絡的に文化領域と民族(注:現在は用語としてほとんど使いません。あるいはとても気を付けて使います。ここでは分かりやすく一般的な意味での「単語」として使っています)を結び付けたわけです。

この考古学研究成果に基づく考え方は第二次世界大戦のナチスの思想に大きく影響を与えました。つまるところ、古代ゲルマン民族(あるいはアーリア人)の文化が残る範囲は全て「本来我々の土地であるため、それを取り返すことは当然である」として周辺国家への侵略を正当化する論理に利用されたわけです。

これは極端な事例かも知れませんが、考古学と国家あるいは現行の社会を結び付けた有名な事例ですので紹介しました。このような危険性は考古学だけに限ったことではありません。

しかしながら考古学は国の起源に触れる可能性の高い分野ですので、一部の人々にとっては明らかにされては困る、都合の悪いものを「掘り返してしまう」可能性があるわけです。

戦後の事例としてグアテマラの事例を挙げましょう。グアテマラでは1960年から1996年まで内戦が続きました。この間に約20万人もの国民が虐殺されました。

内戦終結後、とある現地考古学者が発掘調査を行っていたところ、大量の人骨集中を発見するに至りました。彼はそれが内戦時に虐殺された人々であるとして、虐殺行為があったことの証明として、また遺骨を遺族に返すことを目的に、自身のそれまでの調査研究の方向性を変えて現在も突き進んでいます。

当時の軍部の人間、特に将軍などは有罪として禁固刑の判決が出ていますが、当時の大統領は今でも権力者の一人として普通に生活を送っています。

知人の考古学者に聞いた話では、この考古学者は現在ボディーガードと共に行動し、防弾車で移動しており、常に誰かに命を狙われているそうです。

これらのことは海外だけの話でしょうか? 戦跡考古学というものがあります。その専門の方は第二次世界大戦時の基地の跡などを発掘調査し、実際にはどのような状態であったのか、文書として残らない部分を解明しています。

調査によって、機密文書が出土することもあるようで、当然国から調査の停止・禁止措置が取られるそうです。

最初のニュースとして挙げた大山古墳はどうでしょう? いわゆる陵墓問題です。大山古墳の被葬者は明らかになっていません。でも被葬者は仁徳天皇です。何故? 宮内庁がそう言うからです。

掘って確かめたら? 掘れません。禁止されていますから。現在も皇室による儀礼が行われている神聖な場所なのでダメ!が理由です。ちなみに宮内庁が陵墓指定している墳墓の数は約900基。一日3基で儀式を行えば十分終わる数ですね。

まぁ私も日本人考古学者なので正直これ以上詳しくは書きませんし、完全にど真ん中の専門というわけでもないので強く批判もしたくもありません(この辺が怖いところかも知れません)。

ちなみに宮内庁書陵部は年に一度の報告書(「書陵部紀要」)を数量限定で印刷・公開しています。書陵部の考古学者になれる人ってどのような人なのでしょうね?とかふと思ってしまいます。

古墳研究で著名なとある日本考古学者が書陵部が行う発掘調査の現地説明会に招待されたそうです。人生で一度だけとか。もちろん招待されない人は参加できません。当日呼ばれた考古学者は10名程度、厳重な警備の中で行われたそうです。

情報公開が叫ばれるこの現代社会で、不思議なものです。どうでしょうか、考古学は国家や現代社会と全く無関係なわけではないのです。もちろん研究者としてこちらから現代社会への繋がりを求める努力、社会還元を考えることは必要ですが、意図せず向こうから寄ってきて制限されることもあるのです。

書陵部によって復元される解釈とは一体何なのか。高校の世界史や日本史で学んできたことと思います。これが「歴史の作り方」です。

コナン君も言ってたな、「真実は全て闇の中!」...うろ覚えなので間違ってたらすみません。

↓よし、勇気を出してぽちっとな!それ、ぽちっとな!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!↓

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