2019ねん 7がつ 27にち(どよーび、晴れ)

明日は久々の休みなので、朝から調査行きます。

楽しみだ!(・∀・)つ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



はじめに

さて、今回扱うのは『考古学の未来』です。

関係諸者には確実に叩かれる内容でしょう( ・Д・)

だから私も真面目に書かなければならず、文量も増えるでしょう。

しかし!

明日は調査なので、今回は導入ということで手短に終わらせたいと思います( -д-)ノ


ビッグデータと人文科学

ビッグデータという言葉が出現してからけっこう経ちますが、考古学における論文でも流行りとして「ビッグデータ」の用語をタイトルに冠した論文が投稿されています。


ビッグデータ とは、一般的なデータ管理・処理ソフトウエアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合を表す用語である。
(wikiより転載)

このようなビッグデータの定義からすると、今現在、考古学におけるビッグデータなんてものは存在しないように私は思っています。

一方で十分な潜在性はあるかなとも思っており、これからの発掘調査や資料調査において考古学情報をいかに定量化できるか、そしてそのデータをいかに蓄積して「考古学的ビッグデータの構築」を図るかが重要なポイントになるかなと浅く考えております( -д-)ノ

これまで考古学においても定性的分析だけではなく、定量的な分析が行われてきた歴史を有します。

しかしながら所謂「数理考古学」は「数理経済学」や「数理社会学」とは比較にならないくらいにレベルが低いと言わざるを得ません(方法論や方向性に大きな違いがあります)。

昨今、ビッグデータの登場により、「経済物理学」や「社会物理学」といった分野が発生、発展を開始しています。

(*研究史上、後者の発生は古いですが、本当の意味で物理学的手法を取るようになったのは最近だと門外漢ながらに整理しています( -д-)ノ)

「扱うデータに差があるため、考古学の出遅れは仕方ない」という見方もありますが、より考古学に近い領域である文献史学でも「学界内での情報革命」が生じ始めているかなと思います。

例えば、イギリス国立図書館を始めとして今や多くの大図書館がそれぞれ所蔵する歴史史料のデジタルデータ化を促進させており、インターネットで簡単に閲覧可能な時代がやってきています。

このネット上の多量の歴史史料を用いて、数学者チームが戦争の頻度に関する数理的分析を行ったことが有名ですが、それから早くも20年近く経過しています。

定義的な意味で扱うデータが真にビッグデータかどうかは問題ですが、今や、あるいは非常に近い将来において、多量のデータを準備し、それを定量的に扱う必要性が人文科学で生じていると言って良いのではないでしょうか。




誰でもドラッグ&ドロップでデータ分析が出来る時代に!

定量的分析に利用可能な形でのデータの準備が必要ですから、考古学あるいは人文科学においてビッグデータを扱うのはもう少し先になるとは思います。

一方でデータ分析という分野はかなり伸びてきており、義務教育及び高等教育課程で基礎統計学やデータ分析に関わる項目が算数・数学の教科書に載るようになって久しい状況となっています。

そのためこれからの若手研究者は基礎的なデータ分析が可能な人材ばかりになってくることが予想されるわけで、私も含めた従来型の定性的分析しか出来ない考古学者は隅に追いやられるのではないかなと思っています。

そういった古いタイプの考古学者の重鎮たち(愛情たっぷりに「旧人」と呼ぶことにしましょう( ・Д・))は所謂「型式学大好きおじさん」なわけですが、彼らの重要性がゼロになるわけではありません。

なのでしぶとく生き抜くでしょう。

そんな旧人たちに朗報なのが、「ドラッグ&ドロップでデータ分析が出来てしまうシステム」の登場です!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

マサチューセッツ工科大学とブラウン大学の研究チームは、対話型データサイエンスシステム「Northstar」向けに、最適な機械学習モデルを即時に生成するツール「仮想データサイエンティスト(VDS)」を発表しました。


このツールに関する研究結果は、2019年6月30日から7月5日まで開催された「ACM SIGMOD conference」で発表されたそうです。


そもそもNorthstarとは、長年MITとブラウン大学が共同で開発している対話型のクラウドプラットフォームなのだそうで、上に挙げた画像のようにタッチスクリーン上で直感的に操作でき、スクリーン上にデータをドラッグアンドドロップして繋げていくというシンプルで分かりやすいものなのだとか。


研究チームは、この「Northstar」の新しいツールとして、「仮想データサイエンティスト」を開発しています。


このツールを使えば、データサイエンスの知識が不足している人々でもAIモデルをトレーニングできるということで、注目の研究開発なのです。


例えば医者がある患者が特定の病気を患う可能性を計算したり、事業主は売り上げを予想したりできます。


例えば、データサイエンスのことを知らないコーヒーショップのオーナーでも、数週間先の売り上げを予測して、仕入れの量を把握できるようになるということで素晴らしいですね。


こんなシステムが登場したら基礎しか学んでいない、巷に溢れている「なんちゃってデータサイエンティスト」や「なんちゃってコンサルタント」は激減するかも知れませんね。


一方でこの「仮想データサイエンティスト」を使えば、データ予測、画像分類、複雑なグラフ構造の分析など、ユーザーのタスクにモデルを合わせて予測分析を実行することもできるので、考古学でも利用する研究者が現れそうですね( -д-)ノ





おわりに

境界領域を専門とする某教授(彼は研究・分析に統計学手法を用いている)に伺ったところ、最初は自分で統計ソフトを使用して分析していたが、現在は統計を専門とする共同研究者に任せているそうです。

分析者自身が統計学やデータ分析に関する知識が十分でなければ、数ある分析手法の中でどうしても望む結果の出る手法を恣意的に選択してしまっていると思う、自分自身がそう感じてしまう、というのが理由なのだそうです。

今回は「考古学の近未来予想図」として定量的な分析が比重を増すだろうと考えつつ、誰もが手軽に分析できる時代もすぐそこということを示したわけです。

しかしながらこれからの考古学者、特に若手研究者らは自らが統計学やデータ分析、あるいは数学や物理学、それを既に応用している諸学問に関して十分に学び、理解する必要があるでしょう。

そうしてこそ「本当の意味で考古学の未来が拓ける」のはないでしょうか?

ま、実際には「学際的研究」という魔法の言葉を用いて、「多額の研究費」という膨大な魔力を消費して、共同研究者に分析をぶん投げてふんぞり返る考古学者(旧人、時に新人)が多数出現するのでしょうけどねっ!( ・Д・)

ちなみに、そういった方々は高い確率で、膨大な基礎データの収集の仕事を学生・院生に無報酬でぶん投げるであろうと『機械学習もとい経験的に学習したAI(Archaeological "Insei"; 考古学研究室の院生)』は現段階で予測しております( ・Д・)

↓皮肉スパイスが利き過ぎてた?(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!↓