2021ねん 4がつ 7にち(すいよーび、くもり)
さて、今日も頑張るかーい!
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今回の考古学・歴史ニュースは「エヴァンゲリオンで有名な死海文書が新たに見つかったよ!( ・Д・)」ってお話です(*・ω・)ノ
さて、今回の舞台はイスラエル、ナハル・ヘベルの第8洞窟です。
ナハル・ヘベルにはワディあるいはワジと呼ばれる涸れ谷(かれだに)があります。
マヤ文明、特にティカル遺跡の話をしていて、季節的湿地帯とか季節的河川の話が出てくると思いますが、メソアメリカでは季節的湿地帯をバホ、季節的河川をアロヨと呼んでいます。
ティカル周辺は石灰岩を母岩とした平地帯で山らしい山がありませんし、土壌が発達しないので削る対象としての土壌堆積もほとんど見られません。
なので、季節的に川が流れてもそれで終わりですが、イスラエルの場合は山を削ることによって谷が生じます。
これがワディですね(*・ω・)ノ
普段は枯れた谷で、多量に雨が降った時のみ、河川が見られるのです。
こうした谷の絶壁に多数の自然・人工の洞窟があるのです。
有名なクムラン洞窟もそうですが、死海付近にはこうした地形が多々見られるようです(*^・ェ・)ノ
さて、最初に挙げた画像は巷で人気の劇場版エヴァンゲリオンのポスターをいじったものですが、
死海文書と聞くと、日本人の場合、「聖書」だけではなく「エヴァ」を思い浮かべる人も多いのではないかなと思い使用しました(世代にもよるか( -д-)ノ)。
コピーをもじって「さらば、全ての世界文書 by米国聖書博物館」と書きましたが、、、
実際にアメリカ、ワシントンにある聖書博物館は全16点の死海文書を所蔵しており、ここ最近の分析でそれら全てが現代の技術で作られた精巧な『偽物』であることが分かっていますΣ(・ω・ノ)ノ
死海文書は資料のサイズにもよるのでしょうが、闇マーケットから表に出てきて、数億円の価値が付くそうです。
なので偽物を作る側の人間も、およそ1800年前の羊皮紙や獣の皮革を用意して、古代ヘブライ語や聖書に精通した人物や、美術の修復家のような技術力のある人物を採用して勢力を挙げて作ったようです( ・Д・)
結果としてバレてしまいましたが、作った方はもう売りさばいた後ですものね……
アメリカの聖書博物館はいったい何億、何十億円かけて16点もの貴重な資料(偽)を収集したのでしょうヽ(TдT)ノ
今回およそ60年ぶりに新たに見つかった死海文書が上に挙げた写真のものになります。
約1900年前のもので、羊皮紙を用いて、ギリシア語で旧約聖書のゼカリヤ書の1節が書かれていることが分かっています。
一部、神の名前のみ古代ヘブライ語を用いて書かれており、ゼカリヤ書の内容も現代のものとは異なる部分があることが確認されています。
先ほども述べたように、本物の死海文書は数億円の価値となります。
高い技術力を有するチームでない限り偽物の作成は困難ですから、一番手っ取り早いのは盗掘で本物を手に入れることです。
なので盗掘が横行しています。
正直盗掘はどこでも起こってて、日本でも起こってます。
イスラエルは治安も悪いですし、当然起こるわけです。
何度も書いていますが、「考古学的価値とは付加する情報で決まる価値」です。
考古学者が後で検証可能でかつ後の分析に有用な様々なデータを取りつつ精緻に発掘することで付加される価値なのです。
盗掘で真っ先に失われるのは「位置情報」ですね。
「~遺跡」ってレベルではなく、深さ、層位、平面的位置、出土状況とかが一気に失われます。
今回のケースではそうした盗掘による一種の文化財の破壊を未然に防ぐべく、広域に行われている調査に際して見つかりました。
発見があったのは第8洞窟なのですが、洞窟は落盤などにより一定時間ごとの堆積が見られるためかなり細かな層序が見て取れることが多いのです。
また地下水など水分の供給もあるため有機物製資料が良好な状態で出土するケースも多々あります。
ここでは死海文書の他に、約1万年前の植物性の籠や、約6000年前の少女の遺体も見つかっています。
ちなみにこの籠は完形資料としては世界最古となるそうで、今度別の記事を書きますね( -д-)ノ
↑盗掘と上手く付き合っている英国のお話Σ(・ω・ノ)ノ
↑これが聖書博物館所蔵の偽物と分かった資料(「ナショナルジオグラフィック」の記事内画像より転載;credit: BRUCE AND KENNETH ZUCKERMAN AND MARILYN LUNDBERG, WEST SEMITIC RESEARCH, COURTESY MUSEUM OF THE BIBLE)
おわりに 本物、偽物の見分け方
20世紀最大の考古学的発見と言われる死海文書ですが、これまでクムラン洞窟だけでも200点以上の資料が見つかっています。
破片資料も含めるともっと数が多いでしょう。
こうした「本物」の死海文書は多くの場合『羊皮紙』に書かれています。
一方で「精巧な偽物」は『皮革』に書かれていることが多いようです。
先に挙げた本物の死海文書と偽物の死海文書を見比べてみると、本物は発見当時の修復前の写真なので丸まっていますけど、それでも本物は「紙っぽい薄さ」を感じます。
一方で偽物は「厚ぼったい」感じがしますよね。
これは材料が皮革だからです。
年代を誤魔化すために実際に盗掘等で出土した古代の革製品、例えば古代ローマの靴の切れ端を使用したりするようです。
↓靴はたくさん出土します(*・ω・)ノ
これはあくまで死海文書のお話ですけど、「モノ」を見る際に材料に着目することも重要だと思います。
考古学者は古物商ではないので、モノの真贋を見極める必要はないのですし、そのようなトレーニングもしません。
でも数を見てると自然と見る目が養われるものです。
特に考古学だとモノに残る製作技術に関わる痕跡に着目しますね。
実際に個人コレクションの収蔵資料などを見てると、「これは偽物では?( ・Д・)」と思える資料に出くわすこともありますし、現地のお土産屋さんとかで見てると、「これ本物では?(盗掘品か?)( ・Д・)」ってこともあります。
こうしたモノを見る目は死海文書や土器に限った話ではありません。
皆さんも博物館に行った際には展示ガラスに(汚さない程度に)張り付いて、色んな角度からじっくりとモノを見てみて(展示は通常、展示者が見せたい角度で設置されている)、周辺にある資料との共通性や差異性に気付くと考古学の面白みの一つに気付けると思いますよ!
是非、お試しあれ!ヽ(・ε・)人(・ε・)ノ ナカマ
あ、博物館に行きたい欲が強まっておる!( ・Д・)
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