2020ねん 5がつ 31にち(にちよーび、晴れ)
もう月末だ( ・Д・)
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今回の考古学・歴史ニュースは「調査でよく出る丸い石の使い方が分かったよ!」ってお話です(*・ω・)ノ
今回の舞台はイスラエルのケセム洞窟です。
いつも「歩けマヤ」で書いてる記事は論文からもってくることは少なく、類似の記事を参考にしています。
まぁ参考にしておいてなんですけど、
「今まで分からなかった~~~が、どこどこのチームによって明らかになった!」
て、大体めちゃ褒めて書いてます。
まぁアピールしたいですもんね、その方が面白そうですもんね……
でも、
実際、すでに分かってましたよ( ・Д・)
しかもずっと前から。
記事として皆様の目に留まったのが最近ってだけで( ・Д・)
とは言っても、今回のお話は本当に『考古学らしい考古学』ですよ。
1960年代以降の考古学らしいって感じです。
現在の日本考古学ではまだ100年前くらいの考古学を未だに引きずってるナラティブのみの大御所(という名の老害)でまだまだ満ちてますから、こういったニュースは皆様に目新しく感じるかも知れませんが、実際はそんなことないです。
今回のこれ、現代考古学のスタンダードですよ( ・Д・)
さて、今回の舞台であるケセム洞窟では29個の丸い石が出土しているそうです。
化石人骨等の分析から20~40万年前のものと考えられているそうです。
ちょうど新人が出現するかな~くらいの時期でしょうか。
これらの丸い石は、当該地域でよくみられる石灰岩またはドロマイト製で、直径が8~9センチほどの大きさだそうです。
研究チームはこの丸い石の10個を使い、デジタル顕微鏡と金属顕微鏡で詳細に観察したところ、その球体には動物の骨を構成する海綿骨やコラーゲン繊維、動物の脂質などが付着していました。
こうした石器を顕微鏡観察して使用痕を検出する研究(上に挙げた写真を参照)は、現代考古学では最早定番です。
でも……コラーゲン繊維とか残ってるものなんですね~。
まぁ化石人骨が残る環境だからかなΣ(・ω・ノ)ノ
この手の記事で専門である私が一番驚くのは、やはり「よく残ってんな~」ってとこですね(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?
まぁようは丸い石といってもゴツゴツしてて、尖った部分に残滓がめちゃ付着してたことが分かったよということです。
だから試しに「丸いゴツゴツした石で骨をゴリゴリしてみた!」ってことですね。
上に挙げた写真がそれで、所謂『実験考古学』です。
実際にやってみて、類似の痕跡が残るかどうかを確認するわけですね。
このように顕微鏡観察による使用痕分析と、実験後の痕跡の比較がセットになって実験考古学なのです。
↑発掘の様子(「大手前大学、考古学専攻」の紹介写真を転載)
おわりに
結論として、ケセム洞窟に暮らしていた古代人は動物の骨髄を大切な栄養源として摂取していたそうです。
骨髄は栄養価が高いのですが、古代人が骨髄食をしていたのは(考古学者としては)常識です。
別に新しいことではありません。
フツー過ぎて、私はこの記事見ても何も感じませんでした。
「ふーん・・・それで?」って感じです( ・Д・)
あまりにも誇張して記事書く人が多いものだから、今回面白くなって批判的に書きましたけど、、、
考古学ってこういうものですよってことが伝わればいいなと思います。
意外とうちら頑張ってんだぜ!ってことですよ(*^・ェ・)ノ
なのに世間はよく知らないんだなって、やはり研究成果の公開が重要だなと感じました( -д-)ノ
上に挙げたように考古学のイメージって、インディ・ジョーンズみたいな探検家でなければ、こうした『発掘調査』をして土器とかを発見してる学問ですよね。
でも考古学は「発掘調査」「ラボ作業」の二つが基本的なセットです。
これに論文を書く際には、先行研究や報告書等の文献の読み込みが追加されるわけで、考古学研究には色々な側面があるのです。
今回の話はどれかというと、主に「ラボ作業」に分類されるのかな?
イメージないでしょうが、考古学者って意外と研究室に立てこもるものなんですよ( -д-)ノ
……最後に、都合上「フツーだ、フツーだ」と馬鹿にしましたが、
考古学成果はこうした地道な分析と検証を積み重ねた結果としてあるので、とても重要な事例研究ですからねっ!( ・Д・)
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