2018ねん 7がつ 30にち(げつよーび、晴れ)
「人は皆、孤独である」
「変えられるのは自分だけ」
ここ数年この2つの言葉の意味を考えさせられる経験が多い。
このペースなら悟りを開く日は近いかも知れない( ・´ー・`)ドヤ
……なんて、別に悟らなくていいから、人生イージーモードでありたいものだ!( ・Д・)
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- はじめに ー「シュリーマン理論」ー
- 商人としてのシュリーマン
- 考古学者としてのシュリーマン
- 考古学者になるために必要なお金を算出してみた
- おわりに
1.はじめに ー「シュリーマン理論」ー
今回の主人公はハインリッヒ・シュリーマン! トロイの木馬で有名なトロイ遺跡を発見したギリシア考古学の父のお話です。
彼はホメロスが書いた叙事詩「イリオス」、「オデュッセイア」に出てくる伝説的都市、イリアスを発見したことで有名です。このイリオスという都市は、古代ギシリアのイオニア方言系での発音で、アッティカ方言系では「トロイア」、英語では「トロイ」と発音されます。
そのため本来地元の言葉ではイリアスなんですけども、映画でも度々扱われる「トロイの木馬」と「トロイア戦争」のように、「トロイ」や「トロイア」として聞いたことがあるかも知れません。発音は違えど意味している都市は同じになります。
本記事ではホメロスの記述を重要視して遺跡ないし都市をイリアスと呼称し、一方で一般的に有名である木馬はトロイ、戦争はトロイアとしてそれぞれ慣例に倣って記述していくことにします。
さて、シュリーマンは伝説の都市、イリアスの発見を目的として事業を営み、発掘調査を実施できるだけの自己資本を集めようとしたと述べています。
つまり彼は「夢の実現にはお金が必要」ということで、非常に現実的な考え方をしていたと思われます。
実際には後付けの論理なようですが、考古学に限らず好きな研究を続けていくに際して現実問題としてどうしても金銭面の問題が立ちふさがるというのは現在にもおいても共通するでしょう。
2.商人としてのシュリーマン
1846年にサンクトペテルブルクに商社を設立し、この時期に成功した。さらにゴールドラッシュに沸くカリフォルニア州サクラメントにも商社を設立して成功を収める。クリミア戦争に際してロシアに武器を密輸して巨万の富を得た(wikiより)。
シュリーマンは1822年生まれですので、24歳で既に商才を発揮していたようです。1844年、22歳の時にアムステルダム最大の貿易商シュレーダー商会に入社し、僅か2年でロシアのペテルブルグ支店長になったようで、その時の年収が7500グルデン、およそ3000万円だったようです(1グルテン=4千円計算)。
時を同じくして1846年には商社も設立していますし、30代で巨万の富を得ていたようです。まぁ武器の密輸はやり過ぎだとは思いますけどね( ・Д・)
実際この事実が、この後述べる考古学者としての彼の人柄や「やり方」をよく暗示していると思います。
3.考古学者としてのシュリーマン
ギリシア考古学の父とは一部で言われているものの、考古学者としてはシュリーマンは高い評価を受けていません。当時の評価としてシュリーマンはただの素人だったのです。現在では偉大な発見をしたものの、考古学者というよりはトレジャーハンターの部類でしょう。
というのも彼は事業で十分な資本金を貯めた後に、事業をたたみ、1870年に調査をトルコにて開始します。しかしこの調査は無許可で行われたのです。
正式な許可を得たのは翌年であり、1873年に「プリアモスの財宝」を発見し、伝説のトロイアを発見したと宣伝しました。
この「プリアモスの財宝」はオスマン帝国政府に無断でギリシアのアテネに持ちだされ、1881年に「ベルリン名誉市民」の栄誉と引き換えにドイツに寄贈しました。かなりむちゃくちゃなことをやってます( ・Д・)
しかしイスタンブールに駐在する西欧列強の外交官を動かして再度発掘許可を出させ、トロイアの発掘を続けました。時代の問題もありますが、こうした盗掘レベルの発掘調査のため遺跡にはかなりの損傷がみられ、現在に至っても考古学者による再発掘・再考証が困難な状況になっています。
ちなみにシュリーマンが発見したこの「イリアス遺跡」が、トロイの木馬で有名なトロイア戦争の舞台となった本当の「イリアス」なのかは分かっていません。
4.考古学者になるために必要なお金を算出してみた
さてお金が必要なのは政治だけじゃないわけですが、考古学者になるにはどれくらいのお金が必要なのか計算してみました。
普通に大学、大学院に進み、順当に大学教員になるコースではありません。最近、いわゆる「在野」の研究者がライフワーク的な研究発表を行い、その業績が評価されているケースがありますが、そのように「一般就職した状態」で、考古学者になる場合を考えてみました。
また日本考古学だと専攻する人口も比較的多く難しそうですから、海外考古に絞ってみます(海外は海外で難しいけどね!)。
生活費は都市にもよると思いますが15~20万あれば、なんとかなるでしょう(きっと)。海外の渡航費はこれも場所にもよりますが10~30万で往復できます。
調査費用も国によって大きく異なります。法律の問題や人件費、物価の問題があるからです。私の経験だと1か月の発掘調査と1か月の整理作業で150万円くらいです。もっと安く済むケースも多々あります。
2~3年で資金を貯めて、次の1年の間に調査を行い、翌年に最終的に整理作業を完了させて学会発表等を行う5カ年サイクルを想定すると……
ざっと400~500万円の年収が必要です。さらには調査に行くために少なくとも5年に2度程度、各1ヶ月のバケーションが必要です( ̄▽ ̄;)!!ガーン
こう考えると、やはり大学等の研究機関に所属することや研究助成金が下りることがどれだけありがたく、重要なことなのかよく分かりますね。
学生の頃、とある考古学教員が言っていました。「考古学者になる方法?まずは上手くヒモになることだよ。僕はそうした」と。ちなみに彼の弟子の一人も「逆玉」で似た道を辿りました。
今思うとあの先生の研究室は何故か美男美女ばかりだったような……手っ取り早く研究者になるには金か顔が必要なのかも知れませんねっ!( ・Д・)
5.おわりに
うん、現実とは世知辛い!そう言えばうちの学会も美男美女が最近増えてきているような……Σ(・ω・ノ)ノ
事実、アメリカの社会学研究によると、イケメンの方が研究者になりやすいとの結果が報告されています。ただしイケメンの方が、ブサメンより研究能力が劣ると評価される傾向が強いことも報告されています。
どっちがいいのか分からないけれども、研究者なんだから、就職に際してもその後についても研究内容で正当に評価してくれよと思ってしまいます。
でも人間、美男美女に弱いのも事実!整形でもしようかな(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!(とある書籍のように人間見た目が9~10割なら、何故人類は美男美女しか残らないように淘汰されないのだろうか!?(゚Д゚)ゴルァ!!)
結論としまして、シュリーマンの述べるように、「夢を叶えるためにお金は必要」です!研究を続けるには最低限のお金がどうしても必要になります。しかしながら逆に言えば、十分な資本を用意できるならば、「アカポス」にこだわる必要もないのですよね。
クラウドファンディングに考古学者も参入し始めてきた昨今、研究資金の調達方法も多様化してきているように思います。従来通り順当に大学院からアカポスコースを狙いつつ、他の手段で生計を立てたり研究資金を集める方策を考え実践していくことが、今後研究者になるための地道&堅実な方法なのかも知れませんね。
↓うん、シュリーマンはやりたい放題にも程があるよ!( -д-)ノ↓