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歩け、マヤ -考古学・歴史ニュース-

「考古学」を中心に考古学・歴史に関するニュースをお届け! 世界には様々な発見や不思議があるものです。ちょっとした身の回りのモノにも歴史があり、「らーめん」すらも考古学できるってことを、他の考古学・歴史ニュースと共にお伝えします!(。・ω・)ノ゙

タグ:青銅器時代

2019ねん 7がつ 17にち(すいよーび、晴れ)

最近、数学ばかりやっている。

どれだけ数学・統計学の世界を理解したら、考古学の各事例に用いるべき手法の正しい選択ができるのだろうか。

まぁとりあえず資格あるらしいので取ろうかな( ・Д・)


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↑ヨーロッパにおけるギリシャとコザニの位置(「「Google Map」の画像を一部加工」)




【目次】
  1. はじめに -基礎情報-
  2. コザニにおける発見
  3. 古代ギリシアにおける窯の構造
  4. おわりに

1.はじめに -基礎情報-

今回の考古学・歴史ニュースは「ギリシアでビザンツ帝国時代の陶磁器を焼成した大きな窯址が検出されたよ!&青銅器時代のお墓も出たよ!」ってお話です(*・ω・)ノ

上に地図を挙げましたが、今回の舞台であるギリシャは地中海に面しており、有名なイタリアのブーツ状の土地のヒールの先方向にありますね(分かりくいか( -д-)ノ)

遺構が発見されたコザニは北ギリシアに位置し、西マケドニア及びコザニ県の都です。

このコザニのアンソニーのグラットサニス(Gratsanis)地区で発見があったらしいのですが、詳しい場所が分かりませんでした。

というのも記事自体が

Δυο καλοδιατηρημένοι κλίβανοι της βυζαντινής περιόδου εντοπίστηκαν στην περιοχή Γρατσάνη του Ανθότοπου Κοζάνης, κατά τη διάρκεια εργασιών……(記事より一部抜粋)

こんな感じなので、よく読み取れないし、こともあろうかグーグルマップもギリシア語表記が多かったので探せませんでした。

学生時代に「古典ギリシア語」を履修していましたが、まぁ大体「なるほど!よく分からん!( ・Д・)」程度の能力だったのでご容赦願いたいヽ(TдT)ノ

ギリシア語の記事に興味ある方は下に挙げる遺構の写真のリンクから、元の記事に飛べますのでどうぞ(*・ω・)ノ




2.コザニにおける発見

まず今回の発見の契機は、「Aeolian Park East and West Asia」という名称の公園を建設するための工事です。

一つ目の発見は青銅器時代のお墓が見つかったことです。

この発見に関して、当時、送電ケーブルの巻き取り作業を行うべく、30㎡の広さの発掘調査がなされました。

この際にお墓が検出され、それが上に挙げた写真になります。

見た感じ、現地表面にかなり近い深度に遺構が広がっている模様です。

出土遺物から後期青銅器時代(BCE1600-1100年)と推定されています。

墓の傍には同時期の建造物と思われる遺構が存在し、青銅製の鳩の装飾品が出土しました。

人骨は確認されなかったようですが、副葬品から女性の墓であると推定されています。




今回のもう一つの発見がこちらの穴ぼこ群です。

変電所を建設しようと工事を行っていたところ、発見されたそうです。

これはビザンティン帝国時代(東ローマ帝国時代;CE395-1453年)の陶磁器の焼成に用いられた窯の跡です。

上に挙げた写真の右下隅に横穴が見えますが、この部分(及び、より手前部分;写真では切れている(TДT))で薪を燃やします。

「もぐら叩きゾーン」にはよく乾燥させた未焼成の陶磁器類を並べます。

このゾーンは10㎡の大きさがある大きなものです。

「もぐら叩きゾーン」の周囲からは10本のアーチ状の支柱の痕跡が確認されており、かつてはこのゾーンが壁と屋根で覆われており、小部屋のようになっていたたわけです。

このように上部構造は失われていますが、下部構造としては非常に保存状態のいい遺構です。

今回の発見ではこの種の窯址が2基検出されたのです。

この2基の窯址では薪をくべる部分の穴の入り口がタイルと石で慎重に閉じられていました。

そのことから、当時の土器工人らは将来的に再びこの窯群を使用する見込みで、一次的に工房を封鎖したのだと推定しています。






3.古代ギリシアにおける窯の構造

古代ギリシアの土器焼成窯の構造について紹介します。

この上に挙げた模式図と模型が非常に分かり易いかなと思います!(*・ω・)ノ

下の模型では「もぐら叩きゾーン(焼成部屋)」もしっかりと示されていますね。

上の模式図では燃料の燃焼場所が、焼成部屋の直下になっていますが、実際にはトンネル状の箇所で燃やします。

ちょうど模型ではトンネルの断面において薪が積まれているのが見えますね。

今回のような焼成部屋の一部である「もぐら叩きゾーン」を特徴とする土器焼成窯址はイタリア、エジプトでもいくつかの検出例がありますので、この下で紹介します。

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↑イタリア、セリヌンテにおける検出例①(「italy magagine」の記事内画像より転載;英文)


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4.おわりに

古代ギリシア文化に属する都市は現在のイタリア、シチリア島にも広がっていましたから、現在のギリシャの外であるイタリアでも多く検出されています。

またこの「もぐら叩き式窯」は古代ローマ、ビザンツ帝国にも引き継がれていますので非常に広い年代幅でヨーロッパを中心に見られるのです。

いくつか写真にて類例を挙げましたが、今回ギリシャで発見された土器焼成址は焼成部屋のグリル板の保存状態が本当によく、そして大型の施設である点で重要な発見だと思いますね(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

また最後に挙げた粘土板に描かれた当時の土器を焼成する工人の様子も興味深いなと思います。

こういった一般層の人々の暮らしぶりが分かる資料は貴重ですね(*・ω・)ノ

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2019ねん 7がつ 16にち(かよーび、曇り)

「精神と時の部屋」が欲しい。

ネットが使えて、書籍も持ち込めて、ネット購入した本も届くのならば……

「時間は作るもの!」

まだ幼き自分が抱いたモットーはとても大事だのものだったと、老いた私は今更ながらに再確認したのであったヽ(TдT)ノ


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↑オックスフォードシャーの位置(「Google Map」の画像を一部加工)


【目次】
  1. はじめに -基礎情報-
  2. 見つかった生贄の遺体の謎
  3. ヒルフィギュア(地上絵)って何?
  4. おわりに

1.はじめに -基礎情報-

今回の考古学・歴史ニュースは「イギリスで約3000年前、青銅器時代の生贄がたくさん見つかったよ!」というお話です(*・ω・)ノ

上に挙げた図にあるように、今回の発見の舞台はイングランド南東部のオックスフォードシャー州(Oxfordshire)です。

前回、ちょうどハリーポッターの晩餐会のシーンでお馴染みのオックスフォード大学について触れましたが、そのオックスフォード大学が所在するのがこの地域です。


↓【まだ食べられるよ?( ・Д・)シリーズ】『最後の晩餐』in ポンペイ、「保存状態が良い」というレベルではない件について!Σ(・ω・ノ)ノ【考古学】
 
↑オックスフォード大学付属博物館でのイベントです(。・ω・)ノ゙


今回の発見の契機は、後ほど紹介するヒルフィギュアと呼ばれる地上絵の比較的近くにて、水道管の敷設工事を行っていたところ、作業員が遺骨を発見した!ということです。

連絡を受けた考古学者チームによって発掘調査が実施され、この埋葬遺構群からは馬の頭蓋骨を含む様々な動物や鉄器時代、古代ローマ時代の道具類が多数出土したのです。


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↑伸展葬の遺体(「Ancient Origins」の記事内画像より転載;英文;credit: Thames Water



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↑足を切断され、後ろ手に縛られている遺体Σ( ̄ロ ̄|||)(「Smithsonian.com」の記事内画像より転載;英文;credit: Thames Water



2.見つかった生贄の遺体の謎


さて、先に述べた動物骨や道具関係の遺物の他に、26体もの人骨が確認されました。


一番上に挙げた写真の人物は普通の伸展葬(「気を付け」をしたような態勢での埋葬)です。


二番目の写真は、何と頭部を切断された上に、その頭蓋骨をわざわざ足元に置いた状態で埋葬されています。


呪術的な意味合いがあるのでしょうか?ヽ(TдT)ノ


そして最もショッキングなのが三番目の写真の遺体です。


分析結果からこの遺体は女性のもので、両手を頭の後ろで縛られ、両足首を切断され、開脚した状態で検出されました(/TДT)/


発見された26体全てが生贄というわけではありませんが、恐らく儀礼的に殺害された遺体の状況には一貫性がないのが謎です。


理論物理学でよく分からないことは「ダークなんちゃら(ex.ダークエネルギー)」なんて表現するように、考古学ではよく分からないことは「儀礼行為」としてしまいます( ・Д・)


恐らく3000年前のこの地では流行り病、飢饉、地震等の自然災害の被害を受けた結果、神の許しや先見の明を求めたり、あるいは、豊かな収穫や戦争での勝利を保証するためにこのような犠牲が払われたのでしょう( -д-)ノ



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↑「アフィントンの白馬」(「芭蕉blog」の記事内画像より転載)


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↑「サーンアバスの巨人」(「ゲー脳ニュース速報」の記事内画像より転載)



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↑「ウィルミントンのロングマン」(「FIND OUT WONDER」の記事内画像より転載;credit: Google)



3.ヒルフィギュア(地上絵)って何?


ヒルフィギュア(hill figure)とはイギリスの石灰岩の丘陵地帯に描かれた地上絵のことです。


その名の通り、丘(hill)の図形(figure)なわけですね(*・ω・)ノ


丘陵の急斜面の草と土壌を削って溝を掘り、母岩である石灰岩を露出させることで描いた地上絵であることから、"chalk figure"、"chalk carving" などとも呼ばれています。


学校の黒板で用いるチョークの語源になっているチョーク(chalk) は、未固結の石灰岩を指します。


石灰岩を露出させて描いているから「チョーク・フィギュア」なのですね(*・ω・)ノ


ヒルフィギュアの製作動機はよく分かっておらず、記念碑、宗教、政治、広告などが考えられています。


上に挙げた3者は特に有名なヒルフィギュアでそれぞれ、「アフィントンの白馬」、「サーンアバスの巨人」、「ウィルミントンのロングマン」です。


ヒルフィギュアの大部分がイングランドの南部の丘陵地帯に集中しており、その数は全部で101例も確認されています。


実はヒルフィギュアは定期的な保守作業を続けないと、風化・埋没して消滅してしまいます。


そのため「古いヒルフィギュア」は、地域のランドマークとして長年に渡って定期的な手入れをされ続けてきたものであることを意味します。


かつては101例以上にもっともっとあったのかも知れませんね(*^・ェ・)ノ


さて、写真から分かるように、緑と白のコントラストが鮮やかで遠方からでもはっきりと見ることができますが、ナスカの地上絵のように上空からではなく、向かいあった斜面や遠方など地上から見ることを意識して作られています。


選ばれる題材は「馬」が最も一般的で、その他に人や動物、十字架や紋章などがあるそうです。

数多あるヒルフィギュアですが、適切に管理しないと消滅してしまうという性質から、実際にはほとんどのものが18世紀以降の作品なのだそうです。

例外として今回の発見にも関係する「アフィントンの白馬」は青銅器時代作とされています。

白馬は当時のこの一帯の部族の象徴であり、太陽が馬の上や馬車の中で空を横切って運ばれたという神話の信念を反映しているとのことです。

これは古代ヨーロッパでは「ソーラーホース」として知られるモチーフです。

そのため今回発見された人々は日々の日の出を保証するために犠牲にされたのかも知れません。

それにしてもこのお馬さん、3000年前から維持され続けているって凄いですよね!Σ(・ω・ノ)ノ

でも管理する地元住民の間では少なくともここ数世紀の間、「馬」ではなく「ドラゴン」だと思っていたそうですよ!( ・Д・)



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↑ホーマー・シンプソンのいたずら書き(「excite blog」の記事内画像より転載)



4.おわりに


上に挙げたのは2007年に起きた「いたずら事件」です。


「サーンアバスの巨人」の隣に白色の水性ペンキで「ホーマー・シンプソン」が描かれたのです。


文化財には直接手を出していないし、「水性」という点が優しさかも知れませんが、地元住民は怒り心頭だったようです。


というのも先に説明したように、現在でも地元住民らの信仰の対象ですし、彼らの先祖代々の努力で現存する文化遺産なのですから当然ですね!


(それにしてもシンプソンの絵が上手すぎる( ・Д・))


こういった地元住民らが先祖代々、努力して守り続けている文化遺産ってけっこう少ないんじゃないかなと思います。


その連綿と続いてきた行為自体が「重要な無形文化遺産」だと思います(。・ω・)ノ゙


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2018ねん 7がつ 28にち(どよーび、めっちゃ晴れ)

空が青い!

遠くに見える山が綺麗!

昔、大学の先輩が言っていた……

みんな大体、考古学の他に宇宙や恐竜が好きだったと。

考古学専攻の人間はそもそも、時間的あるいは物理的に遠い何かに惹かれる傾向にあるのだと。

青くどこまでも広がる空と、遠くに連なる山々。

私の知的好奇心の原点を「再発見」した心地だ。


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今回紹介するのは、青銅器時代にイタリア、オーストリア国境近くで起きた「アイスマン殺人事件」です。

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ガイシャは1991年9月19日に、アルプス登山のルートから外れた場所を歩いていたニュルンベルクからの観光客によって、溶けた雪の下からミイラ化した状態で発見されました。

調べによると、ガイシャはイタリア、ボルツァーノ県ヴェルトゥルノ近辺に住む46才(推定年齢45~46歳)の男性です。無職ではないと思われ、恐らく牧畜を営んでいたかと思われますが、今のところ詳しいことは分かっていません。

鑑識によると遺体発見当時にガイシャの周りに散乱していたガイシャの持ち物と思われる品から、事件が発生したのは今からおよそ5300年前の青銅器時代前期と推定されています。


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当時ガイシャは、靴底が丈夫な熊の毛皮製の靴、革のゲートル、色違いのを縦縞模様に継ぎ接いで作った外套を着こんでおり、またベルトに附属する小型袋にはフリント(火打石)やスクレイパー(石製工具)、乾燥したキノコなどを入れていました。頭には熊の毛皮で作られた顎紐付きのフードを被っていたようです。

不思議なのは、アイスマン殺害当時、ガイシャは「作りかけの弓矢」や「精錬された銅製の斧」を所持していた点ですね。

また聞き込みによると、ガイシャは背中や脚に刺青を入れていましたが暴力団との繋がりはなく、腰痛持ちであったためにツボ療法の一環として刺青を入れていたようです。


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↑警部、アイスマンの検死解剖の様子です!(「ナショナルジオグラフィック」の記事内画像より転載)

……検死解剖の結果が出ました!。ガイシャは当初凍死したと思われていましたが、違ったようです。

X線撮影調査では左肩に「矢尻」が見つかり、これが死因である可能性が高いと分かりました。またコンピューター断層撮影装置により、「矢じり」による動脈を損傷した結果、失血死したことが判明しました。

加えて、右眼窩に骨にまで到達する裂傷が認められ、更に後頭部に即死に至る量の脳内出血の痕跡があることが分かりました。

これは彼を殺害した人物がガイシャに止めを刺すべく、矢を受けて倒れた彼の後頭部を石などの鈍器で殴ったと推測できるとのことです。また、彼を殺傷した矢の軸は見つかっておらず、殺害者が証拠隠滅のために持ち帰った可能性があります。

胃の内容物からは、最期にアカシカやヤギの肉と脂肪、ヒトツブコムギ等の穀類を食べていたことが分かりました。繊維、タンパク質、エネルギー豊富な多量の脂肪という雪の残る寒い高山に登るためによく準備された食事を摂っていたようです。

このことから、ガイシャが部族間の争いに巻き込まれ、山を越えて逃亡する最中に死亡したという線は薄いと考えられます。

またアイスマンの死亡時期は4月頃との推定結果が出ていますが、残雪が大量にある季節に3,000mを越える高地に登った理由が分かりません。

ガイシャの胃や腸から検出された花粉からは、彼が死ぬ直前の数日間の間に、モミが生える標高の高い場所から一度低い場所に移動した後、またすぐにモミが生える場所へ行くという強行軍を行っていた事も推測されましたが、このような行動の理由も分かっていません。

一方で4月は積雪がまだひどく山を登ることは不可能とする意見もあります。発見現場で採取された花粉が8~9月頃のものであることなどから、4月に麓で死亡した後に夏場に山の上に埋葬されたという説も浮上しています。

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結局、犯人が誰かは分かりませんが、アイスマン(愛称:エッツィ)の最期については、彼の発見から30年の歳月をかけて少しずつ分かってきています。

さて、考古学や関連諸科学領域で分かることを、「刑事もの」風にするとこんな感じになるのですね~。やっぱり犯人分からないとオチがないですかね?

考古学で犯人捜しするには、犯人にも近くで死んでもらって、ミイラ化等の方法で残存してもらわないと困ります( ・Д・)

今回の犯人は青銅器時代前期において証拠隠滅するくらいの相手ですからね、ちょいと考古学者には荷が重いかな~( -д-)ノ 

皆さんも、もし不幸に見舞われた際にはダイイングメッセージなどの直接的な証拠をガンガン残すようご協力お願いします。血文字はダメです。永く遺すには石に刻むことをお勧めします(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ぃょぅ!

↓やっぱり名探偵の道のりは遠いやヽ(TдT)ノ……それ、ぽちっとな!(ノд・。) グスン↓

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